債権・債務管理システムの基本機能

 2017.08.31  クラウドERP編集部

新入社員、新規配属の方必見!ERP入門特集

“債権”と“債務”、この2つの権利と義務は業界業種を問わず、すべての企業に発生するものです。債権を適切に管理すればキャッシュフローが改善し、経営を楽にすることができます。そして債務を適切に管理すれば、取引先からの信頼性を維持でき、良好な取引関係を築いていくことができます。

いずれも重要な管理業務の一つであり、企業は債権・債務管理を最適化するための努力をする必要があると言えるでしょう。

しかし、手作業で徹底した管理を行うことは非常に難しく、頭を抱えている企業も多いのではないでしょうか。

そんな企業にとって救世主たる存在が“債権・債務管理システム”です。もちろん、導入すれば必ず管理業務を最適化できるというわけではありません。大切なのは適切な製品選定と運用です。しかし、それらを徹底することができれば、債権・債務管理システムは企業に大きな利益をもたらしてくれるでしょう。

では、そんな債権・債務管理システムにはどのような機能が備わっているの?今回はこの点について説明していきたいと思います。

機能1.販売・購買データを一元的に管理する

販売は“売掛金”となり、購買は“買掛金”となります。この2つのデータを管理することは、債権・債務管理システムにとって基本中の基本です。

これまでExcelで債権・債務管理を行ってきた企業では、売掛金と買掛金を管理するだけでも一苦労だったのではないでしょうか。定期的あるいは不定期に発生する取引データを、手作業だけで管理すると様々なミスが発生します。

そのミスが原因となって、回収不備や未払が起こってしまい、経営が苦しくなったり取引先からの信頼を失ってしまったりと、深刻な問題へとつながります。

しかし、システム上で販売・購買データを管理することができれば、そうした問題の多くは解決されるでしょう。

債権・債務管理システムは営業システムや購買システムからのデータを取り込むことによって、それらのデータを適切に管理し、いつでも瞬時に確認できるよう整えることができます。

また、管理した販売・購買データをもとに様々な機能を活用することで、高い業務効率化効果が生まれるのです。

機能2.様々な入金・支払方法に対応する

売掛金の回収や買掛金の支払は、銀行振り込みだけではありません。社用クレジットカードで行われる場合もあれば、相殺するケースもあるでしょう。場合によってはファクタリングを行ったり、手形を発行することもあります。もしかすると、今後はビットコインによる企業間取引が増えるかもしれません。

このように、債権・債務管理では様々な支払方法に対応する必要があり、まだ対応していない企業は少しでも多くの方法に対応するのが急務だと言えます。

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製品にもよりますが、債権・債務管理システムでは多様な入金・支払い方法に対応しているため、様々な形態で取引を行うことができます。

ただしあくまで“製品による”ので、導入しようとしている債権・債務管理システムが、どのような入金・支払方法に対応しているかを事前に確認しましょう。

機能3.入金・支払データの取り込みで自動的な消込を行う

債権・債務管理業務の中でも、面倒だと感じるものの一つが“消込作業”ですね。入金・支払データをもとに一つ一つの売掛金・買掛金を消し込んでいくことは、なかなか骨の折れる作業であり、作業忘れも少なくありません。

地味な作業ではありますが、作業忘れやミスが発生すると決算時にかなり響いてしまうので重要な作業でもあります。

債権・債務管理システムでは入金・支払データを取り込むことで、自動的な消込作業を可能とします。基本的には入金・支払明細から自動的にデータを取り込んでくれますが、手作業でのデータ取り込みも可能です。

いずれにせよ、自動的に消込作業を行ってくれるので、業務効率性が高まることは間違いないでしょう。

機能4.入金・支払残高をリアルタイムに可視化する

また、入金・支払残高をリアルタイムに確認する機能も備えています。つまり、現在の入金・支払状況をいつでも確認できるということです。こうしたデータを目視確認できれば、システムに完全に依存せず、債権・債務管理を行うことができます。

目で見て確認できるという安心感もあるでしょう。万が一入金・支払業務が滞っていればアラートする機能も備わっているので、万全の体制で債権・債務管理を行うことができるでしょう。

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機能5.取引先に応じた入金・支払期日を管理する

取引先によって取引方法が多様なら、入金・支払期日も取引先によって異なります。これが、債権・債務管理を複雑にしてしまっている原因の一つです。

手作業で管理業務を行っている環境では、こうした期日管理を行うことも一苦労であり、入金や支払に遅れが出てしまうこともしばしばあります。しかしそうした環境を改善しないことには、経営を楽にすることも取引先と良好な関係を築くこともできません。

債権・債務管理システム上で入金・支払期日を管理することで、入金・支払業務を効率化することができます。

機能6.営業・購買・販売システムとの連携で効率性を高める

債権・債務管理システムがその効果を最も発揮するのは、周辺システムと連携したときです。営業システムと連携すれば請求業務を効率化でき、購買システムや販売システムと連携すればデータを直接取り込むことで債権・債務管理業務を効率的に行うことができます。

債権・債務管理システムの多くは周辺システムとの連携機能を有しているので、事前に社内システムとの連携性を確認しておくことが大切です。

また、ERP(統合基幹業務システム)として連携環境を整えるという選択肢もあります。

ERPは債権・債務管理システムを含む複数の業務システムを包括しており、各システムは相互に連携が取れている状態です。つまり、最初から連携の取れているシステム環境を導入することができる、ということです。

単体システム同士で連携するよりもはるかに高い連携性を持ち合わせており、各システムから生成させるデータを一元管理して分析することも可能です。

環境やニーズによってはERPの方がメリットが高い場合も多いので、債権・債務管理システムを検討する際は、同時に検討しておくと良いでしょう。

機能7.債務シミュレーションで将来設計を立てる

債務には、買掛金などの短期的債務と、銀行借入や社債などの長期的債務があります。後者の義務を負う場合は、将来的な債務管理を計画しなくてはなりません。

債務シミュレーション機能を活用すれば、利息や支払期日などを含め、将来的な債務状況を把握することができます。計画なしに長期債務を負えば、相手先からの信頼を失ってしまったり、経営が苦しくなることもあるでしょう。

債権・債務管理システムの債務シミュレーション機能によって、計画的な債務管理を実現しましょう。

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まとめ

いかがでしょうか?このように、債権・債務管理システムには様々な機能が備わっています。そのどれもが債権・債務管理業務を効率化したり、計画的な資金繰りを行うための重要なものばかりです。

現在、手作業によって債権・債務管理を行っている企業では、ぜひ債権・債務管理システム、そしてERPの検討を行ってください。自社に導入した場合の効果を試算し、導入の必要性やニーズを見極めましょう。

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