結局SaaS型のERPを使うと何が良いのか?

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 2018.03.13  クラウドERP編集部

SaaSとはいわゆるクラウドサービスのこと。インターネット上で提供されるアプリケーションサービスの多くがSaaSに分類されます。従ってSaaS型ERPとは、社内システムとして構築するERPではなく、インターネット上のサービスとして「利用する」ERPを指します。

現代のERP市場で主流なのは従来型のオンプレミスではなく、SaaS型です。そこには中小企業も注目すべき多数の理由があります。今回はその理由をご紹介します。

SaaS型ERPが良いとされる7つの理由

1.新規事業立上げや拡大に応じて素早く導入できる

数あるSaaS型ERPのメリットの中でも特に注目されることが多いのは「素早い導入」です。社内にシステムを構築せず、インフラ調達も無く、サービスを契約して利用するだけなので理論上は迅速な導入が可能です。実際に世界No.1のSaaS型ERPであるNetSuiteでも、3ヵ月未満というごく短期間でのカットオーバー(本格稼働)に成功している企業様は多数存在します。

「理論上は迅速な導入が可能」と説明したのは、製品によってもカットオーバーまでの平均期間が異なるからです。たとえばSaaS型ERPでも初期設定などが複雑なものなら、カットオーバーまでに半年以上かかるケースもあります。ただし、それを差し引いてもオンプレミス型よりは圧倒的に早く導入できるでしょう。

2.海外拠点との連携をスムーズに

近年は大企業はもちろんのこと、中小企業の海外進出が増加傾向にあります。成熟期に入った日本市場とは別に、ブルーオーシャン(競争の少ない未開拓市場)を求めて海外を渡ることは当然の判断と言えましょう。ましてや「クール・ジャパン」と日本の文化や製品が世界で高評価を得ている現代において、これほど海外進出に適したタイミングは無いかと思います。

しかし、海外進出には一つの大きな大きな障壁があります。それが現地従業員とのコミュニケーションと経営情報の共有です。

現地従業員としては最低でも英語が堪能な人材を配置するのが当然ですが、国内の従業員で英語ができる人は限られています。これは海外拠点とのコミュニケーション経路が限定されているのと同じです。そのため迅速にコミュニケーションを取ることが難しく、結果として経営情報の共有がリアルタイムで行われず、何テンポも遅れた経営判断を下すことになります。

それに対してSaaS型ERPを導入している環境では、海外拠点との経営情報の共有は「一瞬」です。なぜならSaaS型ERPは海外拠点に同じ製品を適用できるケースが多く、インターネットを通じてシステム自体を共有できるからです。

たとえば経営者が海外拠点の昨日の売上や営業データを確認しながら、業務指示を出すことも可能です。海外進出が当たり前になりつつある現代、SaaS型ERPは本社と海外拠点の橋渡し的存在として、グループの情報共有を支えます。

3.運用負荷を軽減してIT人材不足を解消

皆さんは現在の日本で、どれくらいのIT人材が不足しているかご存知でしょうか?聞かずとも痛感しているという方も多いでしょう。2018現在、日本のIT人材は24万人以上不足していると言われてます。2019年をピークにIT人材供給は減少していき、2030年には不足人数が79万人(高位シナリオ)に膨らむ見通しです。

引用:経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果~ 報告書概要版 ~

こうしたIT人材不足を解消するためには「新しい人材を確保する」か、「情報システムの労働生産性を高める」か2つに1つです。慢性的な人材不足に陥っている状況で、新たな人材確保は難しい問題です。雇用リスクもあります。

そこで、情報システムの労働生産性を高めるという方法が現実的です。SaaS型ERPならシステム運用は不要で、経営上不可欠なアプリケーションを統合的に導入できます。

情報システム担当者が今まで抱えていた運用負荷は一気に軽くなり、労働生産性は飛躍します。そうして余分になったリソースは将来的なIT戦略に回したり、新たなシステム投資に回すことができます。

4.経営状況を一目で確認できる

多くのSaaS型ERPには「ダッシュボード機能」が備わっています。自動車のダッシュボードのように複数の計器がある画面をイメージしていただいて構いません。その計器には何が表示されるかというと、経営者が欲しい情報を表示できます。もっとも、こうした機能を備えているSaaS型ERPは、予めBI(ビジネス・インテリジェンス)が搭載されていることが条件となります。

BIが搭載されているSaaS型ERPなら、経営者自ら表示する情報をカスタマイズして、データをもって経営状況を一目で判断できます。迅速に経営判断を下すための、大きな材料になることは間違いないでしょう。

5.外出先からシステムにアクセスできる

ERPに限らずSaaS型の特長は「利用する場所(ネットワーク)やデバイスを選ばない」ことです。たとえばインターネットにアクセスする際は、「このネットワークから」「このデバイスから」という制約はありません。接続するネットワークがどこであれ、利用するデバイスが何であれインターネットにアクセスできます。これもSaaS型ERPの利点です。

セールスマンは営業先からシステムにアクセスできるようになり、その場での在庫確認や納期回答ができます。出張が多く多忙な経営者は、世界中どこにいてもシステムを通じて経営状況を確認できます。

近年注目される「働き方改革」の一環として、テレワークに取り組むこともできるでしょう。従来は社内ネットワークからしかアクセスできなかった環境も、SaaS型ERPで小回りの利くシステム環境にガラッと変化します。

6.コア業務に集中できる

SaaS型ERPの場合には、事業者が情報システムに必要な基盤を提供するため、企業はサーバーやストレージ、アプリケーションを動作させるためのミドルウェア製品を導入する必要はありません。

また、それに伴う設計やキャパシティプランなども必要なくなるため従来から問題になっている情報システムのおもりという作業がなくなり、コア業務に集中できるメリットがあります。

7.アップグレードやバージョンアップ作業が容易

SaaS型ERPの場合、常に最新バージョンのソフトウェアが事業者により展開されるため、ソフトウェアやハードウェアの保守ぎれという概念が存在しません。そのため従来から企業のおもりになっていたERPのバージョンアップ作業がなくなるため、常に先進的な機能を用いて経営を実践することが可能になります。

多くのSaaS型ERPでは、特定のスクリプトを用いてカスタマイズを行うことが可能ですが、ソフトウェアのバージョンアップの際にはそれらも引き継がれてバージョンアップできるため安心して利用することができます。

SaaS型ERP導入にあたっての注意点

先述の通り、SaaS型ERPには様々な利点があり市場は継続的に活発化しています。SaaS型ERPを導入することで多くの経営課題を解決し、停滞していたビジネスを一歩前へ進めることができるでしょう。

しかし、SaaS型ERP導入にあたって注意点もあります。それは多くの製品がパッケージ化されているため、既存業務をSaaS型ERPに合わせる必要がある、ということです。

SaaS型ERPの機能は基本的に固定しています。オプションによって機能を追加できるものもありますが、やはりオプションの域を出ません。会社のごとに業務実態に合わせて、アプリケーションをカスタマイズすることは難しいでしょう。

一方で、NetSuiteのように開発プラットフォームを提供し、ユーザー独自にアプリケーションをカスタマイズできる環境を整えている製品もあります。そのため、SaaS型ERP導入時は製品に柔軟性に着目し、独自のカスタマイズが可能な製品を選ぶことをおすすめします。

NetSuiteならカスタマイズによるバージョンロックは皆無なので、安心して独自のカスタマイズを加えられるでしょう。利点が多い反面こうした注意点もあるSaaS型ERP。慎重に検討を重ねて、最適な製品を選びましょう。

ERP(統合基幹業務システム)の導入を成功に導く10のステップ

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