固定資産管理システムとは?

 2017.08.28  クラウドERP編集部

新入社員、新規配属の方必見!ERP入門特集

今回は固定資産管理システムの基礎について紹介します。会社の中には様々な固定資産が置かれています。小さなもの、大きなもの、形を持たないものなど実に様々で、これらは適切に管理されていなければなりません。

なぜなら、法人税法によって固定資産税の申告を行う必要があるからです。

しかし、システム化されていない環境において、固定資産を適切に管理するのは非常に難しく、台帳との差異が大きいことで監査に指摘されたことがある企業も多いのではないでしょうか?

こうした問題を解決するためにも固定資産管理システムは必要です。では、固定資産管理システムとはどのようなものでしょうか?

固定資産管理システムとは

固定資産管理システムの基本は“固定資産”の管理と“減価償却”にあります。

“固定資産”とは

固定資産とは、有形か無形かを問わず会社が持つ資産を指します。また、固定資産だと判断するためには次の3つの条件が揃っていなければなりません。

1.販売する目的で保有していないこと

2.1年を越えて使用する予定があること

3.一定の金額以上であること

固定資産は会社が事業運営していく上で必要となる資産です。従って、販売目的で製造及び仕入いているものは固定資産にはなりません。建設会社が建てた自社ビルは固定資産でも、販売用に立てた物件は固定資産にならないということです。

使用期間に関しては“1年以上”が条件となります。1年未満で使用を終わらせてしまうものは、消耗品や事務用品と判断され、固定資産として計上しません。

また、あまりに金額が低いものは固定資産にはなりません。固定資産と判断するためには“10万円以上”という条件を満たす必要があります。10万円未満のものに関しては費用項目で処理をします。

“減価償却”とは

減価償却とは本来一時的な支出であるものを、その耐用年数に応じて分割して費用計上してくことを指します。

わかりやすく1億円のビルを購入したと仮定しましょう。その年、1億円を経費として計上すると利益は激減してしまいます。また、次年度は1億円分の経費が差し引かれるので、今度は利益が激増してしまいます。

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財務会計という外部ステークホルダーに経営状況を開示しなければならない企業において、こうした利益の増減は公正ではなく、国や外部ステークホルダーとしても正しい判断を行うことができません。

そもそもビルというのは1年以上継続して使用する固定資産ですので、その年にすべての支出を計上するというのもおかしな話です。従って、耐用年数に応じて少しずつ分割して費用計上していくことで、公正な経営情報の開示を行うことができます。

また、税務上でも大きな支出を1年で計上させるのは問題なので、減価償却が存在します。

固定資産管理システムは、この固定資産を管理し、かつ正しく減価償却していくための機能が中心となります。固定資産をシステムに登録することで常に資産状況を把握することができ、また減価償却を正しく行うことで税務上のミスを無くします。

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必要なのはシステムの柔軟性

固定資産管理システムにて最も必要なものは何かと考えたとき、それシステムの“柔軟性”だと言えます。

何が柔軟でなければならないのか?それは、法改正などに対応すべく柔軟なカスタマイズができなければなりません。

法人税法は毎年制度改正が行われているので、今ある固定資産管理システムが将来的な法人税法に対応できるとは限りません。もちろんシステム改修を行えば問題のない話ですが、都度開発コストがかかってしまうという問題があります。

そのコストを極力抑え制度改正に対応するには、柔軟にカスタマイズでき、最低限のコストで機能開発できるようなシステムでなければならないのです。

独自の開発プラットフォームを提供しているか

固定資産管理システムを選ぶ一つの基準として「独自の開発プラットフォームを提供している」という点があげられます。システム独自の開発プラットフォームがあれば開発期間を短縮化して、最低限の時間とコストで制度改正に対応することが可能です。

例えばERP(統合基幹業務システム)のNetSuiteは、独自の開発プラットフォームを提供することで、クラウドサービスでも自由なカスタマイズが可能です。また、カスタマイズによるバージョンロックもありません。

NetSuiteのように柔軟性の高い固定資産管理システムであれば、低コストかつ高い柔軟性を手にすることができます。

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固定資産管理システム3つの分類

固定資産管理システムを導入する場合、主に3つの導入形態があります。

1.ERPの一部としての導入

2.会計システムの一部としての導入

3.単体システムでの導入

ERPは固定資産管理システムに限定せず、会計システムや営業システムなど、組織に必要なあらゆる業務アプリケーションを総合的に導入することができます。そしてその最大の目的が“全社最適化”と“経営資産活用”です。

全ての業務アプリケーションで連携が取れていることで、それぞれの相乗効果により業務効率性は飛躍的にアップします。また、各所から生まれるデータを一元的に管理すれば、経営状況をリアルタイムに可視化し、経営資源として意思決定材料にすることも可能です。

ただし、非常に大きなシステム群であるため、カスタマイズが難しいという問題もあります。ERPの一部として導入する際は、NetSuiteのように独自の開発プラットフォームを提供している製品に着目しましょう。

会計システムの一部として固定資産管理システムが提供されていることもあります。この場合、あくまで一機能として提供されているので、単体システムのような機能性を持ち合わせていないのがネックです。

予め会計システムと連携しているという部分は評価すべき点ですが、大規模な固定資産管理を想定しているのであれば、製品選定は慎重に行う必要があります。

最後は単体システムとして固定資産管理システムを導入するという方法です。メリットは単に固定資産を管理したり減価償却を行うだけでなく、税務申告書などを作成できたり、税務関係の業務を一手に集約することができ。

製品によって機能性の違いはありますが、自社にとって最適なものを導入することができれば固定資産管理業務を大幅に効率化することができるでしょう。

以上が固定資産管理システムの導入形態ですが、単体システム導入時に注意していただきたいのは「周辺アプリケーションとの連携性」です。固定資産管理システムはそれ単体でも効果のあるものですが、本来の導入効果を引き出すには周辺アプリケーションとの連携が必要です。

会計システムや購買システムなど、複数の業務アプリケーションを連携してデータ共有を行うことで、様々な効率化効果があります。この点を考慮すれば、ERPの一部として導入することも頭に入れておくと、より良い固定資産管理システム導入ができるでしょう。

まとめ

会計システムや営業システムと違ってあまり馴染みのない業務アプリケーションなので、固定資産管理システムを導入する際は、まずは十分な理解をした上で正しい製品選定を行っていただきたいと思います。

また、様々な導入形態を検討することで、自社にとって本当に必要なシステム環境を見極めましょう。

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