IPOの基礎知識:上場までの流れと準備

 2019.09.10  クラウドERP編集部

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IPOはInitial Public Offeringの略であり、いわゆる「新規公開株式」のことです。株式市場に上場していない会社(未上場企業)が新規に株式を証券取引所に上場し、投資家に株式を取得させることを意味します。通常は新しい株式が公募されるか、上場前に株主が保有している株式が売り出されます。これらの株式を、証券会社を通じて投資家へ配分することをIPOというのです。

経営活動を続け、継続的な事業拡大に積極的な会社ならば、最終的には株式市場への上場を目指す企業は少なくありません。本稿では、このIPOについて基礎知識と上場までの流れを解説します。

basic-knowledge-for-ipo

IPOの特徴

IPOは新規公開株式の総称なので、特定の銘柄を指すわけではありません。証券取引所への上場によって新しく公開された株はみなIPOということになります。直近のIPOについて、少しご紹介しましょう。

銘柄

コード

銘柄名

市場

公募価格

初値

騰落率

上場日

7804

株式会社ビーアンドピー

東マ

2000

2400

20%

2019/07/24

7678

株式会社あさくま

JQ

1250

1834

47%

2019/06/27

7677

株式会社ヤシマキザイ

東2

1280

1450

13%

2019/06/26

4443

Sansan株式会社

東マ

4500

4760

6%

2019/06/19

7065

ユーピーアール株式会社

東2

3300

4000

21%

2019/06/12

1451

株式会社KHC

東2

850

832

-2%

2019/03/19

4436

株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド

東マ

1050

1400

33%

2019/03/19

7057

株式会社エヌ・シー・エヌ

JQ

800

1214

52%

2019/03/14

4434

株式会社サーバーワークス

東マ

4780

18000

277%

2019/03/13

※東1=東証1部、東2=東証2部、東マ=東証マザーズ、JQ=JASDAQ

ERPに関するお役立ち資料

引用:カブドットコム証券 新規公開株(IPO)/公募・売出(PO) 過去のIPO銘柄一覧

公募価格とは、IPOにあたり会社が投資家に株式を公開するさいの価格です。初値はIPO後、最初に株価が付いた値段であり、その変動率を表すのが騰落率(とうらくりつ)になります。たとえば株式会社サーバーワークスは株式を公募価格4,780円で売りに出し、初値に18,000円が付いているため、同社のIPOを100株買って初値で売りに出した場合、132万2,000円の儲けになります。

投資家にとってのメリット

上表をご覧いただくと分かる通り、IPOは公募価格から初値において騰落率がプラスになるケースが多くなっています。2015年にIPOを果たした92社のうち、最初の株式市場で取引が成立した価格(初値)が公募価格を上回った企業が9割前後です。値上がり率の平均は88%なので、IPOは投資家にとって儲かりやすい銘柄ということになります。他にも、以下のようなメリットがあります。

  • IPOは取得に手数料がかからない
  • 銘柄によっては上場後、数ヵ月の間に株式分割を行う会社が多い
  • 公募価格は割安に設定されている場合が多い
  • 新興企業など歴史が浅い会社が多く、今後の業務急拡大が期待できる

こうしたメリットから、IPOばかりを好んで買う投資家も多いでしょう。ただし、IPOには以下のような注意点もあります。

  • 上場後、株価が一方通行にブレやすい
  • 株価変動が落ちすくまで3~6ヶ月程度かかる
  • 新興企業など歴史が浅く規模の小さい会社が多く、バリュエーション(投資価値)が把握しにくい

IPOの流れ

IPO、つまり株式市場へ上場することはその会社にとって多数のメリットがあります。まず金融機関から借り入れをしなくても、広く投資家から資金調達が行えること。それと、上場によって会社の知名度が一気に上がることです。これによって新しいビジネスチャンスを掴め、資金調達に苦慮しないなどの効果があります。では、そんなIPOの流れについて簡単に説明します。

1.上場承認

上場申請を行った会社が、上場する証券取引所から承認を受けることです。上場承認した証券取引所は、その会社が上場する旨をホームページ等で公表します。たとえば東京証券取引所ではトップページのマーケットニュースにて、上場承認の情報が掲載されます。投資家は基本的に証券取引所の情報によって、これから上場するIPO銘柄を知ることになります。

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2.仮条件の決定

仮条件はブックビルディングにおいて、投資家に提示するIPOの価格帯を指します。たとえば「1,000~2,000円」のように、一定の幅を持たせた株価が仮条件です。上場承認から仮条件を決定するまでの十数日間では、保険会社や銀行などの機関投資家に対してロードショーを行います。これは、上場する企業が目論見書などをもとに事業概要や成長性を説明するプレゼンのようなもので、機関投資家はこのロードショーを参考にして主幹事証券会社の発行価格の意見を述べます。その後最終的に、主幹事証券会社が仮条件を決定します。

3.ブックビルディング

ブックビルディングとは、あらかじめ設定した仮条件の価格の範囲内において、各投資家の申し込み価格をもとにIPOをする新規上場企業の公募価格を決定するものです。需要申告とも呼ばれています。IPOにおいて、個人投資家が手続きとして参加するのはブックビルディングからとなります。「何円で何株買いたいか?」を申告する手続きであり、参加している事がその後行われる抽選の対象となるための条件になります。IPOは人気が高く、申込者多数で抽選になるケースが多いのです。

4.公募価格の決定

ブックビルディングが終了すると、集まった申し込み価格にもとづいて公募価格が決定します。公募価格は仮条件の範囲内で決定されますが、上限価格になったから上限価格未満になったかが重要なポイントです。公募価格が上限価格未満になったIPO銘柄は、上場後の初値が公募割れ(公募価格よりも下がること)を起こすリスクが高くなります。

5.抽選

発行株数に対して申込者が多数となった場合は、公募価格決定後に抽選が行われます。抽選方法は証券取引所によって異なり、1人1口の平等抽選もあれば、申込株数に比例した抽選口数が与えられる証券取引所もあります。

6.当選・購入

公募価格決定から2営業日以内には抽選結果が発表されます。抽選結果は証券取引所のWebサイトか、当選・落選メールサービスで知ることができます。ただし、当選だけでは購入手続きは済んでいません。IPOにおいて当選は株式を購入する権利を得たに過ぎないため、その権利を履行しなければ失効します。

以上がIPOの流れです。IPOについて少しでも知っておくと、上場を目指した際に適切な準備を行ったり、上場に向けて正しい事業計画を立てたりすることが可能です。この機会に、IPOは上場についてより深く理解してみてはいかがでしょうか?

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