クラウドERP選定 虎の巻 〜アプリケーションの塩漬け化を阻止!〜

 2016.04.04  クラウドERP編集部

グローバル標準のクラウドERP

かつての基幹システムは、オンプレミス型ERPのカスタマイズやスクラッチ開発を発注し、自社の業務にフィットするように作りこむものがほとんどでした。そのため、ビジネスの様式や法律が変わってもすぐに対応できなかったり、新たな業務が加わったときは新たなシステムを構築したりしなければならず、素早い変化への対応が難しいという課題がありました。

しかし会計・販売・在庫・財務・人材管理などを一元化できるだけでなく、必要なシステムを必要なだけ導入できるクラウドERPの登場により、基幹システムの在り方が大きく変わってきています。その一方でパッケージ型ERPを導入したものの業務にフィットせず使わなくなってしまったという例も散見します。

どうしたら、導入アプリケーションの塩漬け化を防ぐことができるのかといえば、やはり最近はやりのクラウド型のアプリケーションの選定に鍵があるのではないでしょうか。不自由なく末永く利活用できるアプリケーション導入のコツを探ります。

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すでに基幹システムを導入済みの企業は数多くあるでしょう。しかしそんな中、業務効率化と内部統制、グローバル化を行うことを理由にした、基幹システムの切り替えやERPアプリケーションの追加に迫られる企業も少なくありません。

グローバル化を目指す際、最も高いハードルとなるのは、国内の商習慣と海外の商習慣の違いでしょう。そのほかにもハードルはいくつもありますが、まずは進出先の国への税制やレポートといったローカル運用対応が必須であることは変えようのない事実です。しかし日本国内では独自の商習慣が根付いているため、長年使用し続けていた基幹アプリケーションをそのままグローバル化対応させるのは困難を極めます。そうしたグローバル対応にこなれているという点では、グローバル視点で設計開発されたERPシステムのメリットは当然大きいものです。

とはいえ、すべてを国際基準にしてしまうと困るケースが多々ある企業は少なくありません。先進のERPを導入しても、結局業務にフィットせず、元のシステムで多重処理を行っているという、失敗事例もよく耳にします。科目が統一できず、結局はサイロ化したシステムを人がつなぎ合わせた結果、コンプラナンスの困難を引き起こしたり、事業の進捗の遅れや収支など、把握できないケースも多くあります。実際に、約50%のERPが4年以上塩漬けになっているという報告もあるほどです。それではコストをかけて導入した意味がありません。そうなっては、市場の変化にとても対応できず、気付けばグローバル化をもっとも早くから推進していたにもかかわらず、後発り、グローバルの戦略すら変更セザアルを経ない状況が発生します。

では、基幹システムをERPへリプレースする際や追加するときは、どうしたら失敗せずに済むのでしょうか。

まず基本として、なぜ基幹システムのリプレースや追加を行う必要があるのか、それを行う際のメリットについて、各部署によく周知しておくことが重要です。具体的には、ソリューションの選定段階から専任の導入推進部隊をつくり、検討段階から業務部門に理解と協力を得る必要があります。

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なぜならば、クラウドによって既存のソリューションを運用してゆくこととなるSaaSでは『これまでと全く同じ使用感』を再現することは難しいためです。なぜ業務を変えなければならないのか、という共通課題意識を持たなければ、業務に変革を起こすことはできません。それ以上に、経営全体の方針に基づいた成長戦略をどう実現するのかという視点に立ち返らなければなりません。

しかしながら、これまでの業務の流れをできる限り変えずに新たなビジネスの形態にフィットさせる方法もあります。その鍵を握るのは、クラウド版ERPによるグローバル展開です。

ケース1:クラウド型ERPを新規フル導入する

 これまでの基幹システムからERPへ完全に移行する、もしくは新規事業立ち上げ時にクラウド型ERP導入する、というケースです。

すべてのシステムをクラウド化することのメリットは多々あります。すべての基幹業務において多言語他言語、さらには各国の税制にも対応も可能となりますし、頻繁に行われる法改正の対応も素早く行えるようになります。オンプレミス型で、かつシングルインスタンスによって開発・導入したアプリケーションでは、これらの対応が遅くなりがちです。潤沢な費用と準備期間があれば話は別ですが、多くの企業がコストにあえぐ中それは難しいのが現状です。

とある大手の流通企業では、海外拠点数十拠点に買掛管理と仕訳入力、伝票処理だけのために20年以上も稼働しているオフコンが塩漬け状態になっているという話を聞いたことがあります。

今後変わりゆく市場の中でのビジネスの基本スタンスである「コストを最小限に抑えて素早い対応を行う」ことが不可能であればあるほど、目的のみを達成するアプリケーションはいつまでも塩漬け化する傾向があり、それが企業の機動性などを阻害し、新たなビジネスチャンスを逃す原因にもつながります。

新規導入時は複雑になりがちな前準備が不要ですから、新規ERPをクラウドで導入しない手はないでしょう。クラウド版であれば、増減する支店や営業所の数に合わせた導入や、事業内容の追加など状況が変わった際も、成長にあわせて追加するなど従来の塩漬けアプリケーションで半できない素早い対応が可能となります。

ただし旧基幹システムがある場合は、移行の準備手順に相当の覚悟が必要があります。リソース面の理解、教育、統一されたゴールも必要でしょう。覚悟が決められない場合は、現場の差し戻しなどで、結局移行しかねる失敗するケースがかなりあります。

最近では移行して利用することを前提としているSaaS型ERPも数多くあるため、オンプレミス型で再構築するよりもずっと素早い移行を完了させることは事実です。ただし、最も重要なのは、移行から運用、定着化といった覚悟ができない場合、いくら素早くシステムを稼働させても動くはずがないのです。

クラウドへの移行は、変化し続けるビジネスシーンを考慮しても、長い目で見たメリットが大きくなるはずですので、塩漬けのシステムからの単に移行するという表面的な計画だけはなく、いかにしてクラウドに最適化された運用の定着ができるかを意識して臨むべきでしょう。

ケース22ERPを活用し、旧システムと新システムを共存させる

 すでに基幹システムは稼働していて、すべてのリプレースが難しいケースもあるでしょう。クラウド型ERPの一部には、現在使用しているオンプレミス型ERPと、新規展開する事業や支社、海外などに、新規のERPを連動させることが可能なケースもあります。

既存の大型のERPがそもそも展開されている場合、2層ERPと呼ばれる展開モデルがあります。オンプレミス型ERPの弱点となる拡張性や素早い法対応などをカバーする新たな導入手法として注目を浴びています。

グローバル化に伴い、国際的な商習慣を適用したくとも、国内の商習慣がそれに対応していないケースも多々見られます。具体的にはローカルのパッケージでは、税制対応が一つあるでしょう。その場合、全面的なリプレースを行うと、中核を担う業務の流れが変わってしまうため、不都合も当然起こることもあるでしょう。この場合、ローカルの属人的な問題、会計士との連携など、日本が海外で苦手とする部分が多く存在します。当然、そこには監査上の不透明な仕訳データで判断できない不正処理など発生しているのです。その負の力がローカルのコンプライアンスを難しくするケースが聞かれます。

しかし2層ERPであれば、従来の基幹ERPシステムは続行して使用できます。ローカルでは、例えばアジア新興国では、ITガバナンスを効かせられるローカルの会計ソフトでは決してできない本社主導の展開と導入、運用が可能となります。本社は、ローカルの情報を従来のERPで統合することもできますし、クラウドにより現地のビジネス進捗をリアルタイムに把握することができますから、これまの業務運用を踏襲しつつ、全体のがバンス強化を図ることができるのです。また、このアプローチでは、他国への展開がさらにようになります。たとえば、統一化されたテンプレートを各国に展開する場合、マスタやデータフォーマット、勘定科目などの統一を行う手間を軽減し、新規導入コストの両方を抑えることが可能となるのです。

さらに大きなメリットがあります。クラウド型SaaSの最大の特長である、システムの増減は成長に合わせて自由に行えるという点が、企業にとってリスク軽減の一手となるのです。たとえば事業拡大を行う際はもちろんのこと、万が一新規事業から早く撤退しなければならないケースもあるでしょう。いずれのケースにおいても、ERPをクラウドで導入していれば、アプリケーションを塩漬けにすることを前提にしなくて良いのです。コストを無駄にすることなく、素早い判断と対応で、成長に合わせた柔軟な投資が可能となるでしょう。

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まとめ

システムを選ぶのは適材適所を考えるべきです。ビジネスの展開スピードを求られる環境は明らかにクラウドがあってますし、どうしても塩漬けにしてもメリットがあるケースもまれにあるでしょう。いずれにしろシステム導入時に目標を間違えて選択してしまうと、不幸なことが起こります。クラウドであっても導入時にカスタマイズを膨大にすれば、それは塩漬けシステムになることもあるのです。どのようなシステム、想定以上に導入展開にかかる時間が長いので、長ければ長いほど、ビジネスチャンスに取り残されシステムが稼働しないリスクが高まります。このように、塩漬けしたくない=環境を求めるのであれば、クラウドERPが最適です。

自社にとってどのシステムをどこになんのためにいれるかは、皆様しだいです。適材適所を考えて、正当に評価していけば、導入時にそのアプリケーションの特性をいかして、クラウドを客観的に評価されると自ずとそのメリットとデメリットご理解いただけると思います。

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