中小企業の事業承継について詳しく解説

 2019.07.11  クラウドERP編集部

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日本企業のうち99.7%は中小企業であるとされています。中小企業大国とも言える日本の経済は、まさに中小企業が支えていると言っても過言ではなく、大企業・中堅企業と取引をしている中小企業も多数存在します。

そんな中小企業の半数が、今後5年以内に廃業するかもしれないという事実をご存知でしょうか?※

中小企業経営者の高齢化、後継者不在、事業承継計画の遅れなどの諸問題により、日本の中小企業の多くの存続が危ぶまれています。本稿では、そんな中小企業の事業承継について詳しく、わかりやすく解説しています。

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※参考資料

平成27年度中小企業の成長と投資行動に関する調査 報告書 - 経済産業省

中小企業の事業承継に関するインターネット調査 - 日本政策金融公庫

事業承継とは?

事業承継とは会社の株式を後継者の贈与または相続し、会社の経営を後継者が引き継ぐことを意味します。中小企業では経営者自身の経験・知識・技術などが会社としての強みになっているケースが多く、経営基盤そのものとなっています。そのため、「誰を後継者として選ぶか?」というのが重要な課題であり、多くの中小企業経営者にとって悩ましい問題になっています。

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事業承継の方法としては大きく分けて3通りあります。①親族に承継する、②親族以外の従業員等に承継する、そして③M&A(合併&買収)によって承継する、です。昨今の主流としては、親族内承継よりも親族外承継の方が多くなっているというデータがあります。

中小企業庁の調べでは、20年以上前は全体の85.4%を占めていた親族内承継が激減し、昨今では34.3%まで低下しています。その反対に親族外承継の件数が徐々に増えており、今では社外の第三者に承継しているという企業が39.3%、親族以外の社員または従業員に承継しているという企業が26.4%となっています。

中小企業の事業承継問題

では、中小企業の事業承継はなぜそこまで問題があるのでしょうか?

1.経営者の高齢化

中小企業庁が毎年発行している中小企業白書の、中小企業経営者の年齢分布について見てみると、1995年の経営者年齢のピークが47歳だったのに対し、2015年の経営は年齢のピークが66歳になっています。さらに、他の資料では中小企業経営者の引退時期は平均して70歳前後となっているので、多くの中小企業経営者が近い将来引退を迎えることになります。こうした経営者の高齢化により、中小企業の事業承継問題が加速していると考えらえています。

2.後継者不在

多くの中小企業経営者は後継者不在の問題を感じています。適当な後継者が見つからない、子供がいない、子供に会社を継ぐ意思がないなどの理由から、半数の中小企業が廃業を決定しています。しかしながら、廃業予定の中小企業であっても3割の経営者が同業他社よりも良い業績を上げていると回答し、今後10年間の将来性についても4割の経営者が少なくとも現状維持は可能と回答しています。このことから、事業承継は問題なく行える場合でも、後継者不在によって承継が難しくなっています。

3.事業承継計画の遅れ

中小企業経営者へのアンケート調査では、どの世代でも半数以上の中小企業がまだ事業承継計画を立てていないという状態です。後継者育成など、事業承継にかかる準備期間を考慮すると、中小企業経営者が60代に入ったころから事業承継の準備を進める必要があります。

参考資料:中小企業の事業承継に関する集中実施期間について(事業承継5ヶ年計画)

4.中小企業の事業承継で承継するものとは?

中小企業の事業承継において、後継者が引き継ぐ必要があるものは3つあります。それが①経営権、②株式、③事業資産となります。

①経営権

まずは事業継承を行うための、会社の経営権です。これは、経営を行うためにその会社の代表取締役へ就任することだけではなく、他にも会社の経営理念、ノウハウ、顧客情報など会社が補油している知的資産の継承も含まれています。

②株式

次に、事業継承する企業の株式です。株式は、企業の最高意思決定機関である株主総会での議決権を有しています。要するに、会社の実質的な経営権を握るためには、その会社の経営陣が自社の発行済み株式の半分以上を保有しておく必要があります。

中小企業経営者は、後継者に経営権を譲渡するために自身が保有している株式を承継するための準備が必要になります。しかしながら、経営者の死後、株式は自社株式であったとしても相続財産となるため、後継者に株式の大半を贈与・相続すると後継者の遺族の間で資産問題に発展する可能性があるでしょう。

相続遺産において後継者は不利になり、会社の経営権を後継者が握っておけるように、除外合意や固定合意のような対策をしておく必要があります。

③事業資産

最後に、事業承継する会社の事業資産です。具体的に言うと事業を行うための設備や機械、不動産などがあります。また、運転資金や借入金などの資産も事業資産として後継者が引き継ぐことになります。

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事業承継税制について

中小企業の事業承継にはさまざまな問題がありますが、その中で多くの中小企業経営者が懸念しているのが贈与税及び相続税の問題です。会社の株式には資産価値があるため、後継者の贈与または相続する場合、そこに税金が課せられます。この税金額を軽減するための制度が事業承継税制です。

本制度は平成30年に大幅改正され、以前は発行済み株式総数の2/3に対して全額猶予(贈与税の場合)が適用されていたのに対し、現在では贈与税・相続税ともにすべての株式に対して全額猶予が適用されています。要するに、中小企業経営者は事業継承を税額0円で行えるということです。

ただし、あくまで“猶予”であり免除ではありません。猶予後に適用要件から外れてしまいますと、既定の贈与税及び相続税に対して利子税が加算された金額を納税する義務が生じますので、多少のリスクもあります。

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事業承継を5年計画で立ててみよう

事業承継にはそれなりの年数が必要ですし、労力もかかります。そのため中小企業の多くは事業承継に消極的ですが、昨今では税制度も整備されているので、以前よりも承継しやすい環境が整えられています。まずは事業承継のための計画を5年区切りで立案してみて、事業承継の可能性について検討してみてはいかがでしょうか?

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