越境ECの課題とは?国内ECサイト運営との違い

 2017.11.28  クラウドERP編集部

海外に目を向けたビジネスは今や、物理的に国境を越える必要はありません。越境ECならばインターネットを通じて、世界中のあらゆる場所に自社商品を発信できます。そんな越境EC事業を、今後スタートさせたいという企業は多いでしょう。

日本では少子高齢化や市場成熟化の煽りもあり、「商品力だけでは勝負できない」という時代に突入しています。そうした市場で勝利するのは、資本力がありマーケティング技術に秀でている企業です。大手企業やメーカーだけが勝利しやすい市場において、中小企業はどのように戦い抜けばいいのでしょうか?

その答えは、「戦う」ではなく「市場を転換する」ことだと言えます。これまで戦ってきた日本市場から海外市場にシフトすれば、中小企業でも大企業に勝利する「ジャイアント・キリング」は不可能ではなくなります。特に越境EC事業ならば、海外支社を立てる必要もなく、今あるリソースで対応できるというのが魅力です。

ただし、越境ECにも課題はあるため、その課題を解決することが成功の大前提なのは間違いありません。そこで今回は、越境EC事業を始めるにあたって押さえておきたい課題について紹介します。

1.きめ細やかな顧客対応がものをいう

日本国内のEC事業は、消費者にとって見やすくデザインに優れたECサイトを構築し、そこに商品を登録し、マーケティングを実施すれば売れるという認識が強いと思います。日本では、消費者と事業者双方の信頼あってこそ取引が成立する信用取引が当たり前なので、ECサイト内で特別接客するという概念がないためです。

しかし、国が変われば商習慣が変わるように、越境ECではECサイト上でのきめ細やかな顧客対応が事業拡大のポイントとなります。

特に、発展途上国では多くの偽物商品が出回っていることから、消費者は商品品質に敏感です。中国では、消費者がその場で商品問い合わせが行えるように、ECサイトに担当者と直接チャット可能な機能を備えるのが一般的です。

日本でも最近になって「デジタル接客」が徐々に浸透しています。しかし、海外のEC事業に比べれば、日本のデジタル接客はまだまだごく一部に限定されているのが現状です。

このため、日本のEC事業の常識をいったん捨てて、海外のEC事業に合わせた顧客対応を検討せねばなりません。

2.国によってはSEO対策が通用しない

日本の検索エンジントップシェアといえばGoogleです。ちなみにシェア2位のYahoo!ジャパンは検索エンジンのアルゴリズムはGoogle製なので、厳密にいえば検索エンジンシェアの90%以上はGoogleが占めています。

では、海外でも同様にGoogleがシェアの大半を占めているのかというと、そうではありません。

例えば韓国では、Googleのシェアは65%程度にとどまり、代わりにNaverという検索エンジンが約15%のシェアを占めています。越境ECのビッグ市場として注目されている中国にいたっては、Googleは同国政府によって規制されているため、使用している人はいません。中国ではBaiduや360Searchといった検索エンジンがシェアを占めています。

引用:アウンコンサルティング「世界40カ国、主要検索エンジンシェア(PC、モバイル)【2017年4月】~Google以外にシェアを拡大する各国独自検索エンジン~

世界視点で見ると確かにGoogleのシェアは圧倒的です。しかし、一部の国ではGoogleを圧倒しているか、それに近しいシェアを持つ検索エンジンがあります。そこで発生する問題が「SEO対策が通用しない」ことです。

SEO対策とは、ECサイトの構成や配信しているコンテンツによって、検索結果の上位表示を目指すものです。EC事業を展開する以上SEO対策は必須です。ただし、一部の国によってはそのSEO対策が通用しない可能性があります。

3.各国の文化に合わせた決済方法を

日本のEC事業における決済方法といえば、クレジットカード決済、銀行振り込み、代金引換の3つが主流です。これらの決済方法さえ押さえておけば、90%以上の消費者のニーズに対応できます。

しかし、海外では銀行振り込みや代金引換といった決済方法はほとんど使用されていません。クレジットカード決済は主流ではあるものの、それ以外にもPayPal(ペイパル)など消費者や事業者にとって、安心で信頼できる決済方法が選ばれています。

中国市場にいたってはクレジットカードはほとんど普及しておらず、「支払宝(アリペイ)」や「微信支付(ウィチャットペイ)」など特殊は決済方法が主流です。

こうした日本には普及していない決済方法を導入することも、越境EC事業にとって重要な課題です。

4.関税事情に合わせた配送方法を選ぶ

越境EC事業の商品配送において最も大きな課題が通関です。商品の品目によってはもちろん、配送方法によっても通関手続きの方法が異なります。さらに、国によって通関に通りやすい・通りづらい品目があるので、対応している国の関税事情は網羅するのが基本です。

デリバリーコスト・デリバリータイムを削減する上でも、通関は重要な課題でしょう。

5.現地語へ対応するための翻訳チーム

展開する越境ECが複数国をターゲットにする場合、自社独自の翻訳チームを作ることをおすすめします。理由は、翻訳会社に都度依頼すると多大なコストが負担になり、越境ECの利益率を高められないためです。

幸いにも、最近ではネイティブな現地語で翻訳を行うフリーランスと簡単にコンタクトが取れるサービスなどが豊富なので、翻訳チームを作ること自体はそう難しくないでしょう。

問題は、担当者と翻訳者のコミュニケーションや契約内容の確認などです。異なる国の翻訳者を確保する場合は、各国の商習慣を十分に理解した上で、契約内容の双方確認を徹底しましょう。

6.為替変動リスクを考慮する

海外ビジネスにつきまとう為替変動リスク。越境EC事業において、この為替変動リスクを考慮した商品販売は非常に重要なポイントです。

例えば米国向けの越境ECにおいて商品をドル表記した場合、消費者にとっては常に一定の金額でも事業者にとっては為替変動が生じます。消費者が10ドルの商品を購入した場合、為替レートが1ドル100円なら1,000円の売り上げでも、為替レートが1ドル90円の場合の売り上げは900円に下がります。

反対に、日本円表記であれば為替変動リスクを負うのは消費者です。事業者は一定の売り上げを確保できるものの、為替変動リスクがあることで購入を避ける消費者もいるでしょう。

そのため、越境EC事業では為替変動リスクを考慮して、誰がそのリスクを負うのか、を慎重に検討しましょう。

まとめ

ここでは、越境EC事業にある6つの課題を紹介しました。これらはあくまで基本的な課題であるため、ターゲットとする国によって他の課題が浮上する可能性があります。従って、越境EC事業を展開する際は、各国の商習慣や文化、配送事情、関税事情、為替変動リスクなどを十分に考慮した上で、最適な形でECサイトを構築していきましょう。たった一つのズレが事業に致命傷を与えることもあるのでご注意ください。

ガートナーレポート ポストモダンERPへの道

RECENT POST「Eコマース」の最新記事


この記事が気に入ったらいいねしよう!
New Call-to-action
New Call-to-action
NetSuite 10ユーザー分の価格と導入費用
New Call-to-action

RANKING人気資料ランキング

RECENT POST 最新記事

RANKING人気記事ランキング

New Call-to-action