海老原 善健の初心者のための流通入門

 2013.12.10  ネットスイート株式会社 海老原 善健 氏

グローバル標準のクラウドERP

2011年3月11日、東日本大震災が発生しました。

多数の人命や生活が奪われ、地震だけではなく津波の恐怖を目の当たりにしました。亡くなられた方々に哀悼の意を被災された方々にお見舞いを申し上げます。 日本だけではなく、世界から救援物資が被災地に送られ助け合いの精神に感動しましたが、流通が滞る様子が報道などからも手に取るようにわかり、怒りを覚えた方もいらっしゃると思います。

しかし、関係各所は持てる能力以上の仕事や努力をされていたのです。制約がある中、不眠不休で。ただ効果的な連携がとり辛かったため物資の遅滞が発生した のです。あの状況で自分の力以上を出そうとした人はいても、怠ける人は居なかった。でも力を出すことが出来なかったのです。

日本は流通が発達した国です。物凄く発達した国です。そのため、スーパーやコンビニ。デパートや工場などは在庫が最小限で運営できるのです。在庫が少なく ても足りなくなる前に発注すれば翌週、翌日。早い場合は数時間後には補充されます。在庫を少なくすることにより在庫スペースを小さくすることが出来、ス ペースに対する固定費も安くなりますし、余剰在庫が無いので品物の劣化を抑えることが出来て廃棄するものも少なく出来ます。そのような努力をすることによ り消費者に品物を安価に提供することが出来、利益も確保できるのです。

流通経路が安定していることによりこのような運用が出来ていたのです。残念ながらその前提が一時的にも崩れてしまいました。

震災から数週間・数ヶ月の間、生産地が被災地ではないにも関わらず店頭に並ばない商品がありました。流通が麻痺してしまったのです。

初期段階は・・・店頭にない>店の倉庫にない>流通経路が麻痺>仕入先倉庫には在庫がある>生産工場は稼動>原料が納入されないということに

事例記事:中外製薬
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流通経路が復旧しても一度流れが滞ると正常化するには時間が掛かるのです。年末年始の高速道路に自然渋滞が出来るように、一部が遅滞すると全体の流れが悪くなってしまうのです。道路が復旧しても直ぐに流れが元に戻るわけではありません。

今まで最低限の在庫だけを持っていた所も少し大目の在庫を持つようになり、その動きが広がると商品を供給する工場の稼働率が上がり、原材料が多く必要にな ります。さらにその原料の入手も少し多めに考えると更に需要が多くなり・・・と玉突き現象が発生します。そうするとモノの移動が増え、流通インフラを更に 使うようになり流通に時間がかかり・・・とある程度復旧すると在庫保持の考え方が元の考えに近づいてきます。そうすると少し在庫を使用してから・・・とな るので段々と遅滞が解消され始めます。

では、どうすればもっと早く解決できたのでしょうか?この問に対しては回答が無い。というのが現状でしょうか

様々なシミュレーションは出来るとは思うのですが・・・多分、正解は無いと思います。が、いつもとは違うオペレーションが必要だったのではないかと

3/11は金曜日でした。

少なくとも週末の2日間は全国的に移動制限をかけ、物資の移動だけに道路を開放すれば・・・。

・個人的な車両による移動は全国にて禁止

・商用車、運輸関連車両のみ通行可能。

・緑・黒ナンバー車は高速道路無料

翌週も移動時間に制限を掛けるなどの国内の流通の全体を見た調整を行うべきだったと思います。

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ebihara海老原 善健(えびはら よしたけ)

現在、クラウドERP ネットスイート株式会社において研修インストラクターとして従事。テクニカルサポートのアナリストとして長年日本オラクル株式会社に籍を置いた後、日本ピープルソフト株式会社へ移りシニアインストラクタとして活躍。企業買収により日本オラクルに復帰後はシニアインストラクタとして数多くの技術者へのトレーニングプログラムを実施する。企業システムを全体像で捉え、的確でわかり易いインストラクションを行うことで定評がある。ガジェット好き。

 

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