ECサイト構築の市場とトレンド

 2017.12.26  クラウドERP編集部

皆さんの会社ではすでにECサイトを運営しているでしょうか?

もしも、これからというのであれば、今回紹介するECサイト構築の市場とトレンドを知った上で、今後の方向性を決めていただきたいと思います。

まず、EC市場が現在どれだけの規模かというと、経済産業省の調査データから次のようになっています。

BtoCのEC市場:15兆1,000億円(前年比9.9%増加) EC化率5.43%

BtoBのEC市場:291兆円(前年比1.3%増加) EC化率28.3% 

引用:経済産業省「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました~国内BtoC-EC市場が15兆円を突破。中国向け越境EC市場も1兆円を突破~」 

BtoCというのは消費者向け、BtoBは企業向けの商取引を指します。こうしてデータを見ると、意外なことにBtoBのEC市場の方がBtoCよりも圧倒的に大きいことがわかります。ただし、これはEDIに電子商取引額も含んでいるため、BtoCよりも市場規模が大きいのは当然でしょう。ちなみにEC化率とは、全商取引におけるECの割合を示す数値です。 

EDIElectronic Data Interchange:(電子データ交換)とは、コンピュータネットワークを通じ標準化されたプロトコルにしたがって注文書や請求書のやり取りを行う仕組み 

最近ではどんな企業でも「ECサイトを構築していて当たり前」というイメージを持たれがちです。しかし、実際は日本国内のEC市場はまだまだ発展途上であり、多くのビジネスチャンスが隠れているという意味でもあります。

さらに、ECサイトの分類によっても市場規模が異なるので、自社がどんな市場をターゲットにするかの把握は必須と言えましょう。 

ECサイト構築のトレンドとは

EC市場にもトレンドがあります。最近では特に越境ECが盛んであり、海外展開の足掛かりにする企業が多いようです。 

トレンド1.越境EC

越境ECとは海外市場をターゲットにした国際的なECビジネスです。最近では中国人観光客による「爆買い」が話題になったことで、中国市場向けの越境ECが活発化しました。しかし、実際に中国市場で成功している越境ECは少ないようです。理由は次のような点があります。 

  • 中国ではGoogleやYahoo!が使えない
  • 中国はクレジットカードが普及していない
  • 中国への商品配送に時間がかかる 

日本はもちろん世界で最も使用されている検索エンジンGoogle。中国では、このGoogleが規制されていることで、SEO対策ができないという欠点があります。ちなみにSEO対策とは、ECサイトの構成を分かりやすいものにしたり、消費者にとって有益な情報を発信することでECサイトやサイトぺージを検索結果上位に持っていくための対策です。 

中国で主流の検索エンジンは「百度(バイドゥ)」なので、SEO対策はほとんどできません

さらに、クレジットカードが普及していないというのも、日本のECサイトから見れば致命的です。越境ECの基本決済はクレジットカードやそれを利用して「PayPal(ペイパル)」が主流なので、中国市場に合わせた決済方法を取るのは新たな課題でしょう。 

中国市場では「支付宝(アリペイ)」や「微信支付(ウィチャットペイメント)」などの決済方法が主流のため、これらへの対応は必須です。

このように、越境ECは大きなトレンドではあるものの、事業展開が難しいという側面もあります。ただし、日本の商品力は海外にも通用するものなので、越境ECに成功すればビジネスの支柱になることは間違いないでしょう。 

トレンド2. O2Oマーケティング

O2Oとは「Online to Ofline(オンラインからオフライン)」、またはその逆の略称です。その概要はオンラインからオフライン、またはオフラインからオンラインに消費者を誘導するというもので、実店舗とECサイトの両方を運営している場合に有効なマーケティング手法です。 

例えば、実店舗には商品を購入してくれた方に対して、ECサイトで使えるクーポンを配布します。そうすることで、消費者は実店舗で商品を購入したあとさらにECサイトを訪れ、追加で商品を購入するかもしれません。反対に、ECサイトにて実店舗で使えるクーポンを配布するというのもO2Oマーケティングです。 

ちなみにO2Oマーケティングはクーポン配布に限定されません。ユニークなものでいえば、自分の好きな“年”が記載されたコカ・コーラを買って、スマートフォンで専用サイトにアクセスすると、その年にヒットした10曲の音楽を聴けるというコカ・コーラ社の事例などがあります。

参考:東洋経済オンライン「コカ・コーラのO2Oが、“先進的”な理由 店舗を持たない“店舗誘導型”O2Oの展開力

ただし、O2Oマーケティングの効果は得てして限定的で、短いサイクルでキャンペーンを実施するのがポイントです。 

トレンド3. オムニチャネル

オムニチャネルとはECサイトや実店舗、あるいはSNSなど複数のチャネルを一つに統合したマーケティング手法です。ポイントは単に統合するのではなく、相互連携を取り、オンラインとオフラインを意識させないサービスを提供することにあります。 

例えば、ECサイトで溜まったポイントを実店舗でも使えたり、実店舗にない在庫はその場でECサイト在庫を検索してくれたりと、消費者がオンラインとオフラインを自由に行き来できるのが特徴です。

世界初のオムニチャネル先進事例となった米国の百貨店「Macy's」は、オムニチャネル戦略でECサイトと実店舗の在庫を統合したことで、在庫数を40%圧縮することに成功しています。 

日本国内ではセブン&アイホールディングスの「オムニ7」など、大手企業を中心にオムニチャネル事例が徐々に増えています。 

このオムニチャネルを実現するには、ECサイトと実店舗のネットワークを構築したり、在庫管理にICタグを使用するなど、初期投資が多くかかるという難点があるため、大手企業のみに集中しているのが現状です。 

しかし、今後はECサイト構築の簡素化やICタグの低価格化などが進めば、中小企業でも割と容易にオムニチャネルを実現できる時代が来るでしょう。

トレンド4. クラウド型ECサイト

最後のトレンドは、クラウドサービスを利用したECサイト構築です。ECサイトを作るためにはインフラ整備やパッケージ製品の導入など、何かと初期費用や手間がかかっていました。さらに、運用負担も大きくなるため、技術がない企業にとっては手を出しづらい状況でした。 

一方のクラウド型ECサイトは、サービスを契約するだけでほとんどソースコードを欠くことなく、ブロックを積み上げるような感覚でECサイトを構築できます。システム運用に関してもサービス提供事業者が行っているので、技術がない企業にとっても安心してECサイトを構築できます。 

まとめ

こうしてECサイト構築の市場やトレンドを知ることで、コンセプトや方向性が変わることも少なくありません。皆さんの会社ではどんなECサイト構築を求めているでしょうか?市場やトレンドは変化するので、常に最新動向を追い、ビジネスの支柱になるようなECサイトを構築しましょう。

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