クラウドERPの導入が失敗する5つのパターンと対処法

 2016.02.19  ERPコンサルタント Alex

グローバル標準のクラウドERP

私は、NetSuiteを中心とした数多くのクラウドERPの導入を支援してきたコンサルタントです。クラウドERPに出会う前は、ERPや会計ソフトなどのコンサルティングにも従事してきました。これらの経験のなかで多くの成功に貢献してきた反面、失敗プロジェクトもそれなりに経験しました。

本日は、クラウドERPをこれから導入する企業の方向けに私が経験したクラウドERPの導入が失敗するいくつかのパターンをご紹介させていただきます。このようなパターンを認識することで失敗しないクラウドERPの導入を実現していただけましたら幸いです。

クラウドERPがERPや会計ソフトの常識を変えた

競争が激化している昨今、経営環境は日々進化、変化しています。それに伴い企業は新たなビジネスモデルを俊敏に構築するために硬直化したシステムの見直しを検討しています。

このような背景の中、一つの選択肢としてクラウドERPが注目されており日本国内においても広がりを見せつつあります。

ERPというと初期投資、導入期間、保守運営費用などが問題になっているだけでなく柔軟性に欠けるために俊敏なスピード経営には不向きです。しかし、最近のクラウドERPを利用することにより、比較的に低価格かつ迅速な導入が可能となるため今までの問題を被ることなくERPのメリットのみを享受できるようになったのです。

今、懸念事項を取り払われた経営者は、市場の変化とスピードに対応するため自社のビジネススタイルを進化させる動きをとり始めています。

クラウドERPの導入が失敗するパターン

私はクラウドERPの導入コンサルとして、数多くのプロジェクトに関わってきました。クラウドERPが、お客様に定着し事業の成長や拡大をしているケース以外にも、
システムが導入の段階でつまずき結果としてクラウドERPを導入しない企業も散見されています。

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いくつかのクラウドERP導入の失敗プロジェクトを経験させていただいた結果、ある法則があることに気づきました。この失敗した原因をご紹介し成功するために何が必要かをご紹介しましょう。

1. 現行システムの単純移行のみを考えている

人間というものは、なかなか現在問題なくある状態を変えようとはしない生き物であることは間違いありません。これはシステムを提供する側もされる側にも言えることでしょう。しかし、クラウドERPをせっかく導入するのですから、そこは郷に入っては郷に従えという言葉があるようにクラウドERPの特性を生かした導入方法や使い方を採用するべきです。
多くの企業では、クラウドERPの導入をする際に既存のシステムをうまく移行することを考えがちです。多くの質問が「今のシステムの機能を新しいシステムで再現できるのか?」というものが多いことからも明白です。

しかし、せっかくクラウドERPを導入するのですから、ビジネスプロセスを効率的にするためにどうするか、リアルタイムな分析ができるなら誰がどのデータを見ることを想定するかなど前向きで理想的なシステムイメージを持つことが最も重要なのです。

これは断言できるのですが、理想的なシステムをイメージできずに既存システムの単純な移行だけではクラウドとはいえ費用対効果は芳しくないものになります。日々の業務を淡々とこなしていた状態から抜け出せずに、先進的な業務環境、生産性の高い俊敏な企業へと進化できないのです。

2. クラウドERPは成長させるもので維持に焦点をあてるERPとは違う

ERPを導入している企業にありがちなのですが、クラウドERPは一度苦労してバージョンアップしたらしばらく塩漬けというスタイルではありません。導入手法も全くことなります。たとえばNetSuiteを例にあげるとシェアードインプリメンテーションという方法で導入を行います。お客様やコンサルティングが、クラウド環境を生かし遠隔地から早期カットオーバーを目指してセッティングしていきます。そして、早期にカットオーバーを行い必要性に応じて、システムをリアルタイムに近い形で成長させてくのです。全く従来型の導入パターンとは違うことを認識する必要があるのです。クラウドERPの導入においては、オンプレミスと同じ評価軸で考えるのではなく、クラウドネイティブのサービスが、オンプレミスとは生い立ちも特性も導入方法論も違うということを正しく理解する必要があるのです。

3. クラウドERPは短納期ではない可能性がある

多くのお客様から「クラウドERPの導入は数ヶ月でできるよね」ということを言われます。確かに多くのお客様は数ヶ月でカットオーバーしています。しかし、ここには注意が必要です。過去に多くの企業がERPの導入時に膨大なカスタマイズを行い失敗してきました。クラウドERPも同じ形で膨大なカスタマイズを行えば同じ結果を迎えます。先進企業はなるべくカスタマイズを行わないで(目的が明確化されている場合が多い)最低限のカスタマイズで業務プロセスを改善しているので短期間でカットオーバーできていると考えたほうが良いでしょう。多くのカスタマイズは、リスクとのトレードオフであることはクラウドERPもERPも同じということを理解するべきでしょう。もし、それでも既存システムとのFit&Gapを埋めるためにカスタマイズ要件が多くなる場合にはプロジェクト日程は延長され旧来のERP導入でありがちなプロジェクトの混迷を招くでしょう。

4. 推進体制が弱く目的が不明確

クラウドERPを導入する企業は、目的が明確化しているケースが多く見られました。経営者が自身の意思でシステムのあり方を経営と結びつけているケースは成功確率が大幅に高くなります。要するにリーダーの存在がクラウドERPの導入を推進するのです。

しかし、最近では会計ソフトからの移行などの案件の増大により意思がないケースも散見されるようになっています。そのような場合には、企業を成長させるためのシステムであるという認識が希薄になるケースが多くなります。また、そのような状況ですから現場の協力が得られなかったり、経営陣が無関心だったりします。

クラウドERPは、企業の全体最適化を計ることが目標です。このことを経営陣やプロジェクトリーダーがしつこく現場に展開できる状況でないかぎり、簡単に現場の反発をくらいプロジェクトは頓挫するのです。

導入する際には経営陣やプロジェクトリーダーの明確な目標と強い意思が必要不可欠になるのです。

5. 木を見て森を見ず

クラウドERPを導入すると大きく業務プロセスが変革するものです。なぜなら全体最適を行うからに他なりません。しかし、変化を嫌がるような現場からは混乱からのクレームが発せられる場合があります。そして、現場から一部機能に固執するあまり、ある部門のみシステムを逆戻りさせるなどということが発生します。筆者の経験ではありますが、従来のシステムからの移行を実現することが出来ないケースは、導入アプローチの弱さが原因になっていることが多いようです。前述した通り、クラウドERPの導入は強いリーダーと優れた導入方法論、そして現場の理解が必要なのです。

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クラウドERPらしく導入する

それでは結局どうすれば良いのでしょうか。

せっかくクラウドERPの導入を行うのですから、この機会に合理的なプロセスを構築することを考えるべきなのです。そして、システムは企業とともに成長するものと理解する必要もあるでしょう。やはりERPを導入するのですから、その導入意義や本質的な目的を現場とともに共有する必要があるのです。開発や導入も全く新しいやりかたになることが多いため、昔のやりかたに固執せずに先進企業が実現するやり方を楽しむ余裕が必要なのかもしれません。

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