SaaS型ERP導入で大切なものは?導入目的の明確化が成功の8割を握る

 2016.09.01  クラウドERP編集部

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突然ですが、SaaS型ERPを導入するための基本的な手順のうち最も大切なフェーズはどれなのかをご存知でしょうか?

  1. 導入目的の明確化
  2. 適用範囲の定義
  3. 機能要件の定義
  4. コストを多角的に予測
  5. 製品の選定

答えは、1の「導入目的の明確化」です。多くの企業が「製品の選定」やコスト面に注力する一方、SaaS型ERP導入を成功させている企業では導入目的を明確にすることに重心を置いています。

なぜ導入目的の明確化が最も重要なのか?そしてどのようにして明確化していけばいいのか?

今回はSaaS型ERP導入を成功させるために“目的”についてお話していきたいと思います。

導入目的はプロジェクトを通して基盤となる

SaaS型ERP導入において目的が重要と言われている理由を簡単に説明すると、導入目的が明確化されていなければプロジェクト全体が崩れてしまうためです。

つまり「適用範囲の定義」も「機能要件の定義」も、それ以降の手順に関しても目的がしっかりと明確化されていなければ適切に行うことができません。導入目的の明確化は全ての手順の始まりであり、最も重要視すべきフェーズなのです。

導入に失敗する企業の多くは第一段階でつまづいている?

SaaS型EPRは従来のオンプレミス環境に比べ、ITとしての課題を大幅に解消する素晴らしいソリューションです、にも関わらず多くの企業が導入に失敗しているのは、大半がしっかりと目的を明確にしていないことが原因と言っても過言ではありません。

ですのでこれからSaaS型ERPを導入しようと検討している企業では、導入目的の明確化が成功の8割を握っていると考えていいでしょう。

導入目的が明確でないとなぜ失敗する?

導入目的が曖昧で、なんとなくプロジェクトが進んでいる

「SaaS型ERPを導入すれば多くの課題を解決できるから」「ITのトレンドだから」などなど。曖昧な目的でSaaS型ERPを導入するケースは少なくありません。導入さえすれば自然と現状課題が解決されていくという、半ば神話のような意識でSaaS型ERPと捉えていることが原因でしょう。

確かにSaaS型ERPを導入すれば多くの課題を解決できるのは間違いありませんが、「ただ導入すればいい」というわけではないのです。

自社が現在抱える課題とは何なのか?SaaS型ERPでどのようにアプローチしていけるのか?実現するためにはどのようにプロジェクトを進めていけばいいのか?など、とことん目的を掘り下げていく必要があります。

導入目的がハッキリしないと製品のミスチョイスが起こる

SaaS型ERPでの導入が一般化してからしばらく、ユーザー企業としては多くの選択肢があります。高機能な製品や低コストな製品などなど選定時にはあらゆるSaaS型ERPを目にすることでしょう。

しかし導入目的がハッキリとしていなければ、製品選定にも障害が発生するのです。

例えば高機能な選品を魅力的に感じ導入したはいいものの、自社業務にマッチしないことから業務負荷が増加するなど。とにかく低コストな製品を選んだことでまたもや業務負荷が増加するといった障害です。

これらは導入目的がハッキリとしていないがために“自社に最適な製品”を選ぶことができず、導入に失敗してしまう原因を作り出しています。

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導入後にコストが肥大化してしまう

導入前にあらかじめコストの予測を立てておくのは常識的ですが、多くの企業で予測していたコストを大幅に超えてしまうという事態が起きています。原因はやはり導入目的が明確化されていないことで必要な機能やアプリケーションを定義することができず、導入後になって開発費や外部アプリケーション費などがかかってしまうというケースです。

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導入目的が明確になってさえいれば、導入後に開発などが必要になったとしても最小限に抑えることができるので最悪の事態を防ぐことができます。

SaaS型ERPの導入目的を明確にするための方法

自社課題を徹底的に洗い出す

「自社のどんなところに課題があるのか?」というのは、そこで働いていれば誰もがなんとなく肌で感じているものです。ではその具体的な原因や解決法となるときちんと考えて答えを導き出さなければなりません。

そしてSaaS型ERPの導入目的を明確にするための第一歩でもあります。まずは改めて自社課題と徹底的に向き合っていきましょう。

  • 何が業務効率化を阻んでいるのか?
  • 社員はどんな点に不憫を感じているのか?
  • コストがかかり過ぎているのはどこか?
  • どのようにして解決すればいいか?

など、自社課題としっかりと向き合うことで肌で感じるだけでは気付かなかった発見がいくつかあるでしょう。

自社課題と向き合う方法として、トヨタ式として有名な「なぜなぜ分析」が最も簡単です。「なぜなぜ分析」とは1つの事象に対して5回の「なぜ?」をぶつけていき、真の原因を究明する分析方法です。

1つの課題に対して2層も3層も掘り起こしていくことで、原因と解決策を自然と導き出すことができます。

課題をSaaS型ERPと結びつけていく

いくつかの自社課題の原因や解決方を導き出したら、SaaS型ERPと結びつけていきどのようにして解決してけるかを考えてみましょう。

≪例:各システムの連携性が問題であった場合≫

課題:2重3重の業務が発生してしまい業務時間が通常の倍以上かかる

なぜ?①⇒各システム毎に同じデータ入力をしなければならないため

なぜ?②⇒各システムの連携性が乏しいため

なぜ?③⇒複数のベンダーから異なるシステムを導入したため

なぜ?④⇒常に低コストな導入方法を追求してきたため

なぜ?⑤⇒システムの連携性を考慮していなかった

以上のことを踏まえSaaS型ERPでは各システムの連携性を重視し、できるだけ多くのシステムで連携が取れていることを重要視する。

このように課題をSaaS型ERPと結びつけていけば、自然と導入目的が明確になり選ぶべき製品などもハッキリと見えてくるのです。

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導入目的を明確にすることだけが全てではない

SaaS型ERPの成功は「導入目的の明確化が8割を握っている」と説明しましたが、もちろんきちんと明確に出来たからといって成功するわけではありません。残りの2割も非常に重要で、疎かにしては当然導入に失敗してしまいます。

ここで各手順の重要なポイントに少し触れておきたいと思います。

適用範囲の定義

「適用範囲の定義」とは、どこまでの業務をSaaS型ERPでカバーするかという点を定義することです。SaaS型ERPは経営に必要不可欠なシステムを一気通貫で提供するソリューションではありますが、全てを自動化できる“魔法のシステム”というわけではありません。

また、業種によっては全てをシステムでまかなうと不都合が発生するというケースも少なくないのです。

従って「適用範囲の定義」が必要になります。具体的にはSaaS型ERPをどこまで既存業務に寄せることができるか?という点を考えることになるでしょう。SaaS型ERPに合わせて業務を大幅に変更してしまっては逆に煩雑化を生んでしまうことも珍しくありません。

つまりSaaS型ERPをどこまで既存業務に寄せられるかを考えたあと、既存業務でSaaS型ERPに寄せられる部分を検討するのがポイントです。

機能要件の定義

このフェーズは製品選定に大きく関わる部分なので慎重に定義していくことが重要です。ポイントとしては、各部署の責任者を巻き込み定義していくことです。

SaaS型ERPとは会計管理システムや在庫管理システムなどあらゆるシステムを一気通貫で提供するソリューションであるからこそ、組織内のほとんどの人間が触れることになりシステムです。
だからこそ、多方面からの声を反映しつつ機能要件を定義していく必要があります。

「導入目的の明確化」につぎ非常に重要なフェーズなので、じっくりゆっくりと定義していくことをおすすめします。

コストを多角的に予測

SaaS型ERPを導入するコストというのは、製品購入時のみかかるものではありません。例えば導入検討を行っている段階でプロジェクト推進のための会議があれば、そこには人件費がしっかりとかかっています。

また、いくらSaaS型と言っても導入後すぐにカットオーバーするわけではなく、本格稼働までにいくほどかの時間が必要です。こうしたカットオーバーまでの準備もコストとして計算し予測する必要があります。

その上で、できるだけカットオーバーが早い実績を持つベンダーなどを選定するのがベストだと気付くことができるでしょう。SaaS型ERPではサーバ調達の必要がないのでコストの予測はそう難しくはありませんが、それでも油断は禁物です。

製品の選定

このフェーズまでくると前3つのフェーズで予めレールが敷かれているので、それに沿って選定を進めていけばそうそう失敗はしません。決して高機能や低コストに惑わされず定義した要件を徹底して守ることがポイントです。

1つ例外を挙げるとすれば、ベンダーのサポートです。どのベンダーがどのようなサポート体制を持っているかというのは選定段階までこないと分からないことなので、最後の一押しとして選定基準に入れておくといいでしょう。

まとめ

導入目的がハッキリとしていないケースでは往々にして失敗するものの、きちんと明確化できれていれば非常に強くプロジェクトを推進することができます。多少問題が発生したとしても基盤がしっかりとしていれば持ちこたえることができるのです。

ですのでSaaS型ERP導入では目的の明確化を疎かにせず、とことん自社課題を向き合った上で明確にしていってください。そうすれば導入成功に向けてまっすぐに進んでいくことができるでしょう。

本記事が多くのSaaS型ERP導入企業にとって有益なものになれば幸いです。

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