「真田丸」から学ぶ“小よく大を制する”経営の極意  〜NetSuiteで推進する中小企業のランチェスター戦略〜

 2016.04.19  クラウドERP編集部

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“結局、大資本には勝てない”“体力差がありすぎる”――。中小企業を経営されている方なら、誰もが一度はこんな弱音を吐かれた経験があると思います。自社よりも規模や資本力に勝る企業と競合した場合、速やかに撤退することが経営資源配分上の鉄則とされています。しかし歴史上には、規模で圧倒的に勝る強大な敵と互角に戦い抜いた偉人達も存在します。

今回は、今日本で最も注目を集めている戦国武将 真田昌幸・幸村親子にスポットを当て、限られたリソースで成長への道を探る中小企業が学ぶべき“小よく大を制する”戦略について考察していきます。

覇者徳川が「真田丸」に見た兵力差無効の幻影

信州・真田家は、武田信玄の家臣の系譜。天正10年(1582年)主家の武田家滅亡後に、当代・真田昌幸は北条、上杉、徳川という強力大名の狭間を渡り歩き、主家を変えては家名の存続を図る。徳川家康に仕えていた頃、真田領の沼田を北条家との和睦地として引き渡す旨の主命を受けた昌幸はこれを不服とし、上田城下1,200の兵力で7,000の徳川軍に立ち向かい、知略と奇襲を用いてこれを退ける。世に伝わる「第一次上田城攻防戦」である。

武名を馳せた真田昌幸は嫡男・信之を徳川家に次男・幸村を豊臣家に出仕させて真田家の存続を謀りながらも、秀吉没後の関ヶ原の戦いで幸村とともに西軍に加勢し、中山道を通って関ヶ原を目指す徳川秀忠の本隊3万8,000の大軍に対峙し、僅か3,500の兵力で「第二次上田城攻防戦」に臨む。兵力で圧倒的に勝る秀忠は城を取り囲むも、昌幸の見せかけの降伏、城内に誘い込まれての集中砲火、地の利を活かしての迎撃に翻弄され、膠着状態が続いて天下分け目の関ヶ原に功を為す機会を逸する。

関ヶ原の戦いで天下を征した徳川家康は、二度にわたって小兵力で大軍を迎撃した真田昌幸・幸村親子を畏れて、紀州・九度山に幽閉。昌幸はその地に果てるも幸村は脱出して、慶長19年(1614年)の大坂冬の陣に参戦。大坂城の唯一の弱点であった三の丸南側に「真田丸」と呼ばれる出城を築き、再び徳川勢を「上田城」の残影に悩ませる。さらに翌年の大坂夏の陣では家康の本陣まで攻め込み、家康を討ち取る目前まで追い詰める。覇者・家康は、兵力差を省みぬ知略の猛将にことごとく戦慄する。

信州の一小大名ながら、緻密に練り上げられた戦術で親子二代にわたって徳川の大軍を翻弄し、戦国の世に“小よく大を制する”範を刻みつけた真田昌幸・幸村の軌跡は、限られた資本と資源で戦い抜く現代の中小企業に貴重な教訓を示しているように思われます。

ランチェスター戦略と真田親子から学ぶ弱者必勝の戦略

真田昌幸・幸村親子が“小よく大を制する”戦いを実現できたのは、彼等の戦略は今なお経営やマーケティングのバイブルとされているランチェスター戦略をそのまま戦に適用したものであったからです。

ランチェスター戦略は、イギリスの航空工学者F.W.ランチェスター(1868〜1946)が第一次世界大戦の空中戦における戦闘機の損害量を計算して戦闘の勝敗を予測する戦術理論として構築したもので、第二次世界大戦時に米国海軍作戦研究班が戦争遂行理論として活用し、戦後の日本で経営コンサルタントの田岡信夫が実践的な経営・営業展開理論として再整備しました。

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戦闘の勝敗は兵力数と武器性能により規定されますから、兵力数に劣る側は武器効率において優位に立つもしくは兵力数において優位に立つ状況を作り出すというランチェスター戦略の第一法則「弱者必勝」の戦略は、田岡により規模や資本力に劣る企業が販売競争に勝ち残るための「差別化戦略」理論として活用され、多くの中小・ベンチャー企業を成長へと導いてきました。そして、この戦闘方法をランチェスターが生まれる250年も前から実用化していたのが、真田昌幸・幸村親子なのです。

田岡信夫が「差別化戦略」の基本原則として掲げ真田親子が実践した“小よく大を制する”5つの戦略を検証しながら、市場での弱者となる中小企業が優位に競争を勝ち抜くための方法を考察していきましょう。

①一点集中戦:兵力の集中もしくは武器効率の強化

 一点集中とは重点を置くべき要所を見定め、そこに兵力を集中することです。真田親子は上田城での攻防において、城内に誘い込んで集中砲火を浴びせ、隘路に誘い込んで迎撃するなど、徳川の大兵力を分散させて効率的に武器優位の状況を作り出すことに長けていました。

これを現代のビジネスに置き換えた場合、兵力は資本や人的資源、武器は商品もしくはサービスということになります。資本力において勝る市場強者は広範な地域で商品バラエティを拡充し幅広い顧客層に向けた物量戦を展開できますが、資本力に限りがある場合は事業領域や展開地域、顧客層、商品分野を限定し、そこに経営資源を重点投入することが求められます。いわいるニッチ戦略や地域No.1戦略で優位な状況を作り出すことにより、強者と互角の競争を展開できる市場を開拓します。

また、兵数の集中が図れなくても武器の効率を高めることができれば、戦闘力優位の状況を作り出すことができます。これは、織田信長の長篠の戦いを想起すればわかりやすくなります。信長は鉄砲隊を三段構えに配置することで武器の効率を最大化し、戦国最強と謳われた武田の騎馬隊の威力を無効化しました。現代に置き換えれば、IT技術を活用してリーンスタートアップやアジャイル開発などの革新的なビジネスモデルを構築し、既存の市場に破壊的なインパクトを与えているベンチャー企業がこれに相当します。

②局地戦:比較兵力差を導く重点地域の設定

上田城および真田丸での攻防は、兵力に勝る徳川軍に有利な広域戦を避け、局地戦へと誘い込んで比較兵力優位の状況を作り出す、まさに“小よく大を制する”真骨頂となる戦でした。

これをビジネスに置き換えれば、兵力を集中させる自社の商圏を特定し、重点エリアを設定して人員をそこに集中させ、競合を撃破する地域No.1戦略の展開となります。この戦略を推進する上では、重点エリアの顧客情報や営業進捗状況を共有し、綿密な情報交換を行うことで競合撃破の精度を高めていくことが求められます。

③接近戦:対象との距離を縮める

本来は戦闘理論であるランチェスター戦略は、武器性能優位者に相応しい戦術として遠隔戦を、武器差を解消する戦術として接近戦(ゲリラ戦)を推奨します。真田親子も、後の世に真田十勇士の伝説が語り継がれるほど機知に富んだ接近戦を展開し、徳川の兵を大いに悩ませました。

現代においても、大企業のように複雑な組織構造を持たない中小企業は、臨機応変な接近戦を展開できる有利な環境下にあります。この場合の距離は、顧客との親密度となります。兵数優位な大企業はその効率性から顧客へのアプローチをマスメディアを使った遠隔戦に頼らざるを得ません。これに対し中小企業は、小兵力の利を活かして地域重視展開、直販体制、個別訪問、リテール強化などの臨機応変な戦術を駆使し、CRMなどのITツールを活用して顧客との親密な信頼関係を構築していくことが有効です。

④一騎打ち戦:兵力差を解消する単独戦

真田幸村は、大坂夏の陣で徳川家康の本陣に三度突撃を繰り返し、家康を討ち取る寸前まで追い詰めます。その鬼神の如き戦いぶりを目にした島津家久は“真田は日本一の強者(つわもの)”と讃えますが、一対一の戦いに持ち込めば兵力差は無効化される真理を見抜いていた幸村は、戦術家として最大の勝機を見逃さなかったのだと思います。

“小”と“大”の兵力差は一対一の状況に持ち込むことで解消され、後は単騎での戦闘力の優劣だけが問われてきます。市場において単独戦の状況を作り出すためには、適正な商機に資源の集中が図れるように競合の動向や市場の状況を常時監視し、自社のビジネスの状況を掌握しておく必要があります。

⑤陽動戦:敵の虚を突く俊敏な行動

真田昌幸は「第二次上田城攻防戦」の際、圧倒的に兵力の勝る徳川秀忠の開城勧告を受け入れるふりをして交渉を長引かせ、兵糧や弾薬を上田城に調達するための時間稼ぎとして利用しました。敵の虚を突く見事な陽動戦です。

ビジネスにおいても、競争相手の虚を突く戦術は競争優位を導きます。アップル社が“音楽のダウンロード”配信という全く新しい視点から提案した「iPod」は、「ウォークマン」という革新的なウェアラブルハードを普及し音楽のネット配信技術を世界で初めて確立したSONYから瞬く間に顧客と市場を奪っていきました。これは、SONYが楽曲著作権を主張するエンターテイメント事業との社内調整に追われている間に、斬新な発想とスピーディな対応で既存市場の構造を変革したアップルの見事な戦略と言えます。的確な判断と俊敏な行動が勝敗の行方を決するのは、戦国の世も現代も変わりはないようです。

差別化戦略の実効性を高めるNetSuite

激動する現代のビジネス環境において、兵力の限られた中小企業が優位な競争を展開するためには、兵力(資源)の集中を図り、武器(商品・サービス)の価値を高めて、市場において一対一の状況を作り出すことが求められます。これを行うためには、市場の動向と自社のKPI(主要業績評価指標)をリアルタイムに可視化して、迅速かつ的確な経営判断を促すITシステムの導入が不可欠となります。

また、恒久的な付加価値創造とカスタマーエクイティの最大化のための構造的優位性を担保するためにも、クラウドERP NetSuiteは企業の差別化に大いに貢献します。Single Source of Truth、確かなデータから導き出される事業進捗と連続的プロセスを経営基盤に実装することは、小さな積み上げが結果として大きな価値を創造するに違いありません。

ERP/財務会計および顧客管理(CRM)、Eコマースなどの主要な業務システムを一元的に統合するNetSuite は、BIツールとしてビジネスリーダーの迅速かつ柔軟な判断を支え、顧客のライフサイクルを360°視野から捉えた信頼関係を構築し、情報の共有により組織のパフォーマンスを高めて、既存の競合関係を抜本的に変革する「差別化戦略」を推進します。“小よく大を制する”ための戦略的ITシステムとして活用し、皆様のビジネスを競争優位へと導いてください。

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