クラウドERP市場の概況と拡大するシェア

 2016.06.28  クラウドERP編集部

グローバル標準のクラウドERP

もはやクラウドファーストは誰もその流れを止めることは出来ないくらいに加速しています。特に欧米を中心に20年来市場を拡大してきたオンプレミスERPシステムは2013年を境に縮小傾向に転じ、その変わりクラウドERPが大企業においても利用され始めています。

クラウドERPのシェアが拡大、オンプレミスERPのシェアは減少、

プライスウォーターハウスクーパース(PwC)によると、2016年までにERP関連分野のSaaSソリューションへの投資額は2倍以上の780億ドルに達する一方で、従来のERPシステムへの投資額は30%以上縮小するとしており、既にSaaSソリューションがオンプレミスのERPを超えようとしています。その立役者とも言えるクラウドERPのトッププロバイダーであるNetSuiteAcumaticaFinancialForceIntacct, KenandyPlex SystemsWorkdayといったベンダーは、企業ニーズに応えるべく、中堅中小企業には会計ソフトからの移行、成長企業ではデフォルトでクラウドERPの導入、大企業においてはハイブリッドERPや2層ERP(2 Tier ERP)として採用されつつあるのです。

PWC著「Beyond ERP:New Technology, New Option」では、クラウドERPの普及が加速している理由について述べています。このレポートの重要なポイントとクラウドERPの成長を加速させた要因をご紹介します。

企業規模を問わず採用が進むクラウドERP

新規企業や新興企業は、その創業期からクラウドERPを中心にビジネスプロセスを構築することが普通です。また、歴史のある中堅・中小企業ではクラウドERPの台頭により会計ソフトからクラウドERPへの移行を加速させています。

NetSuite SuiteSuccess 新登場!!

そして、大企業においても俊敏性とコスト、そして成果が求められる昨今、日々進化するビジネスモデルに対応するため、クラウドERPと従来型ERPを統合し、新しいハイブリッドERPや2層ERPを構築しつつあります。

ハイブリッドERPや2層ERPを採用する大企業

大企業では、従来のオンプレミスERPを最大限に活用しつつ、特定分野や新規にクラウドERPを採用することで将来のIT戦略に対応することが可能になります。これはハイブリッド型ERPと言われています。このレポートでは、人事やサプライヤー管理、EコマースCRM、販売管理、サービス管理など多くの分野に渡って対応可能なクラウドERPを企業は採用するとしています。
このハイブリッドERPは、多様な調達手段やサプライチェーン、生産・サービス事業を採用しているメーカーにとって、場所を超えてマルチサイトを管理する会社を一元管理出来るため特に有効になります。マルチサイトERPへの対応は、従来のオンプレミスERPベンダーも過去に挑戦しましたが、価格や柔軟性、機動性などに問題を抱えており、現在のクラウドERPプロバイダーはこの要求を上手に対応している事実があります。本調査では、従来のERPベンダーのSaaSの収入でさえ、もうすぐレガシーなオンプレミスERPの売上をしのぐと予想しています。

また、ハイブリッドERPは従来のオンプレミスERPに比べて最大6倍のコスト効果があるとしています。また、5年間のコスト比較においてもクラウドERPを活用することでコスト削減効果は見られるとしています。PwCの調査結果を詳しく見ると、ハイブリッドERPシステムの価値を最大限に引き出している企業は、単なるERPシステムの移行ではなく、戦略的な企業の転換をきっかけとしてクラウドERPを利用しており、単にコスト削減を狙っているわけではないということも指摘されています。(ERP製品の比較記事はこちら)

製造業においては、サプライチェーン、物流、販売、サービスが新しいビジネスモデルの構築により複雑化していきます。当然モビリティといった新しい要素が追加されより重要なポジションを占めるでしょう。従来のオンプレミスERPでは、ボリューム重視型のビジネスへの対応や、それほど変化が早くない販売戦略を支援するようなシステム構築が中心となっています。また、この手のシステムは市場のスピードへの対応ではなく、生産規模や現場の生産性に合わせて構築されているケースが多く見受けられます。

しかし、今では顧客中心のモデルにシフトしています。そのため、多くの企業ではこのような破壊的とも言える変化を新たなビジネスチャンスと捉え、新しいモデルで優位性を確保するという流れが世界各国で始まっています。そのような流れに対し、システムとしては当然新たなビジネスモデルに素早く適応し、製品サービスを他社より早く展開し、安定して拡張できるための ERPシステムが求められているのです。今後のERPシステムに対する評価としては、システム自身が全く新しい販売網に対し、ある一定のコストで押さえシステムとしての拡張性と信頼性を高め、そして同時に素晴らしい顧客体験を提供できるかと言う点が極めて重要です。また、当然のことながら、そのビジネスモデルが永続的に構造的優位性を保つためにも、リニアにコストを増やすこと無く、スケール出来るプロセス構築や事業の成長に合わせたスケーラビリティーが、今後の事業を左右するといっても過言ではないでしょう。

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俊敏な経営にクラウドERPは必要不可欠

最近では、営業、生産、サービスそれぞれのチームにモバイルデバイスを用いたアジリティーを提供し、また同時に顧客にモバイルアプリを提供し、新たなユーザエクスペリエンスと顧客との接点を身近にするための新たな仕掛けを提供することはもはや当然のです。KPMGによる最近の調査 2014 Cloud Survey Report: Elevating Business in the Cloud では、CIOたちによる2015年度のクラウドコンピューティング使用計画において、従業員のモバイル使用を強化することが2番目に高い優先事項となっているという結果が出ています。要するに、現時点から将来にわたって、モビリティが新しいビジネスモデルの入り口となっていることが大きな特徴であると言えるでしょう。最も効果的なハイブリッドERPに求められることは、変化にいち早く対応し、安定した営業サイクル、サービス提供、顧客継続性維持やモビリティといった機能を通じての新しい顧客体験を通じて長期にわたって他社との優位性を維持しながら利益を出し続けていけるためのシステムを構築していくこととなるでしょう。

このように事業拡大とスピード化への対応は、往々にして視野が狭くなりがちな社内の基準のみならず、顧客中心の視点で測られる必要があります。そのためには、今までのようなERPの導入手法や選定方法では、結果新しいビジネスモデルへの変革という要件を満たすことは出来ず、他社との優位性を確保するために機能しないことは明白となるでしょう。顧客にとっても、日々変化する市場で良いものをより早く、よりリーズナブルに購入するという行動は加速していくわけですから、当然、今まで常識としてとらわれていたものが、時に時代遅れになったり、今後数年のビジネスでの足かせになる可能性があることを意味します。このような破壊的とも言える市場の変化の中で、新しい概念や常識が当然の要件になっていく流れを読み解き、今後のビジネスにどう左右するかを、十分吟味しながら、今後のERPシステムにあるべき姿を模索する必要あるのではないでしょうか。変化の時代をチャンスと捉え成長し続ける企業を支援しているクラウドERPが昨今の選択肢になっていることは、合理的かつ納得感があり、今後も必然的な流れは加速すると言えるでしょう。

まとめ

このレポートからおわかり頂けるように、企業はクラウドERPを採用するか否かではなく、どのようにクラウドERPを採用して業務に利用するのかが重要になってきているのです。

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