M&Aで重要なPMIとは?その重要性と成功のポイント

 2019.09.02  クラウドERP編集部

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中小企業では事業承継を中心に据えたM&A事例が増加しています。今まで事業承継といえば親族内への承継が一般的でしたが、現在では後継者不足などの問題から親族外への事業承継案件が増えており、M&Aも選択肢の1つとなっています。

一時期、「敵対的M&A」が頻繁に報道されたことから一部の人からはM&Aに対する印象は悪いものでしたが、昨今ではM&Aの有効性が認識され、多くの中小企業経営者が事業承継のために具体的な検討を進めています。

しかしながら、中小企業のM&AではPMIが欠けているケースが多く、事業承継後のシナジー効果を早期に生み出せない問題があります。本稿では、M&Aで重要なPMIについてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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PMIとは?

PMIはPost Merger lntegration(ポスト・マージャー・インテグレーション)の略であり、M&A成立後の統合プロセスを指します。M&Aの成果を早期段階で得るためには、M&A当事者である両社の戦略・販売体制・管理体制・従業員意識・情報システムなどを有機的に機能させる必要があります。M&Aの検討段階において想定したシナジー効果を実現する上で、期限を区切った目標の設定と、その実現に向けた進捗管理を実施することがPMIということになります。

ちなみにシナジー効果とは相乗効果のことであり、異なる事業を統合した際に生まれる新しいビジネス価値を意味します。たとえば、自動車メーカーがあるAI研究会社を吸収すれば、AI事業の技術を自社自動車に取り入れて製品価値を高められます。AI事業では自動車製造ノウハウを知り、取り入れることでより高度なAIが開発できるかもしれません。

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多くの企業がM&Aに際し、シナジー効果を狙って実施します。故にPMIはM&Aの成否を分ける重要なプロセスであり、PMIをおざなりにしてM&Aの成功はあり得ません。

事業承継におけるPMIの重要性とは?

中小企業の事業承継でM&Aを実施する場合、PMIは不要だと考える経営者が少なくありません。会社が買収された上で更なる成長を目指すのではなく、経営者は引退するのですから重要性が理解しにくいのも仕方ないでしょう。しかし、中小企業の事業承継にとってもPMIはとっても重要なプロセスです。

事業承継M&Aにおいて、中小企業を吸収した会社が慈善事業で事業を承継したわけではありません。その事業に採算性や成長性を感じたからこそ吸収するのであり、今よりも利益を向上することが目的です。しかし、PMIは買い手企業が単独で行うのではなく、売り手企業の支援も必要になります。

特に重要なのがM&Aが締結した日をDay1とし、Day100までに統合計画を実行していくことです。実は、日本企業の多くはM&AにおいてPMIの計画を立てる段階が遅く、海外諸国と比較するとその違いは明らかです。

引用:デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー株式会社 『基礎からのM&A講座 第7回 M&Aプロセス(4)統合(クロージング・PMI)

では、中小企業の事業承継M&AにおいてPMIが無いと、どのような問題が発生するのでしょうか?

  • 問題1. 売り手企業の支援が無ければ適切なPMIが実行できず、事業承継後の統合が進まずシナジー効果を生み出せない。
  • 問題2.買い手企業の現場が混乱することになりM&Aを実施した取引企業として信頼を失う。
  • 問題3.売り手企業の従業員の雇用が有利になるような条件でM&Aを締結しても、M&A後の風当たりが強くなる可能性がある。
  • 問題4.PMIを適切に行わないことで売り手企業のブランドイメージが崩れる可能性がある。

こうした問題を回避するためにも、PMIを確実に実施してM&A締結後の統合プロセスを効率良く進める必要があります。

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PMIで検討すべきポイント

M&A締結後のPMIに関して、企業が積極的に検討すべきポイントを以下に解説していきます。

Point 1. 統合戦略の策定

最初に実施すべきポイントは、統合会社の経営離縁にも結び付くような統合ビジョンを策定し、これから実施する統合の意義や統合会社の目指すべき方向性を示すことでしょう。統合戦略にもとづき具体的な中長期の経営目標を、期限を明示して設定し、そこに至るまでの経営計画及び実行計画の責任部署と権限範囲を決定し、シナジー効果実現のための戦略・施策を含めたロードマップを作ることです。

Point 2. 組織・制度の統合

新しい組織体制がどうなるかは、ステークホルダーが最大限に関心を寄せるポイントです。経営上の意思決定構造、現場での事業運営の機動性、効率的なコスト構造、無駄のない税務処理、効率的な事業資金運用などさまざまな観点から最適な組織形態や、拠点配置を検討する必要があります。

Point 3. 新体制の成長戦略・業務効率化

事業成長のカギになる顧客、製品、サービス、チャネル、人材等の活かし方を整理した上で、新会社としてのリソースを確認し、製品、サービス、店舗などのポートフォリオを分析して重複の解消と、必要な商品や店舗、製造拠点などを新規開発しておくことで戦略に合致した成長戦略を構築していきます。業務効率化の検討も併せて行い、収益力向上を目指します。

Point 4. シナジー効果マネジメント

PMI最大の狙いであるシナジー効果は、シナジー領域の検討、シナジー項目の定義を行い、何によってどれくらいのシナジー効果が見込めるか目処をつけるところから始めます。売上高増加とコスト削減の、それぞれのシナジー効果の仮説を構築し、定量化と目標設定を行った上で、実現方法の具体的な検討を行っていきます。シナジー効果を実現するには、工夫と改善の積み重ねが何よりも重要であり、奇策のようなものはないと考えるべきです。

Point 5. 人事・コミュニケーション

M&Aでは吸収でも合併でも、人事は最も重要な要素になります。従業員は統合のニュースがアナウンスされた時点で衝撃を受け、新組織における自分のポジションや処遇、待遇面で不安もあれば、会社自体の経営の方向性や経営スタイルの変化への不安もあります。一番避けなくてはいけないのが、将来を不安視して優秀な従業員が会社を辞めてしまうことです。そうした事態に陥らないようにするためにも、ビジョンや経営目標、経営方針等を明確に発信・伝達することで、不安や誤解を払拭する必要があります。これは従業員だけでなく、顧客や取引先、金融機関等のステークホルダーも同じことです。ステークホルダーは立場ごとに不安なポイントが異なるため、それぞれに別のメッセージを発信し、不安や誤解をコントロールしていくことが重要です。

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M&A成功はPMIから!

いかがでしょうか?M&AにおいてPMIは最重要項目とも言え、可能ならばデューデリジェンス作業中に実施するのが理想です。M&Aを検討している中小企業経営者の皆さんは、PMIの重要性を再認識し、シナジー効果を最大限に生み出すM&Aを目指しましょう。

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