越境ECの市場規模、どの国から始める?

 2017.11.22  クラウドERP編集部

海外市場を相手に日本の商品力を発揮するのは、多くの日本企業にとって大きなビジネスチャンスを生みます。問題は、どの国をターゲットに越境EC事業を始めるか、というところです。

2015年から2016年にかけては中国人消費者の「爆買い」が話題になり、インバウンド需要は両年とも過去最高をマークしています。さらに、日本の商品は低価格高品質という売りで、世界中から注目されています。

ビジネスを展開する側からすれば、大変喜ばしいことです。ただし、越境EC事業を始めるにあたって、どの国をターゲットにするかは非常に重要です。この選択を間違ってしまうと、せっかくのチャンスを棒に振ることになるでしょう。

そこで今回は、越境ECの市場規模からターゲットにすべき国について解説します。

世界の越境EC市場は、トップはやはり中国

まずは世界のEC市場について確認していきましょう。経済産業省が発表した世界各国の越境EC市場規模は次のようになっています。

≪2016年世界のEC市場規模≫

世界の越境EC市場規模.png

引用:経済産業省「平成 28 年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)

トップは中国の9,276億ドル(約105.45兆円)、次いで米国の3,983.5億ドル(約45.28兆円)、英国の1,060.8億ドル(約12.06兆円)と続き、日本は774.1億ドル(約8.8兆円)で第4位にランクインしています。

この市場規模ランキングは、ほとんどその国の人口に比例してものと言えるでしょう。人口が多いとその分インターネット人口も大きくなるので、中国が圧倒的トップになることは必然です。

ちなみに世界の越境EC市場はというと、2016年は2.35兆ドル(約267.16兆円)にも上り、現状の推移でいくと2020年には4.06兆ドル(約461.57兆円)に達すると予測されています。

日本・中国・米国、各国間の越境EC市場

世界の越境EC市場ランキングよりも大切なデータは、各国間の越境EC市場、つまり「どの国が」「どの国から」「どれくらい」購入しているかというデータです。ここでも同じ経済産業省の市場調査を参考にします。

≪日本・中国・米国間の越境EC市場≫

日本・中国・米国間の越境EC市場.png 

引用:経済産業省「平成 28 年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)

日本の越境EC市場において、最も日本の商品を購入しているのは中国です。その金額は1兆366億円と、越境EC市場が日本の5倍以上もある米国と同じ水準になります。米国からの購入金額は中国に比べて4,000億円下がるものの、それでもなおビッグ市場には変わりないでしょう。

ちなみに、日本の購入金額はというと、中国からが226億円と圧倒的に少ないのが特徴です。

上記のデータを見ると、中国の購入金額が米国の倍近い数字なので、越境EC事業を始めるのはやはり中国が妥当か、と考える方が多いでしょう。しかし、中国をターゲットにした越境EC事業にはいくつか注意点があります。

中国をターゲットにした場合の注意点

まず立ちはだかる壁は「顧客対応」です。日々ニュースで流れる中国情報を見聞きしていると、中国人消費者は商品品質に強いこだわりは持たず、大雑把な性格をしているとイメージしがちです。しかし実際はその反対で、中国人消費者は商品品質に対して非常に敏感です。

理由は、商品品質が低い自国の事情を理解しているからこそ、偽物や不良品を購入したくないと、商品品質に対して過敏になっています。そんな中国のEC事業において当たり前となっている顧客対応は「チャット機能」です。

ECサイト内に商品担当者と直接やり取りできるチャットスペースを用意することで、商品に対する気になる点や疑問をその場で解消できるため、品質に対する信頼を与える効果を持ちます。

こうした事情から、中国を越境EC事業のターゲットとするには、中国人消費者の品質に対する要望を満足させるような顧客対応が大切です。ただし、中国人消費者からの質問などに対応できるスタッフを常駐させるのは大きなコストになるため、商品品質に関するFAQを充実させるなどの対処が必要になります。

次の壁は「決済方法」です。実は、中国全土ではクレジットカードがあまり普及していないため、その他決済方法への対応が必須となります。例えば「支払宝(アリペイ)」という決済方法は、次のような手順を踏んで決済を行います。

1.消費者が商品を購入する

2.購入代金をアリペイに送金する

3.アリペイが販売者に連絡する

4.販売者が商品を発送する

5.消費者が商品の到着をアリペイに連絡する

6.アリペイが販売者に送金する

このように、クレジットカード決済と比べるとかなり複雑です。しかし、偽物や詐欺が多い中国では、こうした特殊な決済方法が主流になっています。ちなみに、日本も「メルカリ」などのフリマアプリを始め、様々なサービスでこうした決済方法が浸透し始めています。

もしも中国をターゲットにするのであれば、「支払宝(アリペイ)」やその他の決済方法に対応するのは必須です。クレジットカードのみでは、一部の富裕層しかターゲットにできず、自ら市場を縮めることになります。

最後の壁は「配送」です。中国では、発送した商品が消費者に届かないといったトラブルが日常茶飯事です。日本ではありえないことでも、中国では当たり前に発生することなので、このリスクを回避するための対応も大切です。

以上のような理由から、中国を越境EC事業のターゲットにする場合は細心の注意を払ってください。一見、手頃そうな市場に見えても、その影には様々なリスクが隠れていることもあります。

商品によってターゲットを変えることも大切

越境EC事業のターゲットを決めるにおいて、商品によって変更することも大切です。例えば、中国では日本製商品にこだわる傾向にあるため、たとえ日本発生の商品でも中国製やベトナム製といった商品はあまり好まれない傾向にあります。

一方で、日本製商品の代表格である家電製品はあまり購入されません。理由は、中国の一般家庭と日本の一般家庭で使用する電圧が異なるため、電圧変換機が必要になり月々の電気代が高くなってしまうためです。

このように、越境EC事業で販売する商品によっても、ターゲットを変えないと成功は難しいでしょう。

まとめ

日本の商品力をもってすれば、世界中の国で市場を開拓できることは間違いありません。大切なのは、どんな商品を販売し、どの国をターゲットにするかです。この勘所さえつかめば、越境EC事業はあっという間に拡大していくでしょう。加えて、各国の商習慣や文化を十分に理解した上で、その国に適した販売スタイルを確立することも大切です。

皆さんは、越境EC事業においてどんな商品を販売し、どの国をターゲットにしますか?

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