シリコンバレーと東京はアジアで最も近い -「世界征服は東京から」の理由 -

 2016.02.08  Kii株式会社 齋藤 和紀 氏

グローバル標準のクラウドERP

1980年代まで、外資系がアジアヘッドクオーターを置くといえば当然東京でした。この間、ソニーやトヨタ、ホンダといった日の丸企業は日本から世界中に進出し、世界市場を次々と制覇していきました。しかし、いつしか外資系企業にとってのアジア拠点は香港にとってかわられ、シンガポールや上海に奪われていきました。その主な理由は、人件費を主としたコストが安いこと、税制が有利であること、そして英語が通じることです。東南アジアが高くなった昨今では、シドニーにアジアの拠点を置いている企業も多いですね。最近は日本にアジアの拠点を置いている企業というのはほとんど見なくなりました。ブランド企業くらいでしょうか。それに比例するかのように日本企業も元気を失っていきました。日本から世界市場を征服するのは無理なんじゃないかと思われる時代もありました。

しかしながら、今はその潮目が大きく変わってきています。東南アジアや中国のコスト高騰は当然あります。しかし、それだけでしょうか。むしろ、私は企業が世界征服をするには日本が、そして東京がベストではないかと考えるようになっています。

実は人件費が安い東京

かつて日本人の給与水準は世界最高レベルでした。しかし、日本の人件費が高いので日本以外の海外に拠点を置くというのは過去の話です。優秀な人材を集めようと思ったら東南アジアのほうが日本よりも高いことは多々あります。Googleをはじめとしたシリコンバレー・テック企業の初任給は$140k(約1600万円)ともいわれています。彼らは米国内だけで採用をしていません。インドや中国の最高レベルの学生をごっそり採用しています。もちろん、アジアの国々は国家の平均で見ればまだまだ日本には及ばないかもしれませんが、世界的な好景気もあり優秀な人材の獲得費用は世界中で高騰しています。

翻って、昔から言われていることではありますが、日本の特徴は平均的レベルが高く地方隅々まで優秀な人材がそろっている点です。即戦力バッチリのジーニアスもポテンシャルに期待する人も平均以上の給与を出せば採用できます。この点は大きいです。また、実は、前述のGoogleのようにインドや中国から採用する際も日本はメリットがあります。インバウンド採用を行うフォースバレーコンシェルジュのような会社がかなり伸びていますが、同社によると、日本は海外の大学生が日本で働くためのビザを取るのが米国などに比べむしろ楽であるとのこと。国内の大手IT企業も同社を使って海外から優秀な学生を採用していますし、東京にはインドや中国から来た人達のコミュニティが育っています。

そもそも人いらないんじゃ・・・

そもそも21世紀に入り、工場のスケールは大きくなり産業用ロボットも普及してきて、製造業にはかつてほど人手がかからなくなってきました。アメリカに製造業が回帰しているのもそのおかげです。世界の工場である中国からアメリカに製造業が回帰しているといわれますが、実際は労働力が安い人件費からロボットに移っただけであれば雇用にはあまり貢献していません。そして今、その波は知的労働にもやってこようとしています。企業に必要とされる多くの管理業務は人工知能がそれを肩代わりするようになるでしょう。そもそも人件費や雇用の心配が大幅に軽減されていくと思われます。

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そして、日本から管理業務を行うにあたり大きなメリットと感じるところ。それは、日本が非常に常識的な国であるということです。クラウドの普及により、管理業務要員を各国に配置する必要はなくなりました。「まずは現地に駐在員を派遣して拠点を作って、、、、」というのは過去の話。今はどこの国も銀行業務も経費精算も給与計算も会計もクラウドでできます。そのために特化されたクラウドERPのようなツールも進化しています。だからいきなりオンラインで現地企業と取引が始められますね。世界各国を見渡すと、税制も給与制度も文化も全く違う国を理解するのは非常に難しいことなのだと気づきます。私の経験から言うと、特に米国の企業は外のカルチャーを理解しようとはしない。その点、日本からマネージすると文字通り洋の東西を問わず理解しコントロールすることができるのです。

ところで、問題は英語力ですが、今は小学生から英語を習う時代ですし、あと5年もすれば人工知能が翻訳するようになるでしょう。この点も心配はなし。

実はシリコンバレーに一番近い東京

起業の聖地であるシリコンバレー、地理的にシリコンバレーに一番近いアジアはどこでしょうか。そう、日本です。シリコンバレー企業の幹部はシンガポールに拠点を置くと、移動に20時間以上を取られることになります。これは想像以上につらい。逆もまた然りです。また、世界を股にかけるビジネスマンにとって一番のハードルは太平洋です。ここを横断するだけで10時間かかります。個人的には、20時間を超える旅程は、時差に加えて気温差(季節逆だし)が伴うので、相当体に来ます。世界のビジネスは北半球と東南アジアに集中していますから、ビジネスに関連した人を集めるのであれば、北米にもアジアにもヨーロッパにも15時間以内で行け、太平洋の東の玄関口である日本は実は最大公約数の場所にあります。(南米と東南アフリカはやっぱり遠いですね。)

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その他もかなり快適

かつて、東京の朝のラッシュアワーはそれ自体が観光の的になるほどひどいものでした。しかし、それも東京だけのものではなくなりました。昨今のシリコンバレーの朝晩の高速道路のラッシュは相当です。東南アジアの都市はもっとひどい状況ですが、それに比べれば東京のラッシュは整然としている気がします。「もう、俺たちは慣れたぜ。フゥ」という感じですね。通信インフラも整っているし余計な制限はされないですし、法人税はどんどん下がり、東京オリンピックを契機に大規模な開発も各所で行われていて、新しい最先端の都市が誕生しています。これだけバックアップされた環境なのだから、日本から東京から世界征服をする企業がどんどん出てくるのも間もなくでしょう。後は世界に通じるサービスを考えるだけです。

ところで、すみません。私自身が東京中心の生活なのでこの文章も東京中心になりました。(オリンピックだってあるしね!)大阪だって名古屋だって最高です!

著者紹介

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齋藤 和紀氏
(Kii株式会社 ファイナンス・ディレクター兼コントローラー)

2013年9月Kii参画。以来、成長期にある同社の管理部門全般を統括。シリコンバレーを主とした海外投資家、シリコンバレー大手IT企業からの資金調達をリードし成功させている。それ以前には、米大手石油化学メーカーの国内10社以上の経理業務を統括する国内グループの経理部長や、米系コンピューター会社日本法人のファイナンスマネージャーの要職を歴任し、成長期や過渡期にある企業を財務経理のスペシャリストとして支えてきた。2008年には金融庁国際会計調整室において政府のIFRS採用計画策定に参加。早稲田大学卒、同大学院ファイナンス研究科修了。

Kii株式会社について

Kii株式会社は日本発のグローバルなIoTプラットフォーマーとして注目のベンチャー企業です。同社の中核サービスである「Kii Cloud」IoTプラットフォームや同社が北米を中心に展開する「Space」IoTエコシステムは、世界中の大企業からスタートアップに至るまで、様々なIoT製品やモバイルアプリを支えるツールとして利用されています。シリコンバレー、東京、上海、香港、台湾、スペイン、ロンドンにメインのオフィスを置き、グローバルに事業を展開しています。Kiiは業務革新にも最先端技術を積極採用、シリコンバレースタンダードのクラウドERPであるネットスイートが急成長するKiiの事業基盤を支えています。

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