原価計算とは?その種類と方式について

 2019.05.17  クラウドERP編集部

グローバル標準のクラウドERP

商品を製造するためにかかった費用と、それを販売するためにかかった費用、そしてサービスを提供するのにかかった費用を「原価」を呼びます。原価は一見してシンプルなものに思えますが、実際は複雑かつ奥が深く、商品・販売・サービスにかかった原価を正確に計算することは、原価計算に深い知識とスキルを持ち合わせた人でなければ難しいほどです。

しかし、企業が持続的に利益を上げていくためには原価を知るための原価計算が欠かせません。本稿では、そんな原価計算の基礎について解説しています。

原価計算とは?

原価計算とは文字通り「商品・販売・サービスにかかった原価を計算すること」を指します。大切なのは原価計算の意味を知ることに加えて、原価計算を実施する目的について理解することです。

原価計算の目的

  1. 商品・販売・サービスにかかった費用よりも、高い値段で商品を販売したりサービスを提供することがビジネスの基本であり、商品・サービスを提供するにあたって適当な価格設定を行うために原価を計算する
  2. 商品・販売・サービスにかかっている原価が適正なものかどうかを判断するには基準が必要であり、その基準を作るために原価計算を継続的に行い、基準と実際の差異分析を実施することで原価の適正化を図る
  3. 株主や投資家などの利害関係者に対して財務諸表という形で経営状況を報告するにあたり、その情報の根拠となる原価情報を提示するために原価計算が必要になる
  4. 経営活動は基本計画や予算編成によって決まるものだが、状況は常に変化するため条件に合わせたシミュレーションが必要であり、正確な予測分析を実施するためにも原価計算が必要になる
  5. 自社とその利害関係者(取引先や銀行など)全体の経営効率化を実現するために、予算管理を徹底して正確な予算編成を作成することが大切であり、そのために原価計算を実施する必要がある

これらの目的は、55年以上前に大蔵省(現財務省)企業会計審議会が公表した「原価計算基準」によって定義されたものを分かりやすく要約しています。

原価の種類は全部で6つ

原価計算を行うにあたり、商品・販売・サービスにかかった原価の種類を区別していく必要があります。実は、原価の種類というのは全部で6つしかありません。まず大分類として「固定費」と「変動費」があります。

固定費

商品・販売・サービスにかかった費用のうち、売上に関係なく発生する費用のことを固定費と呼びます。たとえば飲食店におけるテナント賃料は、売上に関係なく一定金額の支払いが必要です。この他にも光熱費や人件費などが主に固定費に分類されます。

変動費

そして変動費とは、売上の増減に応じて金額が変動する費用のことを指します。たとえば飲食店における原材料費は、商品を販売(=製造)するごとに必要なものであり、売上が上がれば必然的に材料費も増していきます。場合によってはこの限りではありませんが、大まかな原材料費は変動費に分類されるでしょう。

ERPに関するお役立ち資料

次に、「材料費」「労務費」「経費」という3つのカテゴリがあります。

材料費

商品を製造したり、サービスを提供するためにかかった費用のうち、原材料費・部品購入費・物品費などが材料費に該当します。このうち固定的に発生するものを「固定材料費」、変動的に発生するものを「変動材料費」と呼びます。

労務費

従業員の給与や福利厚生など、商品製造やサービス提供のためにかかる人件費が主に該当します。そのうち社員等に関係するのが「固定労務費」、アルバイトなど臨時的に雇用する人材に関係するのが「変動労務費」となります。

経費

材料費と労務費以外の費用はすべて経費に該当します。ただし、販管費や財務費は原則含みません。主な項目としては設備等にかかった費用を指します。そのうち固定的に発生するものを「固定経費」、変動的に発生するものを「変動経費」と呼びます。

ここまでの内容をまとめると、原価の種類は「固定材料費」「変動材料費」「固定労務費」「変動労務費」「固定経費」「変動経費」の6つがあります。

原価計算の種類

原価にいくつかの種類があるように、原価計算にも同じく種類があります。それが「個別原価計算」「総合原価計算」「部分原価計算」「全部原価計算」「標準原価計算」「実際原価計算」の6つです。

個別原価計算

個々の商品ごとに計算し、主に顧客からの発注にもとづいて商品を生産する現場で使用します。

総合原価計算

ある一定期間にかかった費用をその期間に製造された商品の数量で割って計算し、同一商品を大量生産して一定価格で販売する場合に使用します。

部分原価計算

社内管理目的で製造にかかった費用の一部だけを原価として計算します。部分原価計算は、主に企業の業績管理目的で使われます。

全部原価計算

商品製造にかかった費用のすべてを原価として含め、計算する方法を全部原価計算と呼びます。会計上、財務諸表に使用できるのは部分原価計算ではなく全部原価計算です。

標準原価計算

社内管理目的として、標準的な原価計算を行う方法です。1つの商品を製造するのに要する原価の目安を設定することで、粗利を計算する場合に使用します。

実際原価計算

実際に発生した費用にもとづいて原価を計算する方法を実際原価計算と呼びます。全部原価計算と同じく、財務諸表上は実際原価計算を使用します。

[SMART_CONTENT]

原価計算は難しいものなのか?

もしも、たった1つだけの商品を製造・販売している企業があれば、そこで原価計算を実施するのは簡単です。会計帳簿を引っ張り出して、一定期間に製造した商品と同一期間に発生した費用を用いて計算すれば、商品1個あたりにかかる原価をすぐに算出できます。しかしながら、多くの企業では複数の商品を製造・販売していますし、複合的にサービスを提供しています。

たとえば家電商品製造メーカーにおいては、冷蔵庫や電子レンジ、洗濯機や掃除機などさまざまな商品を製造・販売しています。これらの商品はカテゴリごとに生産拠点が異なったり、製造プロセスが異なったり、かと思えば一部では同じ部品を使用していたりして、様々な要素が複雑に絡み合っています。

性質が異なる商品に動じた部品や数量、人員、製造ライン設備、出荷準備といった後工程にかかる費用まで含めると、すべての費用項目を原価として計算することはかなり難しいでしょう。だからこそ、原価計算には深い知識とスキルが必要となります。

[RELATED_POSTS]

ERP(Enterprise Resource Planning)で原価計算問題を解消する

ERPには生産・販売・購買・在庫・生産・財務会計といった基幹系システムが統合されており、さらに複数の情報系システムが複合的に集まっています。そのため、各システムから原価計算に必要な情報をリアルタイムに抽出すると共に、その情報をもって原価計算を行うことが可能です。従って企業は商品・販売・サービスにかかった原価を、より少ない労力で把握することができ、正確な原価情報をもとに経営活動を展開していくことが可能になります。原価計算を徹底したいと考えたときは、ぜひOracle ECP CloudやOracle NetSuiteなどのERPにご注目ください。

原価管理システムの選び方

Oracle ERP Cloud とSAP S/4HANAとの比較 (英語)
Oracle NetSuiteで仕事が変わる!会社が変わる!

RELATED POST関連記事


RECENT POST「原価管理システム」の最新記事


原価計算とは?その種類と方式について
ERP(統合基幹業務システム)の導入を成功に導く10のステップ
New Call-to-action
New Call-to-action

RANKING人気資料ランキング

RECENT POST 最新記事

RANKING人気記事ランキング

New Call-to-action