結局CRMとは何なのか?5分で全貌を理解

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 2018.04.23  クラウドERP編集部

今でこそCRMは「顧客管理のためのITシステム」として知られています。しかし、そもそもCRMとはシステムではなく、ある特定のマネジメント手法を指すものであり、その手法を実現するためにITシステムが必要になったのです。いまではそのシステム自体もCRMと呼ばれることが多いのですが、本来のCRMを理解していないとシステムに振り回されてしまってうまく活用できないということにもなりかねません。

そこで今回は、基本に立ち返ってCRMとは何なのか?その全貌を分かりやすく解説していきます。 

CRMとは何か?

CRM(Customer Relationship Management)は日本語で「顧客関係管理」、あるいはもっとシンプルに「顧客管理」と訳されます。ただしCRMの本質を表すためには「顧客関係管理」としたほうが的確でしょう。なので、まずは「CRM=顧客との関係を管理するマネジメント手法」と認識してください。 

では顧客との関係を管理するとは一体どういうことなのか?これは皆さんが顧客の立場になって考えてみると分かりやすいかと思います。 

たとえば、あるシステム会社に業務アプリケーション構築を依頼する際に、皆さんは次のAとBの会社どちらに依頼するでしょうか?

システム会社A…業界の中では大手であり確かな技術がある。豊富な人材リソースによって様々なサービスを受けられる反面、完全に体系化された業務によってどこか機械的な印象を感じる。とはいえ期待通りの業務アプリケーションは構築される。費用は大手ということもありやはり高め。 

システム会社B…業界の中では中堅以下のクラスだが顧客の課題を理解するという点を徹底している。そのため取引の中にも人間味があって安心してコミュニケーションできる。大企業ほどのリソース、技術は無いが業務アプリケーション構築後も継続的なサポートを意識しており、親身になって運用計画を立ててくれる。ただし、費用は大手よりも少し低い程度。 

「大手に依頼する安心感」さえ求めなければ多くの方がシステム会社Bに依頼するのではないでしょうか。これはシステム会社Bが顧客との関係を重視し、それを管理することに重きを置いてビジネスを展開しているため、結果的に顧客にとって大きな利点が生じるからです。

顧客との関係を管理するとはつまり顧客視点に立って製品・サービス・ビジネスモデル・マーケティング・情報を整理し、常にベストなタイミングで顧客が求めるものを提供し、継続的な製品やサービスの利用を促すことです。 

これこそがCRMの本質であり、単にITシステムを導入しただけでは実現できないマネジメント手法です。 

CRMは何故必要なのか?

CRMが誕生したのは1990年代米国でのことです。このときから消費者の情報化が進み、各市場は企業主導のものから徐々に消費者主導のものへと変化していきます。そこで企業側から見て発生した問題が顧客ニーズの多様化です。情報の流通が整理され、消費者が自ら情報を取得できるようになったことでニーズは多様化していきます。そのため、従来のようなマーケティング手法では行き詰まり、企業が顧客視点に合わせるというスタイルの重要度が増しました。

当初いち早くCRMに取り組んだのがDELL社です。同社は1984年の創業から顧客志向のビジネスを意識しBTO(Build To Order)というビジネスモデルを生み出しました。BTOとはパソコンにおける受注生産の意味で、顧客はカタログから好みのスペックを自由に構成して生産依頼します。当時はパソコンのスペックはあらかじめ決められており、購入者が決められた組み合わせのスペックから選択するということが当たり前の時代です。このなかで、顧客視点のビジネスモデルを展開することでDELL社は創業からわずか15年でパソコンの世界市場第2位の規模までのし上がりました。

ちなみに世界にCRMが浸透したきっかけは1998年に米国のコンサルティング会社であるアクセンチュア(当時アンダーセン・コンサルティング)が出版した「CRM-顧客はそこにいる」という書籍です。同書ではCRMを「ITシステムを利用し顧客データの分析をもとに顧客を理解し、インターネットやコールセンターなど新しいチャネルを使用して顧客との関係を深めるマーケティング手法」と定義しています。この書籍の影響も強く、そのため「CRM=ITシステム」という認識を持っている方も多いでしょう。 

しかしCRMはあくまで顧客関係管理のための手法であり、それを実現するためにITシステムとしてのCRMが存在することをご理解ください。

CRMはなぜ導入されるのか?

ここからはITシステムとしてのCRMがなぜ広く導入されているのかを解説します。顧客との関係を管理するだけならばITシステムに頼らずとも可能だ、と考えている方も多いでしょう。確かに従来の顧客関係管理として台帳に記載した顧客情報をもとに、営業担当者の経験と勘によって実行されるものでした。 

従来ならそうした顧客関係管理でも問題無かったでしょう。顧客が持つニーズは一定であり、経験から予測を立てやすく勘が働きやすいビジネス環境にあったためです。しかし前述の通り顧客ニーズは多様化し、現在に至っては顧客ごとに多様かつ複雑なニーズを抱えているのが実情です。なので従来のように経験や勘に頼った顧客関係管理では、ほとんど期待する効果を得られなくなっています。 

そこで重要なのが顧客情報をデータとしてITシステムにインプットして、情報を整理し、データ分析によって都度最適解を見つけることです。経験と勘という不確かなものに頼るのではなく、データという確かな事実からビジネスチャンスを見つけ出し、またもデータから次に取るべきアクションを決めていきます。もちろん何を実行してビジネスに繋げるかは人間が判断することなので、ある程度の経験と勘は必要です。しかしそれも全体からみれば一部であり、その場合にも重要になってくるのはビジネスにとって有用な顧客情報なのです。 

そうした顧客情報を人手で管理することはほぼ不可能でしょう。多様な顧客情報をすべてExcelで管理したとしても、それを活用するための機能が無かったりデータの収集や加工に多大な時間を費やしてしまいます。CRMは人手では不可能なデータの管理・収集・加工・分析・活用を実現するためのITシステムなのです。 

CRM導入の課題とは?

真っ先に挙げられる課題はやはりCRMの本質を理解することでしょう。CRMは「ITシステムを導入すれば実現可能なマネジメント手法」と認識し、ITシステムの導入ありきで進めるケースが少なくありません。しかし、ITシステムはあくまで顧客情報の管理・収集・加工・分析・活用を支援するものであって、CRMそのものを実現してくれることはありません。 

CRMによって収益拡大を図りたいのであればまずはマネジメント手法を体系立てて整理し、それをITシステムでどう実現するかを計画することが大切です。 

もう一つの課題はユーザー部門にITシステムを利用を上手く促すことです。CRMにおいてITシステムを利用するのは一般的に営業部門であり、営業のデータ入力が無ければ顧客情報は蓄積していきません。

しかし、訪問・商談・営業資料作成・営業日報作成など既に多忙な営業にとって新たなITシステム導入は手間を増やすものとして敬遠されがちです。なのでCRMおよびITシステムを導入することで営業にどんな利点があるかを理解してもらった上で、ITシステムの利用を促す必要があります。 

現在、CRM導入を検討している方は「本質を理解できているか?」をまず考え、導入にあたって立ちはだかる様々な課題を抽出してみましょう。焦らず一つひとつ課題をクリアすれば、CRMによるメリットとその結果の収益拡大は現実のものになるでしょう。

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