ERPとCRM、それぞれの役割と違い

 2017.09.21  クラウドERP編集部

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今回のテーマは「ERPCRMの違い」についてです。ERP(エンタープライズ・リソース・プランニング)とCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)、これらのIT製品は、経営上不可欠ながら、混同されがちなものでもあります。

システム構築時、ERPとCRMの違いを明確にできず、結局何を導入すればいいのかと悩む企業も多いのではないでしょうか?

ここでは、2つのIT製品の違いについて詳しく解説しますので、今後のIT戦略の参考にしてみてください。

ERPとCRM、それぞれの役割

ビジネス社会には、英語3文字で表すIT製品が数多く存在します。SFA(セールス・フォース・オートメーション)やHRM(ヒューマン・リソース・マネジメント)、SCM(サプライ・チェーン・マネジメント)など実に多様です。

中でも、ERPとCRMはコンセプトが混同されがちなIT製品でもあります。

それぞれの役割についてまず簡単に説明すると、ERPは「統合管理」、CRMは「顧客管理」です。

統合管理を行うERP

今日、多くの企業のシステム環境は分断化しています。1990年代にメインフレームから近別業務アプリケーションが主流になったことで、企業は部署ごとに効率化された業務を手にしました。しかしその代償は、現代ビジネスにおいて重大な課題を生んでいます。

部署ごとに特化した業務アプリケーションを次々と導入したことで、部署間のシステム連携は難しくなりました。そのため、情報活用が促進せず、データの二重入力など無駄な手間も多い状況です。

ERPは、こうした現状のシステム環境課題を解決するために、「業務アプリケーションの統合管理」を実現します。

会計システム、営業システム、人事システム、生産システムなど、これらの業務アプリケーションは本来独立して稼働するものです。しかし、ERPはこれらを一気通貫で提供するため、複数業務アプリケーションの統合管理が可能になります。

顧客管理を徹底するCRM

CRMとは日本語で「顧客関係管理」を意味します。基本とした顧客情報を管理するだけでなく、顧客との「関係」まで管理し、利益の拡大や顧客満足度向上を狙うためのIT製品です。

その一般機能は顧客情報管理、商談内容管理、マーケティング管理、フォーム管理など、顧客管理を徹底するという部分に集約されています。製品によっては、これに営業日報機能など、営業活動を支援するSFAのような機能も備わっています。

このようにCRMは「顧客管理を徹底するため」のIT製品です。

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それぞれの導入メリットとは?

ERPもCRMも、それぞれに異なる導入メリットを持っています。「導入すると、どのような効果があるのか?」を知ることで、より具体的な検討を行えるでしょう。

ERPの導入メリット

ERPの導入メリットとしてよく言われるのが「全体最適化」です。全体最適化とは、複数の業務アプリケーションが統合管理されることで、相対的に組織全体の業務効率が上がることを示しています。

たとえば、分断化されたシステム環境では、部品仕入時に、仕入システムと在庫システムの2つに同じデータを入力しなければならないという手間があります。ERPによってこれらの業務アプリケーションが統合されれば、データ連携によって2重の入力作業は無くなります。

これはほんの一例に過ぎず、こうした業務効率化効果が、組織全体に現れます。故に、ERPを導入すると「全体最適化」が実現するというメリットがあるのです。

もう一つ、ERP導入の重要なメリットが「情報活用の促進」です。数年前からビッグデータが注目され、現在では企業が保有する情報一つ一つが重要な価値を持ち、分析対象として保管されています。しかし、それらの情報を活用できている企業は少ないようです。

理由は、各業務アプリケーションが生成するデータの一元管理が難しく、リアルタイムな分析が行えないためです。

一方、ERPを導入した環境では、組織全体の情報を一つのデータベースが管理できるため、迅速なデータ分析基盤が整います。BI(ビジネス・インテリジェンス)を標準搭載している製品ならば、リアルタイムなデータ可視化が可能です。

CRMの導入メリット

CRMの導入メリットは、「顧客情報の共有」「チームとしての営業活動」です。

営業部門固有の問題として、「情報の属人化」があります。これは、営業個々に保有する顧客情報が共有されていない状態で、営業部門全体としてはマイナス面しかありません。顧客情報が共有されないということは、営業に関する情報も共有されていません。このため、営業個々のスキルに依存する形になり、部門全体のパフォーマンス向上が難しいのです。

CRMを導入していると、システム上で顧客情報を共有できるので、「情報の属人化」という課題を解決します。

顧客情報の共有が促進されると、その結果「チームとしての営業活動」というメリットに繋がります。営業部門が一つのチームとして活動に取り組めれば、業務効率も良くなり、営業全体の成約率を高められます。

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CRMを包括したERPとは?

数多く存在するERPの中には、CRMを包括している製品もあります。クラウド型ERPとしてNo.1の導入率を持つNetSuiteはその一つです。

CRMをERPの一部として導入すると、「全体最適化」のメリットがより際立ちます。営業部門で管理されている顧客情報を組織全体で活用できるので、商品開発部が顧客情報を参考にしつつ開発を進めたり、経営者が顧客情報に応じた経営の舵切りも可能です。

ただし、CRMを包括した製品の中には、簡易的な顧客管理機能しか備えていないものもあるので注意しましょう。

クラウド型ERP「NetSuite」とは

NetSuiteは、製品がリリースされた1997年より一貫してクラウド型ERPを提供しつづける、業界のリーディングカンパニーです。SAPやOracleといった、大型のオンプレミス型ERPが人気を集めた1990年代後半から早々にクラウド型ERPを市場に投入し、以降20年以上にわたってノウハウを積み上げてきました。

その結果、現在ではクラウド型ERPとしてNo.1の市場シェアを持ち、世界4万社以上で稼働し続けています。

NetSuiteは経営において重要な「財務会計」を中心としたクラウド型ERPで、日本に限らず世界中の会計基準に対応し、グローバルレベルでの財務会計業務を実現する製品です。加えて高度なCRM機能や、その他広範囲の業務領域をカバーし、NetSuite一つで企業全体の業務アプリケーションを統合管理できます。

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まとめ

ERPとCRMには明確な違いがあります。しかし、CRMを包括したERPも存在するので、その点を考慮しつつ、導入検討を行っていただきたいと思います。高価なERPを低コストに、迅速に導入したい。あるいは、海外拠点とのシステム連携を迅速に行いたいという企業は、NetSuiteの導入をぜひご検討ください。クラウド型ERPだからこそ、低コスト&迅速な導入を実現し、多言語・多通貨対応で海外拠点とのシステム連携も強力にサポートします。

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