経営者が絶対おさえておきたい資本政策とは?その方法と特徴

 2020.02.27  クラウドERP編集部

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本記事では、「資本政策」の基本を調べている方に、その入門編として資本政策の概要や方法、それぞれの特徴を解説します。

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資本政策とは?

資本政策は会社が掲げた事業計画を達成するための、「資金調達」および「株主構成計画」を指します。簡単に説明しますと、「誰から、どれくらいの資金を、いくらの株価で調達するのか?」、「経営者並びに役員の持ち株比率をどの程度確保しておくか?」、「経営者個人の株式売却による利益(キャピタルゲイン)をどの程度見込むのか?」を考えることが、資本政策における3つの肝となります。※株式や債券などの保有している資産を売却することによって得られる売買差益のこと

つまりは、上記3つの要素を将来にわたり、どのようなバランスで保つかが資本政策の基本です。持続的な資金調達を重視するのならば、キャピタルゲインと持ち株比率をある程度抑え、経営者・役員が過半数の持ち株比率を確保したいのならば(経営コントロールのため)、資金調達やキャピタルゲインを抑える必要があります。事業計画によって、どれくらいの比率でバランスを保てばよいかは大きく変わります。

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資本政策立案に欠かせない4つのポイント

資本政策の立案では、以下に掲げる4つのポイントを意識することが大切です。各ポイントは相互に関連しているので、IPO全体を見渡しながらバランスの良い資本政策を目指す必要があります。

1. 事業計画を分析し、ベンチャーキャピタル等の投資可否を判断

IPOには通常、3~5年程度の期間を要することから売上・利益を、各製品やサービスの販売量などの積み上げにより、合理的に事業計画を作成する必要があります。その事業計画の利益水準によってベンチャーキャピタルや主幹事証券会社などは、IPO時の株式時価総額などを算定するため、情報分析をもとにした事業計画作成は資本政策の急所とも言えます。

2. 資金使途を明確にし、役員層以上で安定した持株比率を確保

IPOの前段階においても、事業計画の達成に欠かせない設備投資や販促活動を行うために、資金調達ニーズが発生することはあります。しかし、創業間もないベンチャー企業に信用を寄せる金融機関はいないため、銀行からの融資を受けることは難しいでしょう。その際はベンチャーキャピタルや事業パートナーなどに第三者割当増資(後述)を依頼することになります。ただし、創業者を含めて役員以上の人たちの持株比率が過半数以上を確保できるかを確認しておくことが重要です。普通株の第三者割当増資の結果、過半数を確保できない場合は種類株を活用した資本政策も必要となります。

3. 同族間の資本政策は株価が安いタイミングで行うことが鉄則

オーナー企業の場合では創業者利益の確保がIPOの同期になることがあります。しかし、創業者利益をより多く確保するために、IPO時に持株を大量に売却してしまうと、同族における安定持株比率を確保できない可能性が高くなります。そのリスクを回避するには、資本政策の初期段階から比較的株価が低い時期に株式移動(後述)を行い、同族関係者の持株を多く残していくのが有効的な手段です。

4. 資本政策はやり直しがきかないため、慎重に実行すること

資本政策は融資と違い、いったん株式が付与されると相手の同意がない限り、株式の買戻し等はできません(普通株の場合)。さらに、株式を付与した役員が退職してしまうと、重要な経営課題の決議が難しくなり、その後に高い株価で買い戻さなければいけないリスクがあります。このことから、株式付与契約書に退社時には取得価格で買い戻す旨を盛り込んでいくとよいでしょう。

資本政策のやり方とそれぞれの特徴

ここからは具体的な資本政策のやり方、それと各手法の特徴について解説します。それぞれの特徴を十分に理解した上で、最適なやり方を選択することが大切です。

1. 第三者割当増資

第三者に対し、新しく株式を発行して割り当てることを指します。IPOを目指す際の資本政策としては最もポピュラーなやり方であり、主な割り当て先はベンチャーキャピタル、従業員持株会、事業パートナーとなることが多いでしょう。発行済み株式数が増加することから、既存株主の持株比率が低下することに注意が必要です。株価に関しては、第三者機関の株価算定を行っておくことをおすすめします。

2. 株式移動

株式の譲渡人と譲受人が双方合意することで、既存株主となる譲渡人が保有している株式を譲受人となる法人・個人に譲渡する資本政策です。上場審査においては、譲渡価格が妥当な水準であるか否かを判断するために、IPO以前の5年程度の株式以上取引について、公認会計士や税理士などの第三者機関が作成した株価算定所の提出を求められるケースが多いでしょう。従って、予め株式移動の前に第三者機関による株価算定を行っておくことをおすすめします。

3. ストックオプション

役員や従業員に対し、無償または有利な価格では発行された新株予約券をストックオプションと呼びます。権利行使期間内にあらかじめ定められた権利行使価格を支払うことで、株式を取得することが可能です。株価上昇を通じてキャピタルゲインを与えることが可能なので、社内への福利厚生プランとしての意味合いが強いでしょう。税制適確ストックオプションの場合は、適格要件に注意しましょう。

4. 株式分割

株式を一定の割合に従って増加させることを株式分割といいます。株式分割後の発行済株式数は定款で定められた発行可能株式総数の範囲内に限られます。主に上場直前に実行され、IPO時に株式は100株単位で売買されることになり、さらに各証券取引所は1単元が50万円未満であることを推奨しています。そのため、高くなった株価を株式分割し、売買しやすくするのが主な目的でしょう。

IPOで押さえておきたいルール

新興企業や中小企業がIPOを狙う際に、最低限理解しておきたい基本ルールがあります。このルールを抑えずして資本政策の成功はあり得ないので注意しましょう。

会社の経営権

会社法の観点から、持ち株比率(会社法では「議決権割合」という)によって、株主総会で決定権を持てる議案の範囲が決定します。現時点で経営者の持株比率がある程度高い場合は、IPO時にオーナーが過半数の持株比率を確保できるいような資本政策に取り組むケースが多いでしょう。

上場審査基準

株式市場へ上場するにあたり、資本政策に関して株式市場が定める上場審査基準をすべて満たす必要があります。ただし、IPO以前は「流通株式比率25%以上」だけを意識すれば十分なケースが多いです。この基準とは、役員(親族や役員の個人会社を含む)と10%以上の大株主以外の株主が保有する株式数が、発行済株式総数の25%となるように公募・売出株数を決める必要があるという意味です。

いかがでしょうか?資本政策はその内容を十分に理解し、ポイントをしっかりと押さえていれば大きな問題はありません。この機会に、本記事の内容を参考にしながら資本政策について考えてみていただきたいと思います。

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