CSV経営とは?CSR経営との違いやそれぞれの意味を解説

 2020.03.23  クラウドERP編集部

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昨今ではソーシャルビジネスや社会起業など、社会性を意識した事業展開が広がりつつあります。これらは数ある社会問題を解決するだけでなく、社会貢献活動を通じて企業価値そのものを高める効果があり、一般企業での注目度も高まっています。そのような企業の多くはCSRとCSVを意識する傾向にあります。

事業活動の方向性を示す「CSR」と「CSV」。類似した2つの言葉には、どのような違いがあるのでしょうか?本記事では、知っているようで意外と知らないCSR経営とCSV経営の違いについてご紹介します。

CSV経営とは?CSR経営との違いやそれぞれの意味を解説

CSR経営とCSV経営の違い

CSR経営とは?

CSRはCorporate Social Responsibilityの略であり、日本語で「企業の社会的責任」という意味になります。CSR経営は、企業や団体にとって社会的に存在する上で果たすべき責任に意識を向けた経営方針であり、一般的にはISO26000(社会的責任に関するガイダンス)などの国際的基準に照らし合わせて責任を果たしていく活動のことです。端的に言いますと、社会や環境への責任として害を軽減したり、ステークホルダーと良好な関係を生み出したりするものです。また、電子機器メーカーが森林再生プロジェクトに取り組んだり、飲料メーカーが文化財保護に協力したりと本業とは無関係の活動も該当します。

CSV経営とは?

一方、CSVはCreating Shared Valueの略であり「共通価値の創造」を意味します。2011年にハーバードビジネススクール教授のマイケル・E・ポーター氏とマーク・R・クラマー研究員が発表した論文「Creating Shared Value(経済的価値と社会的価値を同時に実現する共通価値の戦略)」にて提唱されました。CSVとCSRは社会性に目を向けた事業活動を展開するという点では同じものの、似て非なる概念です。CSVは企業にとって負担になるものではなく、社会問題を自社の強みで解決することにより企業の持続的な成長へと繋げていく差別化戦略です。つまり、CSR経営は「守りの社会貢献活動」でありCSV経営は「攻めの社会貢献活動」ということになります。

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CSV経営の事例

それでは、CSV経営をより具体的に知っていただくために、実際に各企業が取り組んでいる事例をご紹介します。

ネスレ

ネスレでは「生活の質を高め、さらに健康な未来づくりに貢献する」「さらに健康で幸せな生活を実現する」を目標に掲げ、さまざまなCSV活動に取り組んでいます。たとえば、ネスレヘルシーキッズという取り組みでは、幼いころに栄養・健康・ウェルネスに関する知識と実践する力を身に着けることで、生涯を通じた財産になると考えプログラム開始から175万人の児童に教材を提供しています。また、製品パッケージ上の栄養情報表示をより詳しく行うことで、消費者が正し情報を得た上で背品を選択できるよう原材料・栄養面の利点・健康情報・ポーションサイズ(1食あたりの量)などを表示しています。

参考:共通価値の創造 日本での取り組み

伊藤園

日本の飲料市場は年々拡大傾向にあるものの、茶系飲料市場は競争が激しく苦戦が強いられています。また、緑茶飲料の国内茶葉農業では、安価な輸入茶葉との競合や後継者不足などの問題から、遊休農地が増加しています。伊藤園はこうした茶農業の状況を鑑みて、茶産地育成事業を展開しています。これは緑茶の原料となる茶葉の中から高品質なものを安定的に仕入れるという自社目的と、国内の茶産地の育成及び遊休農地の活用という社会的問題への取り組みを両立するCSVプロジェクトです。茶農家と契約し、伊藤園製品茶葉を生産してもらう代わりに茶葉をすべて買い取る契約栽培。そして、遊休農地のある自治体や事業者に対してノウハウを提供し、大規模茶農園を展開してもらうことで茶葉買取を行う新産地育成で成り立っています。

参考:茶産地育成事業

以上の事例のように、CSV経営は企業ごとの強みを生かして社会貢献活動を通じ、企業価値そのものを高めたり最終的な収益拡大等に繋げたりするための取り組みとなります。

CSV経営のメリット

では、企業がCSV経営に取り組むメリットとは何でしょうか?ここまでの説明の中で企業価値の向上や収益拡大などのメリットがあることは分かります。しかし、CSV経営へ取り組む意義はそれだけではありません。それを知るためには、ポーター教授が1991年に発表した「ポーター仮説」を説明する必要があります。

ポーター仮説とは、「適正な環境規制を持つ地域の企業は、規制を実施していない地域の企業よりも競争力の面で上回る」「規制が企業の効率化や技術革新を促しいてる」という、企業競争力についての仮設です。

日本最初の公害である足尾鉱毒事件、1960年代後半の高度経済成長期における4大公害により公害対策基本法が制定され、1971年には環境庁が発足します(2001年の省庁再編成で環境省へ格上げ)。この頃から企業の社会的責任が強く問われるようになり、環境規制が急速に強化されていきます。

各企業はこれら社会問題を解決するニーズに対応するという形で、環境技術のイノベーションを起こし続け、先進的な環境技術や省エネ技術を次々に生み出しました。これは、企業の社会的責任という枠を超えて、社会的価値のある環境技術が新しいビジネスを創出し、その後は日本企業の競争力の源泉にもなっています。

つまり、CSV経営は単に企業価値向上や収益拡大を実現するだけでなく、社会問題・環境問題に取り組む中でイノベーションを創出する源泉となり、社会と企業が共存する新しい資本主義を実現するというのが最大のメリットです。

CSV経営を意識した事業活動を

いかがでしょうか?CSV経営を意識することで、企業が得られるメリットや社会・環境が解決できる問題は多く、以前にも増して重要だと考えられています。これからのビジネスでは、CSV経営を意識しながら事業活動を展開し、社会貢献活動を通じてイノベーションの促進や新しいビジネスの創出等を検討してみましょう。

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