法人設立時に考えたい法人の種類、株式会社と合同会社の違いとは?

 2020.04.16  クラウドERP編集部

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新しく事業を起こす際に、まずは会社の設立が必要です。しかし、その会社設立ですが検討すべき会社の種類が複数あることをご存知でしょうか?一般的に「○○○○株式会社」というように株式会社が最初に思い浮かぶでしょうが、それ以外にも合同会社(LLC)、社団法人、財団法人、NPO法人などが存在します。

一般的な営利活動を行う法人は株式会社か合同会社を選択することになります。他にも、合名会社や合資会社といった選択肢もありますが、これらは無限責任といって会社に万一のことがあった際に、投資した金額を超える責任を負うことになります。そのため法人設立時に合名会社や合資会社を選ぶのは極めて稀なケースです。

一方、株式会社と合同会社は有限責任といって、投資した金額以上の責任を負うことはありません。法人設立の選択肢としてよりリスクが少ないので、ほとんどの方がいずれかの法人を選択します。

そこで本記事では、法人設立時に考えたい法人の種類の中で、株式会社と合同会社の2種類を中心にその違いをご紹介します。

法人設立時に考えたい法人の種類、株式会社と合同会社の違いとは?

株式会社と合同会社、根本的な違いは株式が発行されるか否か

株式会社は文字通り、株式を発行して事業活動を行うことができます。一方、合同会社に株式という概念は存在しません。これが株式会社と合同会社の根本的な違いです。

株式とは上場市場において会社の株を発行し、出資者を募ることで資金調達が行えます。もちろんすべての会社が株式を発行できるわけではありませんが、株式会社でなければ株式による資金調達は不可能です。合同会社では持ち分という形で、自身が出資した分の権利を所有することになります。

会社が資金調達をする際は、大きく分けて3つの方法があります。

1つ目は金融機関からお金を融資してもらう方法です。要するに銀行等から借金をして資金を調達し、事業活動に充当します。借りたお金はもちろん返さなくてはいけませんし、返済のときには利子が付きます。株式会社も合同会社もこれは同じことです。

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2つ目は社債を発行して投資家や他の企業からお金を借りる方法です。金融機関からの融資と同様に、利子を含めて借りたお金を返済しなければいけません。これも、株式会社も合同会社も同様になります。

そして3つ目は、株式を発行して広く出資者を募る方法です。日本では札幌・東京・名古屋・福岡の4か所に証券取引所があり、それぞれの複数の株式市場が存在します。東京証券取引所なら東証一部、東証二部、マザーズ、JASDAQ(ジャスダック)の4市場において株式が取引されています。いずれかの株式市場に上場できれば、株式を発行してそれを投資家に投資してもらうことで資金調達が行えます。しかも、株式によって調達した資金は返済義務がないため、経営に専念できるのがメリットです。ただし分配や株主優待という形で利益の一部を株主に返還するのが基本です。合同会社では、こうした株式を使った資金調達ができません。

2つ目に紹介した資金調達方法の中には、ベンチャーキャピタルと呼ばれる投資会社から資金を調達するという選択肢があります。しかし、ベンチャーキャピタルは未上場企業が株式市場へ上場した際に値上がり利益(キャピタルゲイン)を狙っているので、合同会社はそもそも投資対象にならないのが基本です。

このように、株式を発行できるか否かにより、株式会社と合同会社は資金調達面で大きな違いがあります。将来的に株式上場を目指したり、あるいは広く資金調達を募ったりするような可能性があるならばやはり株式会社が有利になるでしょう。

法人設立時にかかる費用の違い

そもそも、一定規模から事業を大きくするつもりはないから、株式発行などは最初から想定していないという起業家の方も多いでしょう。そこで気になるのが、株式会社と合同会社、法人設立時にどのような費用の違いが生じるかでしょう。

まず、法人設立時には定款認証と法人登記という2つの作業が必要です。定款認証とは、会社の憲法とも呼ぶべき定款(ていかん)について、その効力を発効させるために公証役場で公証人からの認証を受ける手続きのことです。この定款認証には5万円の費用と、定款に貼る収入印紙代4万円、それと謄本交付料が約2,000円かかります。合同会社では定款認証が不要なので、公証役場での証人に必要な5万円の費用がかかりません。ちなみに、電子定款を作成すれば収入印紙は不要です。

法人登記は法務局で必要な書類を提出し、法人としての登録を行います。その際に必要になる費用が法人登記税15万円です。ただし、資本金の0.7%がこれを超えるようならばその金額が法人登記税として徴収されます。合同会社の場合、法人登記税は6万円です。

このように、株式会社と合同会社とでは法人設立にかかる費用が異なり、やり方によっては10万円以上の差が生じます。

合同会社には決算公告の義務がない

株式会社では決算公告といって、最終事業年度に係わる経営情報を広く一般的に知らせる義務が課せられています。単純な決算情報だけでなく、会社の合併や組織変更、資本金の増減、会社の解散などの情報を公告しなければいけません。決算公告として公表しなければいけない情報は会社の規模等により違います。会社法第2条第6項に定められている大企業では、賃借対照表と損益計算書の両方の書類を公表する義務があります。

大企業の条件
  • 最終事業年度に係る貸借対照表に資本金として計上した額が5億円以上であること
  • 最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が200億円以上であること

大企業の場合は、賃借対照表のみ公表する義務があります。ただし、実際に決算公告を正しく行っている企業は数パーセントのみです。決算公告の義務を果たさない場合の罰則は設けられていますが、実際に罰則を科せられた例はかなり少ないようです。

では、合同会社の場合はどうでしょうか?実は決算公告の義務はなく、実施するか否かは完全に自由ということになっています。ただし、取引先からの信頼を獲得するという面で考えれば、会社の経営状況が明らかになっている方が良いことは確かです。なので、合同会社だからといって決算公告が不要というわけではないので注意してください。

株式会社と合同会社、どちらを選ぶべきなのか?

株式会社を選ぶケースはやはり、将来的に事業を大きくして株式市場への上場を目指す場合やM&Aなどを積極的に行い事業拡大を行うケース、また、将来的に事業売却なども念頭にしているケースです。ベンチャーキャピタルによる資金調達を想定する場合にもやはり株式会社の肩書が必要になります。

一方、設備投資などに大きな費用を必要としない事業、デザイナー、コンサルタントなどの無形技術やノウハウが中心となる事業の場合は、合同会社が向いているケースが多いでしょう。資金調達や法人格の知名度がデメリットにならない分野でも合同会社が向いていることがあります。

どの法人設立を選ぶかは、今後起こそうとしている事業内容を改めて整理して、中長期的な経営計画を立てた上で検討することが大切です。合同会社から株式会社に移行することも可能ですが、その分手間と費用がかかりますので、将来的に株式会社へ移行する可能性があれば最初から株式会社を選択しておくことをおすすめします。

国内クラウドERP利用実態調査レポート:矢野経済研究所

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