法人設立か個人事業主か、その判断基準を紹介

 2020.04.16  クラウドERP編集部

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これから事業を起こそうと考える中で、多くの人が「会社組織として法人設立するか?あるいは個人事業主として事業を起こすか?」と考えます。その答えは、どの様な事業を行うかなどによって正解は変わりますし、どちらが良いとは言い切れません。そこで本記事では、法人設立か個人事業主か、その判断基準となる情報をお届けします。

法人設立か個人事業主か、その判断基準を紹介

会社設立のメリットとデメリット

法人設立か個人事業主か?この問題をハッキリさせるのにまず大切なことは、法人設立のメリットとデメリットを知ることです。法人設立の方がビジネスの幅が広がるという一般的なイメージがあり、それは紛れもない事実です。しかし、法人設立にはメリットもあればデメリットもあります。まずはこれらを一緒に確認していきましょう。

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法人設立のメリット

メリット1. 対外的な信用が得られる

法人設立では商号・住所・目的代表者・資本金・役員などの登記が行われます。そのため、個人事業主よりも対外的な信用を得やすいでしょう。大企業などは実績があっても個人事業主へ仕事を発注しないケースが多いことを考慮すると、ビジネスチャンスはやはり法人設立の方が格段に増加します。

しかし、注意しなければいけないのは、株式会社も資本金1円から設立できるため、法人設立だからといった信用があるとは限らない点です。大切なのはあくまで本人の能力・信用となります。ただし、同じ事業を起こすのであれば法人の方が信用を得やすいことは確かです。また、株式会社という肩書が加わるだけで取引先の印象は変わります。

メリット2. 税制面における節税効果が大きい

個人事業主は所得が増えるほど税率が高くなる累進税率です。一方、法人税は利益が増えても原則一定税率なので、売上が大きければ法人税で税金を支払う方が有利になります。また、法人の方が経費にできる費用項目が増加するので、節税効果が大きくなります。

個人事業の場合は、売上から必要経費を差し引いた残り全部が自身の所得になり、法人は社長である自分に給与(役員報酬)を支払うという形式になります。役員報酬を含めて給与として支給されるお金は、会社の売上から必要経費を差し引いた残りの金額から、さらに給与所得控除と呼ばれる役員報酬の一定割合を必要経費とみなして所得から差し引くことができ、一般的に法人設立の方が、税金が安くなるケースが多いでしょう。

メリット3. 個人事業主よりも資金調達が簡単

事業拡大等で資金が必要になるとき、金融機関との融資交渉では法人の方がやはり有利になります。さらに、融資以外での資金調達の可能性もあります。個人事業主の場合、家計と事業の区別があいまいであり、青色申告で満額の控除を受ける場合に賃借対照表の添付が免除されています。このため、金融機関は融資審査の際に、どれくらい貸し付けても平気なのかの判断に悩むのです。

一方、法人の場合は財務管理が厳格であり、損益計算書と賃借対照表が作成されますので、明確な融資判断ができ広く資金調達できる可能性が高くなります。

メリット4. 優秀な人材を引き込むチャンスがある

雇用が不安定になる中、求職者は常に安定した雇用を求めています。そのため、個人事業主の下で働くよりも、会社の正社員として働きたいと考える求職者が大半です。特に、優秀な人材が個人事業主へ就職するケースはほぼ無いので、やはり法人化する方が人材確保の面でも有利になります。

メリット5. 決算日を自由に設定できる

個人事業の事業年度は1月~12月と決められています。一方、法人の場合は決算日を自由に設定できるため、繁忙期と決算期が重ならないように年間を通じて業務量の平準化を図ることも可能です。

メリット6. 個人資産の差し押さえを受けない

個人事業主は借入金、仕入先への未払いなどは事業主が返済しなければいけません。一方、法人は出資の範囲内での責任に留まるため、たとえ会社が破産した場合でも形式的に個人に返済義務はないのです。ただし、中小企業の場合は金額の大きな仕入代金や決済、金融機関の借り入れについて経営者個人が連帯保証人になることが求められるケースが多いため、このような場合では個人としての返済義務が発生します。

法人設立のデメリット

デメリット1. 法人設立と運営に時間・コストがかかる

法人設立には定款の作成、登記申請など個人事業主に比べて時間と費用がかかります。株式会社を設立する場合は登記が必要なので、最低でも20万円の費用が要ります。また、資本金を用意する必要もあり、対外的な信用を得るには一定の金額を用意しなければいけません。毎年税務申告を行う際は、たとえ会社が赤字であっても法人住民税の均等割は支払う必要があります。

デメリット2. 社会保険への加入が義務付けられている

法人設立した場合、経営者1人だとしても社会保険(健康保険と厚生年金保険)への加入が義務付けられています。社会保険の保険料は、国民健康保険と国民年金に加入する場合と比べて高額になります。例えば、所得が月40万円の場合、個人事業主ならば国民健康保険料は月5万円程度、国民年金保険料は月1万5,000円程度です。一方、法人ならば健康保険料が月3万8,000円程度、厚生年金保険料は月6万4,000円程度になります。社会保険料は会社と半分ずつ負担することになります。ただし、厚生年金は国民年金に比べて年金額を多く需給できるので、一概に損なわけではありません。

デメリット3. 事務負担が増加する

法人は厳密な会計ルールの従った会計処理が行われます。そのため、個人事業主に比べて事務負担が増加することは確かです。税金申告においても、個人事業の所得税より法人税の方が複雑であり、税理士・公認会計士などの専門家に依頼しないと時間が多くかかってしまいます。

個人事業でも専門家に依頼するケースはありますが、法人よりも依頼費用は安くなります。また、社会保険や労働保険の手続きも発生し、株主総会の開催や役員変更登記などが法律上求められるので、個人事業に比べると事務負担は増加する傾向にあります。

デメリット4. 会社のお金は自由に使えない

個人事業の場合、事業によって得たお金はすべて所得として扱うため自由に使うことができます。しかし、法人では会社の財産と個人の財産は区別されるので、経営者といえども会社のお金を自分のために使うことはできません。また、会社からお金を借りる場合には金銭消費賃借契約書を会社と交わし、利息を支払う必要があります。

法人設立と個人事業主、どちらがよいのか?

第一に基準となるのがやはり今後どの様にしたいかです。事業を拡大したい場合には法人設立が良いでしょう。そして、次に「所得」です。前述のように、所得金額によっては法人の方が、節税効果が高くなります。そのため、事業における所得がどれくらいか?を明確にすることが大切です。ただし、事務作業が増大するため一概に法人が良いとは限りません。事業拡大をする予定が無い場合は、多少税率が高くても個人事業主で届け出した方が、トータルコストが安く済むケースが多いでしょう。

法人設立か個人事業主かは、本記事でご紹介した内容を参考に、慎重に選んでいただきたいと思います。

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