中小企業の経営者が知っておきたい訪日外国人の推移と消費動向

 2020.01.17  クラウドERP編集部

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日本のインバウンド需要は東京オリンピック・パラリンピックを機に過去最大に達すると言われており、それを肌で実感しているビジネスパーソンも多いかと思います。都内の主要観光地である浅草では、視界に入る人の半分とまではいかないものの、常に訪日外国人の姿が目に飛び込んでくるほどです。

当然のことながら中小企業の経営者たちは、このインバウンドの需要を最大限に活かすために策を講じるべきです。本記事では、JNTO(日本政府観光局)や国土交通省官公庁らが発表しているデータを参考にしながら、訪日外国人の推移と消費動向について紹介します。ぜひ、貴社の戦略の参考にしていただければ幸いです。

訪日外国人の数はどれくらい?

日本のインバウンド需要のほとんどは、訪日外国人による消費やレジャー・観光施設の利用です。では、日本にはどれくらいの外国人が毎年やってくるのでしょうか?このデータを公開しているのが、JNTOの資料です。JNTOが発表しているデータから、年間累計訪日外交人数を抜粋して表にまとめてみました。

 

 

累計

前年比

2019

29,355,700

94%

2018

31,191,856

108%

2017

28,691,073

119%

2016

24,039,700

121%

2015

19,737,409

147%

2014

13,413,467

129%

2013

10,363,904

123%

2012

8,358,105

134%

2011

6,218,752

74%

2010

8,611,175

126%

2009

6,789,658

81%

2008

8,350,835

100%

2007

8,346,969

113%

2006

7,334,077

109%

2005

6,727,926

109%

2004

6,137,905

117%

2003

5,211,725

-%

参考:JNTO『国籍/月別 訪日外客数(2003年~2019年)

上記の表をご覧いただくと分かる通り、訪日外国人の数は2003年から2019年にかけて大幅拡大傾向にあり、この17年間で5.6倍以上に増加しています。2008年のリーマンショック直後と2011年に東日本大震災が起きた年では一時的に訪日外客数が減少していますが、その後は順調に拡大し、2018年にはいよいよ3,000万人を突破しました。

参考としてJNTOが発表している米国の基礎データと比較すると、米国の2018年外国人訪問者数は76,941,000で日本の約2.4倍にあたります。しかし、米国の人口は日本の約2.6倍であり、国土にいたっては日本の26倍もあります。つまり、外国人訪問客を受け入れるキャパシティーは日本よりも圧倒的に大きく、文化も発達しているにもかかわらず日本のわずか2.4倍しか外国人訪問客がいません。

出典:JNTO『米国の基礎データ

 

このことを考慮すると、日本のインバウンド需要は世界的に見て非常に大きなものであり、日本は名実共にグローバルに認められる観光立国として成長していると言えます。

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外国人旅行者の消費動向

次に、国土交通省官公庁が発表している資料から、外国人旅行者の消費動向を整理していきます。

 

2019年1~9月期までの調査結果(速報)では外国人旅行者の旅行消費額が、1~3月期・1兆1,182億円、4~6月期1兆2,810億円、7~9月期・1兆2,000億円となり、9月期までの合計は3兆6,189億円で過去最高額をマークしています。ちなみに2018年度全体の旅行消費額は4兆5,189億円なので、2019年度全体では前年比増になると見込まれています。

出典:『2019年1-3月期の全国調査結果(1次速報)の概要』『2019年4-6月期の全国調査結果(1次速報)の概要』『2019年7-9月期の全国調査結果(1次速報)の概要』『訪日外国人の消費動向 2018年年次報告書

 

そしていずれの時期においても、日本の外国人旅行客のうち旅行消費金額が最も高い国は中国です。2019年1~9月期までの訪日中国人旅行客の旅行消費金額の合計は1兆3,778万円となり、全体の30%を占めています。最近では中国人の「爆買い」が落ち着きを見せていると考えられていますが、訪日中国人観光客による消費は依然として多く、最近ではブランド物を買い漁るのではなく、レジャー施設や観光施設にお金を費やす中国人が増えているとのことです。

ただし、外国人旅行客1人あたりの旅行支出額に着目して見てみると、中国人がトップというわけではありません。

 

<外国人旅行客1人あたりの旅行支出額ランキング(2019年7~9月期)>

  1. フランス:252,117円
  2. スペイン:227,362円
  3. オーストラリア:215,419円
  4. イタリア213,455円
  5. 中国:209,168円
  6. 米国:197,979円
  7. ドイツ:191,245円
  8. ベトナム:190,941円
  9. 英国:177,330円
  10. ロシア:177,116円

 

トップはフランスで中国は5位という結果でした。日本と親交の深い米国は6位、そして東南アジアで唯一トップ10としてベトナムがランクインしています。

ベトナムといえば日本のオフショア開発先として知られており、現地に工場を持つ日本企業も多数存在します。しかし、現在ではIT人材育成へ強く力を注いでおり、ベトナムには優秀なプログラマーが多数いると言われています。さらに、現地の人件費は年々増加し単なる発展途上国とは言えない国家に成長しつつあります。

 

外国人観光客に関するデータをどう見るべきか?

東京オリンピック・パラリンピックが開催される今年、外国人観光客数およびインバウンド需要が最大化することは間違いありません。そこにビジネスチャンスを見出している企業も多いでしょうが、本記事で紹介したようなデータをどう見ればよいのでしょうか?

まず着目すべきは、これら外国人観光客の数と旅行消費額の推移を見て、インバウンド需要が日本経済全体にどういった影響を与えるのかという点です。「インバウンド需要=外国人旅行者の消費」と考えるのは早計であり、その影響範囲を正確に知ることが重要になります。

その上で、各国の訪日外交人数や旅行支出額などに着目しながら、外国人旅行客全体を相手にしたビジネスではなく、特定の人種や、特定の目的を持った人に向けて商品やサービスを展開するのがセオリーではないかと思います。

また、東京オリンピック・パラリンピック開催後に引き延ばされるインバウンド需要にも着目し、大会開催後にも訪日しそうな外国人について調査した上で、長く継続できるインバウンドビジネス戦略を立てることも重要です。本記事でまとめたデータを活かし、独自にビジネス戦略を立てていただければ幸いです。

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