在宅勤務やテレワークの労務管理はどうすれば良い?

 2020.05.13  クラウドERP編集部

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新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大防止を目的として緊急事態宣言が発令されてから、在宅勤務などのリモートワーク環境を急速に整える企業が増えています。このため、テレワーク実施に対して労務管理が追い付けていないという企業もまた多いのではないでしょうか?

労務管理は社員の労働環境や労働時間などを管理する上で欠かせない要素ですので、テレワークに合わせた新しい管理方法・項目を検討する必要があります。本記事では、テレワーク時の労務管理はどうすればよいのかを具体的に明示していきます。

在宅勤務やテレワークの労務管理はどうすれば良い?

よくある疑問:テレワーク実施時でも労働基準法は適用されるのだろうか?

1日・1週間の労働時間や時間外労働などについて規定している労働基準法。オフィスで仕事をしている際は常識であったこの規定は、果てしてテレワーク実施にも適用されるのか?答えはYES。在宅勤務やモバイルワークなどその形態を問わず、テレワーク実施時においても労働基準法などの労働関連法律が適用されます。ちなみに、在宅勤務の場合は次の事項に留意しなければいけません。

1. 労働条件の明示

企業は労働契約締結に際し、労働基準法施行規則5条就2項に従い事業の場所を明示する必要があります。このため、在宅勤務の場合は就業場所として従業員の自宅を明示しなければいけません。

2. 労働時間の把握

企業は従業員の労働時間を正確に把握するために、従業員の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、これを記録する必要があります。なお、働き方改革関連法案の思考により労働時間の客観的把握の義務が強化されています。

3. 業績評価・人事管理などの取り扱い

在宅勤務社員の業績評価や人事管理については、オフィスへ出社する従業員と異なる制度を用いる場合、その取扱い内容を丁寧に説明しなければいけません。また、労働基準法89条2項に従って就業規則の変更手続きが必要です。

4. 通信費・情報通信機器などの費用負担

在宅勤務では企業側が通信費や情報通信機器などの費用負担をしなければいけないというルールは無いため、事前に決定する必要があります。在宅勤務社員に通信費や通信情報機器などの費用負担をさせる場合は、就業規則に規定する必要があります。

5. 社内教育の取り扱い

在宅勤務社員について、社内教育や研修制度に関する定めをする場合でも、その事項を終業規則に規定する必要があります。

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テレワーク実施時の労働時間管理の方法

テレワークでは、従業員がいつもとは違う勤務環境で就業することになります。このため労務管理で最も大切なのが、労働時間の管理方法です。在宅勤務に移行してから労働時間を上手く管理できずに、想定以上の労働時間に達しているケースは少なくありません。その場合も時間外労働手当は必要ですし、時間外労働の上限規制に達しないよう注意する必要があります。労働時間管理でポイントになるのが、「始業・終業時刻の管理」と「業務時間中の在籍確認」です。

始業・終業時刻の管理

在宅勤務者などの労働時間を管理するにはまず、始業・終業時刻を管理し、報告や記録の方法をあらかじめ決める必要があります。主な方法はEメールや電話による始業・終業時刻の報告や、勤怠管理ツールを導入して始業・終業時刻をシステム上で打刻してもらう方法です。

それと、ウェブ会議ツール等を利用して常時通信可能な状態にし、始業・終業時間を管理できるようにする方法があります。

業務時間中の在籍管理

テレワーク実施時は始業・終業時間を管理することよりも、業務時間中の在籍確認を確実に行うことが大切です。「勤怠管理が難しい」という管理者の不安、「さぼっていると思われるのではないか?」「評価が下がるのではないか?」という在宅勤務者などの負担を軽減するためです。

主な方法はウェブ会議ツールを使用して常時在籍が確認できる状態を整えることや、勤怠管理ツールを使って在籍時の打刻を行うことです。管理者にとって在籍状態や勤務姿勢がはっきりと目に見えるようにすることが、管理者と在宅勤務者の不安を解消してくれます。

在宅勤務の場合も「事業場外労働のみなし労働時間制」が利用できる

「事業場外労働のみなし労働時間制」とは、原則として就業規則で指定した就業場所以外の場所で仕事をする際に、「所定の労働時間働いた」とみなして給与計算する制度です。たとえば所定の労働時間が8時間ならば、実際に働いた時間が8時間を割ろうと超えようと、1日8時間分の給与が支払われることになります。労働基準法38条2項に従い、在宅勤務などのテレワークを実施する際もこの制度を適用できます。ただし、これには一定の要件を満たす必要があります。

「事業場外労働のみなし労働時間制」適用の要件

  1. テレワークが起居寝食など私生活を営む自宅で行われること
  2. テレワークで使用しているパソコンが企業側の指示により、常時通信可能な状態を取っていないこと
    (ア) 「パソコンが企業側の指示」とは、在宅勤務社員が自分の意志で通信可能な状態を切断することについて、企業側から認められていない状態。
    (イ) 「通信可能な状態」とは、企業側が在宅勤務社員に対してパソコンなどの情報通信機器を用いて、Eメールや電子掲示板などにより随時具体的な指示を行うことが可能であり、なおかつ企業側から具体的な指示があった場合に従業員がそれに即応しなければならない状態。
  3. テレワークが随時企業側の具体的な指示にもとづいて行われていないこと。
    (ア) 「随時企業側の具体的な指示にもとづいて行われていないこと」は、例えば目標や期限などの基本的事項を支持することや、これらの基本的事項について変更を指示することは含まれていない。
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テレワーク実施中に要した通信費・水道光熱費などの費用負担について

テレワークにかかわる費用負担区分は、テレワークを導入する前に通信費や光熱費などの負担について明確なルールを作り、従業員に対して丁寧に説明する必要があります。労働基準法89条1項5号では、「労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項を就業規則に定めなければならない。」と規定されているため、必要に応じて就業規則を変更します。主に、次のような費用が発生すると想定できます。

1. 情報通信機器などの費用

テレワーク実施時は、パソコン本体や周辺機器、携帯電話やスマートフォンなどを企業が貸与しているケースが多く、その場合は基本的に全額会社負担となるところが多いでしょう。

2. 通信回線費用

在宅勤務では自宅ブロードバンド回線の工事費、基本料金、通信回線費用が発生します。ブロードバンド回線の工事費については基本的に個人負担、基本料金や通信回線費用については業務と私用の切り分けが難しいため、一定額を会社が負担するケースが多いでしょう。

3. 文具、備品、宅配便などの費用

文具などの消耗品については企業が購入したものを使用するケースが多いようです。切手や宅配メール便などは事前に配布できるものは従業員に渡しておき、企業宛ての宅配便などは着払いで対応できます。

4. 水道光熱費

水道光熱費は業務と私用の切り分けが難しいため、テレワーク勤務手当として支払っているケースが多いでしょう。

テレワークの労務管理を見直そう!

テレワーク実施時は、オフィスで仕事をする環境と異なる点が多いため、新しい労務管理の確立が必要です。その際に、本記事でご紹介した内容が少しでもお役に立てば幸いです。

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