労務管理とは?具体的な内容について解説

 2020.02.05  経営者実践ポータル編集部

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ビジネスの国際化と市況の激動によって、日本の労務管理に対する考え方が大きく変化しています。労務管理とは、労働に関する事務一般を管理するための仕事です。主に、以下のような業務を領域とします。

1. 従業員の募集及び採用

2. 配置、異動

3. 教育訓練

4. 人事考課、昇給、昇進

5. 賃金や労働時間の管理

6. 労働環境の整備

7. 入社から退職まで

このように、労務管理は人事の業務領域と重なっている部分も多いため、まとめて人事労務管理と呼ぶこともあります。ただし、労務は従業員の労働に関わり手続きや処理などを中心とし、人事は人材を評価することを中心としているため、組織規模が大きくなると労務と人事が細分化されるケースがほとんどです。

労務管理を単なる情報管理業務と思われている方も多いかもしれません。しかしながら、時代の変化と共に労務管理の役割も大きく変化し、今では事業戦略に直接かかわるほどの存在となっています。企業は人材が全てであり、その人材のパフォーマンスを最大化することで企業は成長できます。そのため労務管理の役割は大きく経営者としても無視できないと考えるのが適切です。それでは、労務管理の具体的な内容について解説していきましょう。

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労務管理の業務一覧

まずは、労務管理における業務内容を一覧で紹介します。

1. 労働契約と労働条件の通知

2. 使用期間の決定

3. 入退社時の行政手続き

  • 健康保険と厚生年金保険の加入
  • 健康保険と厚生年金保険の資格喪失
  • 雇用保険の加入
  • 雇用保険の資格喪失
  • 社会保険の任意継続

4. 就業規則および社内精度・ルールの整備

5. 就業規則の周知徹底

6. 就業規則以外の規定整備

7. 従業員の給与計算

8. 年末調整

9. 勤怠管理・労働時間管理

10. 時間外労働管理

11. 法定三帳簿の整備

  • 労働者名簿
  • 賃金台帳
  • 出勤簿

12. 従業員のライフイベント管理

  • 引っ越しや結婚の手続き
  • 産休、育休の手続き
  • 介護休業の手続き

13. 健康診断などの安全衛生管理

14. メンタルヘルスケア

15. ハラスメント防止対策

  • 暴行、傷害などの身体的攻撃
  • 脅迫、名誉毀損、侮辱など精神的攻撃
  • 隔離、仲間外れ、無視など人間関係からの切り離し
  • 業務上不要なことや遂行不可能なことの強制
  • 過大要求など仕事の妨害
  • 業務上の合理性が無く、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じること
  • プライベートなことに過度に立ち入ること(プライバシーの侵害)

16. マイナンバー管理

このように整理してみると、労務管理の業務は意外と多く、従業員が心地よく働ける環境を整えるためにとても重要であることが分かります。実際に、労務管理は「労働環境を改善する」という観点から事業戦略に大きくかかわっていることに気づくのではないでしょうか。

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労務管理の役割とは?

冒頭で「労務管理の役割が変わってきている」と説明しました。具体的にどう変わってきているのでしょか?

バブル経済が弾けるまでの労務管理の特徴といえば、年功序列の賃金制度、終身雇用、労働組合の3つでした。戦後の日本を立て直した団塊の世代と呼ばれる人々は、まさにこの日本独特な労務管理のもと日本経済を成長させてきたと言えます。日本企業の丁寧かつ細やかな対応をする労務管理は、入社から退職まで安心して仕事ができる環境を提供することに注力し、組合では社員が団結することで勤続年数と相乗した給料も上がりました。

こうした労務管理が日本経済の成長を促す要因になったことは間違いありません。従業員は会社全体を1つのファミリーと考え、給与以上の働きをすることに疑問を抱かず、身を粉にして働き続けた結果です。しかし、バブル経済が弾けたことで大量リストラが起こり、それまでの労務管理に対する信頼性は崩れます。

さらに、ビジネスの国際化に伴い、海外の先進企業と対等に渡り合うために日本企業の多くの労務精度を見直し、年功序列の賃金制度ではなく若くてもスキルと才能があれば積極的にチャンスを与える成果主義へと労務管理を変化させていきます。

そしてすべての日本企業が抱える大きな問題が「労働人口減少による労働者不足」です。日本の少子高齢化は止まることを知らず、このままいけば2065年には現在の6割程度の水準まで労働力人口が減ると言われています。つまり、優秀な人材を確保することが難しくなり、かつそうした人材が一定の企業や外資系企業へ流れて行ってしまう可能性が非常に高いのです。

労務管理はそうした人材不足問題を解決するために、従業員にとって働きやすい環境やしっかりと評価される環境を整え、人材流出を防ぎつつ、新しく優秀な人材を引き入れるための活動を続けなければいけません。こうした様々な事柄から、労務管理に対する考え方は今までと一変しているのです。

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労務管理担当者が注意すべきこと

次に、労務管理を行う上で担当者が注意すべきことについて紹介します。

1. 労働環境に関する基本法令を理解すること

労務管理担当者の必須スキルとして欠かせないのが、労働基準法や労働組合法などさまざまな法令に対する十分な理解です。労働基準法は労働環境の変化に合わせて継続的に改正されていますし、最近では働き方改革関連法案が施行されたことで、今後は労働基準法の内容が段階的に改正されていきます。労働管理では法改正に合わせてスピーディな対応が求められるため、以上の法律に関する知識を経営者は理解することが重要です。労務管理専門の仕事をしていると「社会保険労務士」や「マイナンバー検定」などの資格取得が目指しやすくなるので、担当の社員がいる場合にはキャリアアップのために挑戦させてみるのも良いでしょう。

2. 従業員の情報管理を徹底すること

労務管理では、従業員の個人情報や社内規定などの情報を数多く扱います。最近では紙の書類よりも電子データを扱うことが多くなっており、業務システムにおける情報管理も重要です。従業員に関する情報が適切に管理されず、情報漏えいなどが万が一にも発生すれば会社の信頼問題にかかわります。まずは情報管理が適切に行われているかを見直した上で、セキュリティ機能の強化やシステムの新規導入を検討していきましょう。

3. 常に改善意識を持って活動すること

昨今の労務管理担当者に最も求められているのが、「労働環境の効率的な改善」です。労働環境を実態に即した状態で改善することは、従業員のモチベーションを向上することに繋がり、最終的には企業の利益へ反映されます。労働環境の管理をするだけでなく、より効率的かつ生産性を高く業務を行えるように、労働環境におけるも問題点を発見し、整理し、ビジネスに実態に即した状態に正していきます。そのため労務管理担当者は常に改善意識を持ち、改善活動に努めることが重要です。

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