従業員が退職する際の社会保険や税金などの手続き

 2020.02.05  経営者実践ポータル編集部

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従業員が退職する際は、さまざまな手続きを行ったり、書類を作成したり、いくつかの書類を退職者に渡す必要があります。本記事では、そうした退職時の手続きや書類について解説していきます。新米人事担当者の方や経営者が「退職時に必要な手続きって何だっけ?」と忘れてしまった時に参考にしてください。

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社会保険、雇用保険の脱退手続き

従業員が入社した際は、まず社会保険と雇用保険の加入手続きが必要でした。それと同じく、従業員が退職する際は社会保険と雇用保険の脱退手続きを速やかに行わなくてはいけません。具体的な手続き内容は以下の通りです。

社会保険

社会保険の脱退手続きでは、事業所を管轄している年金事務所において、退職した日から5日以内に、健康保険・厚生年金被保険者資格喪失届を提出します。その際は、退職者本人と扶養家族の分の健康保険証を添付するのが必須です。

健康保険は、退職した日まで2ヵ月以上継続して被保険者期間がある場合、2年間を限度に任意継続できます。任意継続する場合は、事業所と従業員で折半となっていた保険料が全額従業員負担となりますので注意してください。健康保険組合の健康保険の任意継続を希望する場合、退職者本人が資格喪失日となる退職日から20日以内に健康保険組合に加入申請を行わなければいけません。

そのため、人事担当者としては退職することで社会保険非加入になることや、希望があれば健康保険を任意継続できることを通知する必要があります。

雇用保険

続いて雇用保険の脱退手続きは、事業所を管轄しているハローワークにて退職した日から10日以内に、雇用保険被保険者資格喪失届、雇用保険被保険者離職証明書を提出する必要があります。

雇用保険被保険者離職証明書は失業給付の給付額の決定に必要な書類です。次の就職先が決まっているケースでは、従業員が離職票の交付を必要としないため提出は不要になります。しかし、退職者が59歳以上である場合には、離職票の交付が義務付けられています。

雇用保険被保険者離職証明書はハローワークで入手しておきます。離職理由についての確認を行い、退職者が記名押印、あるいは署名する欄がるので早めの準備をおすすめします。離職票の交付が必要ない場合には、添付書類はありません。逆に必要な場合には、出勤簿や賃金台帳、離職理由を証明するための退職届などの書類添付が必要になります。

社会保険の脱退手続きは退職日から5日以内と短いので、処理漏れが無いように注意してください。

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所得税、住民税関連の手続き

次に、所得税と住民税関連の手続きについて解説します。従業員が入社した場合は、労働基準法では社会保険と雇用保険の加入手続き以外に、所得税や住民税の手続きを実施する必要があります。退職する際も同じように手続きが必要になるので、忘れずに対処しましょう。

所得税

所得税は源泉徴収票に、給与や賞与の支払額や控除した社会保険料などをもとにして、退職月までに源泉徴収している所得税を記載しなければいけません。

住民税

住民税を給与から天引きする特別徴収を行っていた場合、給与支払報告に関わる給与所得移動届書を、退職する従業員が居住する市区町村に、退職日の翌月10日までに提出しなければいけません。提出を怠ると市区町村から督促状が届くのでご注意ください。

給与支払報告に関わる給与所得移動届書を提出するまでの期間はある程度長いため、提出し忘れが多い書類です。翌月10日までと思わずに、退職日から速やかに手続きできるよう徹底しましょう。

従業員の退職時に回収するもの付与するもの

従業員が退職する際は、会社として回収するものと従業員に付与するものの両方があります。いずれも重要なので忘れずに回収・付与しましょう。

回収するもの

従業員が退職する際は、社員証など会社が貸与していたものをすべて回収しなければいけません。主な回収物は以下の通りです。

(1) 社員証や身分証明書

(2) 健康保険被保険者証

(3) 制服(ユニフォーム)

(4) 社用の携帯電話

(5) 社用のノートパソコン・タブレット

(6) 福利厚生として貸与していたOfficeライセンス

(7) その他会社のお金で購入したもの

健康保険証は扶養親族分も含めての回収が必要です。健康保険の任意継続を行う場合でも健康保険証は変更となるため、任意継続の手続き後に新しい健康保険証が発行されます。

付与するもの

従業員が退職した際は、退職月までに支払った給与や賞与、控除した社会保険料などを記載した源泉両集票を作成して、1ヵ月以内に交付しなければいけません。退職時の主な付与物は以下の通りです。

(1) 離職票

(2) 雇用保険被保険者証

(3) 年金手帳

(4) 健康保険被保険者資格喪失確認通知書

(5) 源泉徴収票

健康保険被保険者資格喪失確認通知書とは、健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届の提出により発行される書類です。退職者から国民健康保険への加入のために使用したいという希望があれば、コピーを渡します。通常、雇用保険の喪失に関する書類などを使用するため、基本的に従業員に渡す必要はありません。

退職月における保険料、税金の計算方法

厚生年金保険と健康保険は退職日の翌日が資格喪失日であり、資格喪失日の前月まで保険料が発生しています。従って、月末に退職した場合は給料計算の締め日によっては、最後の給料から2ヵ月分の保険料を控除することになります。

雇用保険料

雇用保険の保険料は、毎月の報酬額に応じて保険料率をかけた金額を徴収するため、退職月も通常通り徴収します。

所得税と住民税

所得税は給料の他、退職金の支給がある場合には源泉徴収を行います。退職金の源泉徴収額は、退職所得の受給に関する申告書の提出を受けている場合に、退職所得控除を適用した金額になります。住民税を特別徴収していた場合、取り扱いは退職日によって異なります。特別徴収では1年分の住民税を6月から翌年の5月までの期間に徴収することから、1月1日から4月30日までに従業員が退職した場合は、最後の給与または退職金から残額を一括徴収します。5月中に退職する場合、通常通り当月分を徴収する形になります。6月1日から12月31日の間に退職する場合は、退職する本人が最後の給与や退職金からの一括徴収か、普通徴収への切り替えのいずれかを選択できます。

退職手続きなど人事処理をスムーズに行う方法

従業員が新しく入社したり、退職したりする際にはさまざまな手続きと書類作成が必要になります。その他の日常業務もあり、人事部門がパンク状態というケースは少なくありません。しかし、現代ビジネスにおける人事の役割は非常に戦略的であり、事業利益の大きくかかわります。そこで、さまざまな人事処理をスムーズに行えるのがERP(Enterprise Resource Planning)です。ERPは人事管理システムを含むあらゆる基幹系システムを統合した製品であり、経営や事業運営に欠かせない情報を一元管理できます。人事管理において、さまざまな情報が連携することで退職手続きなどの人事処理を非常にスムーズに行えるようになるので、人事の業務効率化という観点から導入を検討してみてください。

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