経営者なら知っておきたい有給休暇の義務化について

 2020.01.20  クラウドERP編集部

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皆様は、有給休暇取得義務化がすでに施行されていることはご存知でしょうか?スタートアップ企業や中小企業も対象のこの有給休暇取得義務化は経営者として必ず知っておきたいものの一つです。

うちは有給休暇制度を規定しているので大丈夫という経営者もいるかと思いますが、制度として有給休暇を設定していても実際に取得されなければ意味がありません。特に日本においては有給休暇の取得率が他国に比べて低いことが問題視されており、このような背景から2018年に成立したのが「働き方改革関連法案」です。 その結果、2019年4月1日から、使用者は10日以上の有給休暇が付与される全ての労働者に対し、毎年5日間、時季を指定して有給休暇を取得させることが義務付けられました。皆さんの会社では現在、この法令に則った有給休暇取得がされているでしょうか?

この記事では、経営者なら必ず知っておきたい有給休暇取得義務化について分かりやすく解説します。

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日本企業における有給休暇の現状

日本企業の有給休暇取得率は、世界的に見て最低レベルにあります。総合旅行サイトのエクスペディア・ジャパンでは毎年、有給休暇の各国における比較調査を行っており、その中で日本企業が有給休暇に対していかに意識が低いか、取得されていないかが露呈しています。

同調査によると日本企業の有給休暇取得率は50%であり、調査対象である19ヵ国中3年連続最下位になっています。ワースト2位のオーストラリアでさえ取得率70%なので、日本の有給休暇取得率が低いことが露呈しています。年間取得日数は10日間と、これも世界最下位の結果です。

全体的に見て欧州諸国は有給休暇取得率が高く年間取得日数が多い傾向にあり、アジア諸国はどちらの数値も低い傾向にあります。その中でも日本はダントツに結果が低く、日本は他のアジア諸国に比べても有給休暇に対する意識が低いと言えます。

出典:エクスペディア・ジャパン『有給休暇取得率3年連続最下位に!有給休暇国際比較調査2018

政府はこうした現状を踏まえて、『第4次男女参画社会基本計画』の中で「2020年までに、有給休暇の取得率を70%に引き上げる」という目標を掲げています。それを実現するための手段として、有給休暇取得義務化が働き方改革関連法案に盛り込まれ、2019年4月より施行されました。

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そもそも「有給休暇」とは?

有給休暇について正しく理解できていない方も多いかと思います。有給休暇とは、労働基準法によって定められた「労働者に与えられる、仕事を休むための権利」です。日本では年で10日間以上の有給休暇を取得できることが法律によって定められており、そのためには労働者が以下の条件を満たしている必要があります。

  • 仕事を開始してから6ヵ月継続して雇われている
  • 全労働日の8割以上を出勤している

有給休暇の日数は勤続年数が長くなるほど増えていきます。最初の半年では10日間、1年半が経過する21日間の有給休暇が付与されます。ただし、休暇を使える有効期限は2年間です。従って、同じ会社に長く勤務している労働者であっても、1度に保有できる最大の有給休暇日数は40日間が限度になっています。

<有給休暇付与日数>

勤務日数(出勤日数)

勤続年数

半年間

勤務日数

年間勤務日数

6ヶ月

1年

6ヶ月

2年

6ヶ月

3年

6ヶ月

4年

6ヶ月

5年

6ヶ月

6年

6ヶ月

以上

86日以上

173日以上

10日

11日

12日

14日

16日

18日

20日

67日〜85日

135日〜172日

7日

8日

9日

10日

12日

13日

15日

48日〜66日

96日〜134日

5日

6日

6日

8日

9日

10日

11日

29日〜47日

58日〜95日

3日

4日

4日

5日

6日

6日

7日

19日〜28日

38日〜57日

1日

2日

2日

2日

3日

3日

3日

18日以下

37日以下

0日

0日

0日

0日

0日

0日

0日

正社員だけではないパートやアルバイトも有給休暇の権利はある

有給休暇は正社員だけでなく、派遣やパート、アルバイトにも付与されます。派遣・パート・アルバイトの場合は労働日数に応じて有給休暇の付与日数が変わり、有給休暇1日あたりに受け取れる金額は労働時間分となるので、1日8時間働いている人は8時間分の賃金ということになります。

時季変更権について

有給休暇は労働者の権利の1つなので、特別な理由なく申請を断ることはできません。ただし、企業には「時季変更権」という権利があるので、業務の正常な運用を妨げるような理由がある場合に限り、有給休暇を別日に取得するよう指示できます。主に繁忙期や、商談途中の案件があるなどの理由が該当します。

 

有給休暇取得義務化の概要

2019年4月より働き方改革関連法案が施行されたことにより、有給休暇取得義務化がすべての企業に適用されました。前述した調査のように日本は有給休暇取得率が極めて低く、労働者のワークライフバランスに悪い影響を与えていると考えられます。また、「職場の雰囲気として有給休暇を取得しづらい」「有給休暇を取得すうとやる気が無いと思われかもしれない」など、日本企業が古くから作り上げてきた風習により有給休暇を取得したくてもできない労働者が多い、というのが問題になっています。

これを受け第4次男女参画社会基本計画に2020年までに有給休暇取得率を70%まで引き上げるという目標が掲げられ、その具体策として働き方関連法案で有給休暇取得義務化が適用されました。

すべての企業は2019年4月1日より、10日以上の有給休暇が付与されているすべての労働者に対して、毎年5日間、時季を指定した有給休暇を取得させることが義務付けられています。

働き方改革関連法案の中には大企業と中小企業とで適用時期を分けて、中小企業に猶予を与えるような法令もあります(例:時間外労働の上限規制)。しかし、有給休暇取得義務化の制度は中小企業への猶予制度は無く、会社の規模に関わらずすべての企業で一律に適用されています。

有給休暇取得義務化の対象となるのは、有給休暇の付与日数が10日以上ある労働者(管理監督者や有期雇用労働者を含む)です。有給休暇が10日以上付与されている労働者は、前述のように、労働基準法第39条で定められている「雇い入れの日から起算して6ヵ月継続勤務し、その6ヵ月間の全労働日の8割以上出勤した労働者」を指します。

パートタイム労働者など所定の労働実数が少ない労働者※に関しては、所定の労働日数に応じた日数の有給休暇が付与されます。

※1週間の所定労働時間が30時間未満であり、かつ1週間の所定労働日数が4日以下または週以外の期間によって所定労働日数が定められている場合は、1年間の所定労働日数が216日以下の者を指す

 

フルタイム労働者

特定パートタイム労働者などに該当しない労働者については、正社員でも契約期間が有期の契約社員・派遣社員であっても、6ヵ月間継続勤務し8割以上の出勤実績があれば有給休暇取得義務化の対象になります。

 

特定パートタイム労働者のうち、所定労働日数が4日の労働者

週4日勤務の特定パートタイム労働者などの場合は、原則として入社後3年6ヵ月勤務し、直近1年間の出勤率が8割以上であれば年10日間の有給休暇の権利があります。その場合、有給休暇取得義務化の対象になります。

 

特定パートタイム労働者のうち、所定労働日数が3日の労働者

週3日勤務の特定パートタイム労働者などの場合は、原則として入社後5年6ヵ月勤務し、直近1年間の出勤率が8割以上であれば年10日間の有給休暇の権利があります。その場合、有給休暇取得義務化の対象になります。

 

特定パートタイム労働者のうち、所定労働日数が2日の労働者

週2日勤務者は、最大でも年7日間の有給休暇しか付与されません。そのため、10日に満たないので有給休暇義務化の対象にはなりません。

 

有給休暇取得率100%を目指そう!

会社の労働者全員が所定の有給休暇を取得していることは、ワークライフバランスを整えることに大きく貢献します。労働基準法によって定められている有給休暇の取得日数は決して少なく日数ではないので、これを100%取得させることで労働者は十分な休息が取れるはずです。そうしたリフレッシュした労働者は、生産性が非常に高く結果として会社の利益に還元されます。有給休暇取得義務化が適用されたことをきっかけに、有給休暇取得率100%を目指してみてはいかがでしょうか?

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