未上場企業の株価算定の方法について解説

 2020.03.04  クラウドERP編集部

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自身の会社がどれくらいの価値があるのかは常に気になるところです。その指標の一つとして株価が考えられますが、「株価」とは一般的に、株式市場に上場している企業(上場企業)の価値を測るための指標です。株価は証券取引所において、証券会社を通じて投資家が行った買い・売りの関係で決定されます。単純に買いが多ければ株価が高くなり、逆に売りが多ければ株価は安くなります。株取引の経験がある方なら、理解は難しくないでしょう。

一方、未上場企業ですとこの株価は可視化されておらず企業価値の尺度が曖昧になってしまいます。株価とは「企業の価値を通貨換算した指標」と理解すれば問題ありません。

本記事では紹介するのは、未上場企業の株価算定方法です。未上場企業の株が証券取引所でやり取りされることは無いため、通常は株価が算定していません。ただし、未上場企業であっても状況によって株価算定が必要な時があります。その必要性がある方や、「わが社の株価はいくらくらいなのだろう?」と気になる方はぜひ参考にしてください。

未上場企業の株価算定の方法について解説

株価の基礎知識

株価は企業価値を測る上で欠かせない指標の1つですが、実は両者はイコールでは繋がりません。というのも、企業価値とはその企業の現在から将来までの収益力を示した指標であり、企業価値は主に会社が保有している現金・向上・機械設備・株式・債権などの資産をベースとして算出します。そのため、企業価値は株式時価総額(株価×発行済株式総数)+負債価値を総合した指標となります。

一方、株価というのは市場動向や投資家の心理によって変動する、当該企業の買値のことです。必ずしも株価が企業価値を表しているとは限らず、株価は外的要因によってランダムに動くことから企業価値(収益力)とはまったく違った指標として捉えられることがあります。

では、株価は未上場企業においてどのような場面で活用されるのでしょうか?下記に主な活用場面を紹介します。

  • 他企業とのM&A(吸収、合併)
  • 事業承継
  • 事業相続
  • ベンチャーキャピタルからの資金調達
  • ストックオプションの発行
  • 第三者割当増資
  • 少数株主からの株式買い取り
  • 種類株式の発行

未上場企業では主に「他企業とのM&A」あるいは「事業承継」において株価算定の必要性に迫られることが多いかと思います。従って、本記事ではM&Aや事業承継で活用される株価算定方法を解説していきます。

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3つの株価算定方法

M&Aおよび事業承継において用いられる株価算定方法は3つあります。自社が置かれている場面や状況によって株価算定に用いる方法を選ぶことが大切であり、場合によっては複数の株価算定方法を用いることもあります。それぞれの方法にはメリット・デメリットがありますので、その点に着目しながら3つの株価算定方法を確認していきましょう。

1. インカム・アプローチ

対象企業の将来性にもとづいた株価算定情報をインカム・アプローチと呼びます。算定対象となる企業が将来獲得する可能性オンある利益やキャッシュフローなどを用いるため、ベンチャーキャピタルからの資金調達などを積極的に行っているスタートアップ企業の株価算定によく活用されます。

将来性を加味できるので、設備投資や事業投資など幅広い局面で活用できるのが強みですが、一方で算定された株価が現実とは乖離したものになる恐れもあります。従って、インカム・アプローチは取引利害に無関係な第三者が実施するのが理想です。

評価方法

説明

特徴

DCF法
APV法
ECF法

評価対象となる企業が将来創出すると期待される利益やキャッシュフローを、現在価値に割引いて事業価値や株価を算定します。

理論的な方法かつ実務的に幅広く採用されているものの、キャッシュフローの予測及びリスクの予測に専門性を要します。

収益還元法

評価対象となる企業の適正利益を現在価値に割り引いて、事業価値や株価を算定します。

簡易的なDCF法の一種であり、将来利益の予測およびリスクの予測に不確定要素を含みます。

配当還元法

対象となる企業の将来期待される配当金を資本還元し、株価を算定します。

少数株主の持ち分に対する評価に利用します。安定した一定の配当が見込まれる企業の適用。

配当還元法
(相続税)

財務評価基本通達に定める一定の計算式にもとづき、取引相場のない評価対象企業の過去の配当実績にもとづいて株価を算定します。

相続税における零細株主に対して用いられる方法です。

2. マーケット・アプローチ

市場情報や類似会社、取引などを基準に用いる株価算定方法がマーケット・アプローチです。関連性の高い対象事項との比較によって株価を算定するので、客観性の高い方法となります。現時点で利益が出ていない企業に対しても適用可能ですが、短期的な市場影響を受けやすいのがデメリットです。

評価方法

説明

特徴

市場株価法

上場企業の株価を株式価値とする方法です。

上場企業にのみ適用されます。

株価倍率法

上場類似企業の時価総額ないしは事業価値と財務数値との倍率をもとに、評価対象企業の株価を算定します。

上場類似企業との比較になるので、評価対象企業が一定規模でないと適用できません。

類似取引比較法

類似する取引と財務数値などの倍率をもとに、評価対象企業の株価を算定します。

独立した第三者取引を一定の取引量について観察可能な場合に適用できます。

類似業種批准法(相続税)

財務評価基準通達にもとづく相続税評価であり、取引相場のない株式を国税庁が発表する類似業種の業種目に属する上場企業の業績などを基礎として株価を算定します。

相続税評価時に適用可能です。

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3. コスト・アプローチ

対象企業の純資産額を用いる株価算定の方法です。純資産額とは、賃借対照表によって記載されている項目を指します。純資産は「資産-負債」の値を同義であり、純資産が判別すれば比較的簡単に株価を算定できます。また、専門的な知識も不要なので未上場企業でも活用しやすいのが特徴です。ただし、対象企業の将来性を考慮していないことから、今後事業継続しない企業の株価算定に利用されます。

評価方法

説明

特徴

薄価純資産法

評価対象企業の新着対照表に記載されている純資産を株価とします。

評価対象企業 に多額の含み損益が内在していないことが前提です。

修正薄価純資産法

評価対象企業の資産および負債に重要な調整項目を加味し、株価を算定します。

実務上、株式の取引価格が目安とされますが、継続企業を前提とした場合は静的価値に着目した方法となります。

時価純資産法

評価対象企業の資産および負債を時価評価し、株式価値を算定します。(精算価値で資産および負債を評価する場合は清算価値法となる)

評価対象企業の清算を前提に採用されます。

純資産価額法

(相続税)

財務評価基本通達にもとづく相続税評価であり、取引相場のない株式を税務薄価に一定の調整を行った純資産額で評価します。

相続税評価時に適用可能な方法です。

いかがでしょうか?このように未上場企業の株価算定方法はいくつかあります。それぞれにメリット・デメリットがありますし、算出された株価の特徴も違いますので、現状を踏まえたどの算定方法がしっかりと見極めながら株価算定を行いましょう。

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