経営者なら知っておきたい従業員の退職金制度の種類と金額の相場について

 2020.03.23  クラウドERP編集部

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退職金とは、定年退職を迎えた従業員に対してそれまでの労力に対するねぎらいの意を込めて一定の金額を支給する制度です。ただし、義務ではないため必ずしも退職金制度を整備する必要はありませんし、金額や支給要件などは企業ごとに自由に設定されています。今回は、「退職金制度って何?対応する場合どうすればいいの?」と悩める経営者に向けて、退職金制度をあれこれについてご紹介します。

経営者なら知っておきたい従業員の退職金制度の種類と金額の相場について

改めて退職金制度とは?

冒頭で「退職金は定年退職を迎えた従業員に対して支給されるもの」と説明しましたが、少し訂正します。支給できるのは何も定年退職を迎えた従業員だけでなく、若くして退職した場合でも退職金を受け取れることはあります。では、退職金制度の具体的な内容を確認していきましょう。大まかに分けると、退職一時金制度と企業年金制度に分けられます。

退職一時金制度

退職の際、一度にまとめて退職金が支給される制度を指します。退職金は企業ごとの退職金規定に沿って支払われ、退職までに規定変更が起きない限り企業の経営状況にかかわらず支給は確約されます。

企業年金制度

退職金を一度に支給するのではなく、一定期間または生涯にわたって一定の金額が年金として支給されます。企業ごとにどの退職金制度を備えているかは異なり、退職一時金制度と退職年金制度の両方を備えている場合もあります。

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退職金共済や確定拠出型年金とは?

退職金制度について調べるにあたり、退職金共済と確定拠出型年金という言葉を頻繁に目にします。これらは企業独自に整備した退職金制度とは違い、外部機関を利用した退職金制度となります。

退職金共済は商工会議所を通じて支払われる特定退職金共済と、勤労者退職金共済機構が運営する中小企業退職金共済があります。これらは会社が共催に加入し、その共済制度を通じて退職金の積み立てと支給が行われる制度です。退職金共済は会社の経営状況が悪くなっても積み立て分が確実に支給されることがメリットですが、積立金額が少額なので期待以上の退職金が支給されないケースも多いです。

一方、確定拠出型年金とは、個人や企業が拠出した掛け金を外部機関が運営する年金の仕組みであり、最終的に受け取る退職金額は個人が拠出金をどのように運用してきたかで大きく変動します。つまり資産運用を通じて退職金額を自分で増額させるのが確定拠出型年金です。運用次第で想定以上の退職金を受け取れるケースもあれば、最悪ゼロになるケースもあります。

退職金制度の導入率と金額相場

では、退職金制度はどれくらいの企業が導入しているものなのでしょうか?この疑問に答えるのは人事院が2017年4月に発表した「民間の退職金及び企業年金の実態調査の結果」です。「退職給付制度がある」と回答した企業は、調査対象となった4万1,314社中92.6%であり、想定以上に多いと感じるのではないでしょうか。ちなみに、企業規模別に確認すると以下のようになります。

企業規模

退職金制度あり

1,000人以上

98.3%

500人以上1,000人未満

96.6%

100人以上500人未満

94.9%

50人以上100人未満

87.1%

次に、大企業と中小企業に分けて退職金の支給金額沿相場を見ていきましょう。

<大企業の退職金相場(一般職相当)>

 

高校卒

大学卒

勤続年数

自己都合退職

会社都合退職

自己都合退職

会社都合退職

10年

124万円

213万円

152万円

234万円

15年

272万円

389万円

310万円

437万円

20年

554万円

686万円

542万円

690万円

25年

870万円

1006万円

864万円

1004万円

30年

1241万円

1355万円

1425万円

1522万円

定年

 

1902万円

 

1519万円

参考:中央労働委員会『大企業のモデル退職金

<中小企業の退職金相場(一般職相当)>

 

高校卒

大学卒

勤続年数

自己都合退職

会社都合退職

自己都合退職

会社都合退職

10年

91万円

122万円

114万円

152万円

15年

174万円

225万円

225万円

284万円

20年

298万円

361万円

380万円

457万円

25年

444万円

523万円

562万円

646万円

30年

617万円

704万円

749万円

856万円

定年

 

1082万円

 

1138万円

参考:東京都産業労働局『中小企業のモデル退職金

退職金の算出方法

退職金をどのようにして算出するかについてもまた、企業ごとに異なります。主な算出方法は退職基本給、別テーブル方式、ポイント制方式、定額方式の4つです。

退職基本給

退職時の基本給の全額または一部に、勤続年数と自己都合か会社都合かといった退職理由により支給率を掛け合わせる方式です。

別テーブル方式

役職などの等級に応じた基準額に対し、勤続年数別の支給率をかけあわせて算出します。退職時基本給方式とは異なり、賃金とは別の係数を用いるのが特長です。

ポイント制方式

役職や職能、勤続年数などの要素にポイントを設定し、累計ポイントに1ポイントあたりの退職金を掛け合わせて算出します。

定額方式

勤続年数別に設定された退職金を支給する方式です。算出しやすいため一部の中小k儀容で用いられています。

退職金にかかる税金はどれくらい?

給与には所得税が課税されますが、退職金は少し違います。長期間の労働に対する報酬金のような位置づけなので、退職所得控除を設けたり、他の所得と分離して課税されたりなど税負担を軽くする配慮がなされています。

<退職金所得控除額>

勤続年数20年未満…40万円×勤続年数

勤続年数20年以上…800万円+70万円×勤続年数-20年

<退職金にかかる所得税の計算式>

退職金-退職所得控除×1/2=税金がかかる退職所得金額

たとえば35年勤続して退職金が1,500万円の場合、退職所得控除額は「800万円+70万円×15年=1,850万円」となり、退職金を上回っているので税金がかかりません。このように退職金は税制において大変優遇されています。

退職金制度を整備すべきか?

経営者にとって重要な点は、退職金制度を整備すべきか否かです。なぜ多くの企業が退職金制度を整備しているかというと、従業員に対するねぎらいの気持ちを形として残すことで、会社や仕事に対するロイヤリティを高める効果があるからです。退職金制度がある会社とそうでない会社とでは、従業員の仕事に対するモチベーションは大きく変わります。「退職金がある」という安心感から安定したパフォーマンスが発揮できることは確かなので、可能ならば退職金制度は整備するのがよいでしょう。この機会にぜひ、自社の退職金制度についてご検討ください。

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