越境ECを始める前に理解しておきたい物流知識

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 2017.11.30  クラウドERP編集部

越境EC事業の展開に欠かせない物流。海外ビジネスにおける物流は、日本国内のそれとは商品配送の方法や流れが違うので、越境EC事業をスタートする企業にとってつまづきやすい部分です。

例えば、発展途上国を中心に「配送した商品がお客様のもとに届かない」といったトラブルは日常茶飯事です。そうしたときの対応方法の整理なども、越境EC事業にとって大切な管理次項でしょう。

そこで今回は、今後越境EC事業をスタートする企業に向けて、最低限知っておきたい物流知識について紹介します。

1.海外への配送はEMCが基本

EMS(Express Mail Service)は世界120以上の国や地域で利用可能な国際スピード郵便です。越境EC事業を始めるにあたって、EMSによる商品配送は必ず押さえておくべきポイントです。

EMSが越境ECで利用される主な理由は、次のようなものです。

ほとんどの国で発送してから2日~9日で届く

インボイス作成が簡単なので内製化できる

配送個数によって割引を受けられる

上記の中で一番気になるのはおそらく、配送個数による割引かと思います。どれくらい割引されるかについては、次の表をご確認ください。

≪差出の都度(同時差出)割引≫

差出個数

10個~

50個~

100個~

割引率

10%

13%

15%

 

≪月間割引

差出個数

50個~

100個~

300個~

500個~

1,000個~

5,000個~

割引率

10%

15%

18%

20%

22%

23%

1ヵ月の差出数に応じて適用される割引です

≪年間実績割引

過去1年間の差出個数

6,000個~

8,000個~

10,000個~

15,000個~

30,000個~

60,000個~

120,000個~

割引率

20%

21%

22%

23%

24%

25%

26%

過去1年間の差出実績に応じて翌1年間に適用される割引です

引用:日本郵便「EMSの割引サービス

例えば、月間でEMSによる500個の差出実績があれば、翌月の割引額は20%。これが1年間続き年間差出個数が6,000個を超えれば、翌1年間は全体を通して20%の割引額が適用されます。

EMSの最低料金(1,400円)で計算してみると、6,000千個の差出で送料は840万円に達します。これの20%割引となると、168万も割引されるので、配送料をかなり削減できるのが特長です。

2.規定の配送日数で届かない場合もある

日本の近所であり、越境ECビッグ市場でもある中国。日本郵便のホームページでは、EMSによる中国(上海)への標準配送日数は7日間としてます。ただし、あくまで標準日数なので、必ずしも7日間で届くわけではありません。

その理由は、商品が日本を出てしまえば、配送にかかる時間は航空便や現地の物流状況に影響を受けるためです。例えば郵便局に商品を預けてから2日目に日本から発送され、3日目には中国に届いたとします。そこからすぐさま購入者のもとに届くと思いきや、通関作業に時間がかかり1週間2週間と配送日数がかかることは少なくありません。

こうした海外の物流状況を正確に把握していないと、クレームや消費者とのトラブルに繋がりかねません。

3.インボイスはフォーマットをダウンロードして自作するべし

インボイスは海外に商品を配送する際に必要な明細書のようなものです。箱の中には何が入っているのか、各商品の金額と合計金額、各商品の重量、どんな目的で配送するのかなどを細かく記載します。越境EC事業を展開する企業の中には、このインボイス作成を面倒に感じてアウトソーシングするケースが少なからずあります。

しかし、インボイスのフォーマットは日本郵便のホームページからダウンロードできるため、内製化するべきです。書き方さえ覚えれば難しいものではないので、コスト削減のためにも内製化をおすすめします。

4.EMS以外の海外配送も利用する

海外に商品を配送してくれるサービスは何もEMSだけではありません。最近では越境EC市場が急拡大していることから、中国向け越境EC専用の海外配送サービスなど、利用できるサービスの幅が広がっています。

例えば日本郵便が提供しているサービスはEMS以外に「国際eパケット」があります。このサービスは小形包装物(最大2kgまで)を書留付きの航空扱い荷物で、EMSより低価格で配送してくれます。

アジア圏内に1kgの商品を配送する場合、EMSなら2,100円かかるところ国際eパケットなら1,480円と600円以上の値引きが適用されます。

引用:日本郵便「国際eパケット料金表

そのため2kg未満の商品なら国際eパケットを、2kg以上の商品ならEMSを利用するというのが賢い配送方法です。

5.梱包は丁寧に、強固に

日本の物流では、お客様から受け取った配送物を丁寧に扱うのが基本です。投げることはもちろん、一定重量のものであれば複数人で扱います。一方海外はというと、ほとんどの国で日本のような物流文化はないと言っていいでしょう。

お客様から預かった配送物でも、投げたり雑に扱うことは当たり前です。そのため、商品が割れ物の場合、購入者の手元に届いたときには壊れていた、といったトラブルが少なくありません。

従って日本国内の商品を配送する感覚で梱包すると、ほぼ間違いなく商品が傷つくか故障します。海外配送の際はこうした事情を考慮して、丁寧に、強固に商品を梱包することが大切です。

6.国ごとに通関できる品目が違う

越境EC事業では、どんな商品でも配送できるわけではありません。国や地域によって、通関できる品目とそうでない品目が異なります。例えば中国において、ワインは条件付許容物品として、通常は配送できない品目に指定されています。

米国ならオリーブオイルや毛皮・皮革(旧ソヴィエト連邦又は中国大陸産の毛皮及び皮革)禁止品目に指定されています。

このように、国ごとに通関できる商品が異なるため、品目によっては高い関税がかかったり最悪差し戻しになる可能性があるので、各国の禁制品を把握した上で商品配送を行いましょう。

7.最適な物流形態を選択する

越境EC事業の物流形態は、主に次の3つのスタイルがあります。

事業者から消費者に直接商品配送する

委託先の物流拠点に送付し、そこから配送する

現地に物流拠点を置き、そこから配送する

コスト面を考慮すると直接商品を配送するというのが一般的な物流形態です。ただし、コストよりも作業効率を重視する場合は物流を委託するのも一つの手段です。すでに越境EC事業の拡大に成功している場合は、現地に物流拠点を置くことを検討してみてもいいでしょう。

まとめ

いかがでしょうか?越境EC事業における物流と国内の物流は、大きく違うことを理解いただけたのなら幸いです。越境ECには越境ECなりの物流形態があり、自社に適したスタイルを選ぶことが大切というわけです。

国内の物流に比べてコストが高いという懸念点もあるので、そうした点も踏まえて、スムーズかつ低コストに商品配送ができる物流を構築しましょう。

[Article] ERP導入事例(Eコマース)

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