受発注システムの基本機能

 2017.08.25  クラウドERP編集部

[E-Book]データ主導の意思決定に勇気を持ち続ける

オンラインで受注・発注業務ができる環境を整えることで、受注者側と発注者側、双方にとって様々なメリットがあります。受発注システムはそうした環境を整えるためのITツールです。

受発注業務におけるミスは、作業の手戻りが多くなるだけでなく、企業としての信頼を崩してしまう結果にもなります。そうしたマイナス要因を回避するためにも、受発注システムは重要な役割を担っているのです。

今回はこの受発注システムの基本機能について説明します。どういった機能があり、どういった効果があるのか、現在受発注システム導入を検討している企業もそうでない企業も、ぜひ参考にしてください。

機能1.様々な受注形態に対応し、処理を高速化する

受注業務とは、顧客からの発注に応じて販売管理へデータを取り込み、在庫情報を確認しつつ出荷指示を出す一連の作業です。こうした受注業務の内容は同じでも、その形態は多様に存在しています。

例えば最近多いのがWeb上での受注です。顧客は自社で用意したインターフェースから発注業務を行い、社内にてそのデータを処理します。そして従来の受注形態と言えば、メールやFAX、そして電話での受注です。

これらの受注は手作業で行うことが多いため手間のかかるものですが、顧客とのコミュニケーションを取りやすいという理由から、現在もこうした受注形態を取っている企業も多いでしょう。

しかしベストなのは、これら異なる受注形態を統合的に管理して“マルチチャネル化”を実現することです。

マルチチャネル化とは複数ある受注チャネルを統合し、どのチャネルからも同じように受注業務を行えるようにすることです。受発注システムの多くは基本機能として、マルチチャネルの機能を備えています。

受発注システムを導入した場合、それがWeb受注にしか対応していないと、電話やFAXといった受注形態を好む顧客との関係性が悪化してしまう可能性があります。

どういった受注形態が望ましいかは顧客によって異なるので、受注側としても複数のチャネルを用意するのがやはりベストなのです。メールやFAX、電話からの受注に対してもデータ入力で対応していれば、顧客の好みに合った受注業務を行うことができます。

機能2.在庫データの反映で在庫数を超える受注を防止する

受発注システムの中にはちょっとした在庫管理機能を備えているものがあります。在庫管理といっても管理を適正化するためのものではなくて、受注時に参照にするデータを用意するためのものです。

例えば在庫数が0にも関わらず発注が起きた場合、機会損失を生んでしまうという問題よりも、顧客からの信頼を損ねてしまうという問題の方がはるかに重大です。

倉庫管理システムの選び方
NETSUITE アドバンスト在庫管理

顧客からすれば「在庫があると思ったから発注した。でも、無かった」とマイナスイメージを持ち、こうした事態が続けば取引先に対する信頼性が徐々に低下していきます。受注側としてもこれは大問題で、早急に手を打たなければなりません。

しかし、顧客が発注業務を行う際にもともと在庫数が0と表示されていれば、マイナスイメージを持たれることも少なくなります。また、緊急的に発注する必要があれば電話やメールにてコミュニケーションを取り、個別対応できないかと要望を出してくることもあるでしょう。

これに上手く対応できれば顧客からの株も上がり、継続的にひいきにしてもらうことも可能です。

ただし、在庫管理現場では返品や消費期限など複雑な管理を行っている場合が多く、受発注システムだけではカバーしきれないので、実際の在庫管理データを連携させると、より正確な在庫情報を提示できるようになります。

機能3.納期に合わせた出荷指示でリードタイムを短縮する

受発注システムでは受注が発生した時点で、顧客が設定した納期に応じて出荷指示を自動で行ってくれます。顧客の発注内容を目視で確認し指示書を作成し、出荷指示を出すという一連の流れは、意外と多くの時間を費やします。

つまり手作業では、出荷リードタイムを長期化させてしまい、スムーズな出荷作業ができません。

受発注システムの機能により出荷リードタイムを短縮すれば、顧客満足度を向上することもできるでしょう。

機能4.受注データを請求管理に活用して正確な処理を行う

受発注システムを導入することでモノの流れだけでなく、お金の流れも効率化することができます。受発注システムに入力された受注データは請求管理システムと連携して、自動的に請求書の発行と送付を行うことができます。

このように正確な処理を行えば、請求から回収までの一連の業務も効率化できるので、お金の流れ、すなわちキャッシュフローを改善できます。キャッシュフローが改善されればそれだけ動かせる資金が増えるので、より良い経営を実現していくことが可能なのです。

[SMART_CONTENT]

機能5.サンクスメールの自動化で無駄な業務を防ぐ

Webから受注した場合だけでなく、メールやFAX、電話で受注した際もサンクスメールを自動化することができます。実はサンクスメールを自動的に送信することは、業務効率化という効果以外にも、大きなメリットがあるのです。

サンクスメールが自動化されれば、それは正確な情報を記載した確認メールにもなります。つまり、万が一顧客側で発注ミスがあった場合も、すぐに気付き、発注修正をかけることができるということです。

発注ミスは顧客側はもちそんのこと、自社にとっても良いことではありません。手戻りが多くなりますし、その分無駄な業務が発生します。しかしサンクスメールが自動化されていれば、自社としても、顧客としても間違った発注を防止することができるのです。

機能6.会員制インターフェースを用意し発注業務を効率化する

受発注システムの多くは会員制インターフェースを用意しています。顧客ごとにIDとパスワードを発行することで、顧客は専用インターフェースから発注業務を行えるということです。

このとき、発注画面に在庫数を記載したり、製品情報を記載することで顧客の発注業務をさらに効率化することができます。

発注業務が効率化されるのは顧客にとっても大きなメリットなので、取引先への信頼性と満足度が向上することでしょう。

機能7.周辺システムと連携した導入効果を高める

最後に、多くの受発注システムでは連携機能が備わっています。既存の在庫管理システムや販売管理システムなど、複数のシステムと連携することで様々なデータが共有化され、全体的に業務効率性がアップするのです。

ただしこうした機能を備えている製品は少ない上に、連携できるシステムが限られています。もしも受発注システムと周辺システムとの連携性が取れた環境を望むのであれば、ERPの導入も検討してみましょう。

[RELATED_POSTS]

まとめ

いかがでしょうか?受発注システムには様々な機能があり、それぞれが受注者と発注者にとって多くのメリットをもたらしてくれます。ただし、受発注システムなら何でもいいというわけではないので、自社にとって最適な製品を選べるよう、選定基準をしっかりと設け、正しい製品選定を行っていきましょう。

ちなみに受発注システム選びを行う際は「受発注システム選定のポイント」をぜひ参考にしてください。ERP導入に際しポイントのチェックもお忘れなく。

受注管理システムの選び方

RECENT POST「サプライチェーン/生産管理」の最新記事


サプライチェーン/生産管理

製造原価とは? 売上原価との違いや求め方、分類方法などを解説

サプライチェーン/生産管理

製造管理とは? 生産管理との違いやシステム導入のメリットを解説

サプライチェーン/生産管理

OEMの意味とは? ODMとの違いやメリットをわかりやすく解説

サプライチェーン/生産管理

原価/原価計算とは? 重要視される理由やシステムの選定について

受発注システムの基本機能
わかりやすいマンガ形式で解説!会計ソフトの選び方まるわかりガイド
ビジネスでの時間不足を解消する3つの方法

RECENT POST 最新記事

RANKING人気記事ランキング

New Call-to-action