期首棚卸高

 2019.05.21  クラウドERP実践ポータル

期首棚卸高は、期首(会計年度が始まる日)の時点で自社が保有している資材や商品などの価値の総額、つまり前期から繰り越された在庫を資産として金額に換算した数字のことを言う。期首棚卸高は、売上原価を出すために使われる。具体的には、「期首の棚卸高に会計期間中の仕入高を加え、そこから期末の棚卸高を引く」ことで、売上原価を算出する。見方を変えると、今期の期首棚卸高は、前期の期末棚卸高と同じものを指している。

期首棚卸高への税金のかかり方は、法人税と消費税でその扱いが異なる。法人税の場合、収益(売上)に対しては常に費用(損金)が発生するという「費用収益対応の原則」が適用される。先ほどの計算式から、期首棚卸高が大きくなると、売上原価も大きくなり、収益が減るので、法人税は安くなる。
一方、消費税は仕入れの時点で発生するので、期首棚卸高には関係しない。ただし、それまで免税事業者だったものが課税事業者になったときは、期首棚卸高に該当する資産について、課税事業者として仕入れたものとして扱い、税額控除を適用することが認められている。

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