ERPエンジニアとして知っておくべき、経営者側の観点とは?

 2021.10.06  クラウドERP編集部

昨今、ERP導入や運用管理を行うエンジニアに求められていることは、IT技術力はもちろんですが、経営者側の思想や導入目的を理解したうえでプロジェクトに参加し、ベンダーと企業内メンバーとの間でしっかりとコミュニケーションが取れることです。この記事では、そうしたコミュニケーションに臨むにあたり、ERPエンジニアが把握しておくべき経営者側の観点を解説します。

ERPエンジニアとして知っておくべき、経営者側の観点とは?

ERPをめぐる現在の状況

1990年代後半の会計ビッグバンと呼ばれる会計制度のグローバル化をきっかけに、企業の基幹業務を統合し改革する仕組みとして、ERP(Enterprise Resources Planning)が脚光を浴び始めました。

日本でのERP普及

当初、日本でのERP導入は、言語や国内サポート体制、独特の商習慣にあわずカスタマイズ費用がかさむなど多くのハードルがありましたが、2010年を過ぎると国内メーカーが開発したERPが販売されるようになり、大企業だけなく中小企業まで一気に普及し始めました。それに伴い、幅広いスキルを備えたERPエンジニアの需要が高まっています。

ERPエンジニアに求められるスキル

ITエンジニアとして、システムの設計や開発の技術、ERPパッケージに関する知見を有することは大前提としてもちろん必要ですが、それだけでは不足しています。これからERPエンジニアを目指す場合や、ベテランERPエンジニアの域まで自身を高めたい場合、クライアントとなる企業の経営者側の発想を把握し対応していくことを意識しましょう。
本記事では、「ERPについて、今日の経営者がもっとも重要視する点」を解説していきます。企業経営者も、「自社でうまくERPを運用していくためには、どのような観点・技能を持つ人材を雇えばよいのか」を再度明確化するために、ぜひ参考にしてください。

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ERPについて経営者が重要視する3ポイント

企業経営の基本となる基幹業務の運用に大きく関わるERP導入は、多くの場合、経営者によるトップダウン型のアプローチによって導入が決定します。経営者がどのような視点で何を重要視しているのかを見極めたうえで、適切な要件定義を行っていくことが重要になります。業種や業態によって求められるメイン機能は異なりますが、「経営者が注目する観点」には共通したものがあります。

導入目的の明確化

部門ごとに分散しがちなデータを一元管理し、業務効率化を図ることができるERPですが、多機能であり、すべての機能を使いこなせる企業は多くありません。経営者は、ERP導入によって「何を成し遂げたいのか、自社のどんな問題を解決したいのか」について、明確化する必要があります。コスト削減、業績をリアルタイムに把握するなど企業によってその目的はさまざまです。
エンジニアとして設計・導入に携わる際には、導入企業の目的をしっかりと把握し、その目的がどのようなシステムで解決するのかを、企業側・経営者側へ提示する必要があるのです。

ガバナンス・内部統制の強化

J-SOX法の施行により、経営者の間でコーポレートガバナンスや内部統制といったワードへの関心度が高まっています。ERPという統合管理システムを用いることで、企業内でこうした統制を実現しやすくなることも、経営者たちにとってERP導入の大きなメリットです。

生産管理、原価管理、販売管理など、業務部門ごとに複数のシステムを運用している場合でも、最終的にすべてのデータは会計システムに統合されます。複雑なデータ連携と、ミスや不正防止の対策にかかっていたコストを、ERP導入によって大きく削減することができます。

ERPを導入する場合、平準化されたプロセスを実行するよう業務フローの見直しを図るのが一般的です。一部のユーザーによる例外処理がすぐに会計連携され、エラーやアラートとして顕在化しますので、従業員が責任意識を持つようになり、内部統制に大きく役立つのです。

顧客・営業管理システムとの柔軟な連携力

ERPは基本的には経営状況の可視化に関わるシステムで、主に販売や購買などの実績を管理します。顧客・営業管理システムであるCRMやSFA、MAなどと連携させることで、SNSなど多くの窓口で顧客やユーザーを集め、個々の購買傾向を分析し、最適な販促を行うことができるようになります。
ERPとCRM/SFAで扱うデータが重複する場合もありますが、主に管理する情報や利用部門が大きく異なっています。これらを連携させることで、実績や売り上げ傾向と、顧客の案件情報などを紐づけて可視化することができるようになるのです。
「CRMやSFAが担当する顧客情報が、どのようにERPへ反映されるのか」そして「どのように経営状況データへと統合されていくのか」を明確に把握しておかなければ、こうした連携を臨む経営者・企業の期待に応えるシステムを設計することはできません。

ERP導入を指導できるのはベテランエンジニア

ERP導入プロジェクトを指揮するには、こうした経営者たちの観点に加え、一般的なITエンジニアとは異なる、より具体的な知識を有していることが望まれます。ERPは企業経営を可視化するツールであり、最終的に会計に統合されるからです。財務会計の知識や、会計仕訳に紐づいていく販売、購買、生産、在庫などの業務知識が備わっていることは、ERPエンジニアとしての1つの到達点とも言えます。言い換えれば、これらの知識を持つERPエンジニアは、IT人材として非常に高い価値を持っているのです。

また、大規模なプロジェクトとなることも多く、強力なリーダーシップやコミュニケーション能力が必要です。コストに対する意識とスケジュール管理能力も重要で、幅広い分野でのスキルが求められています。

自社にERPエンジニアがいない場合は?

中小企業で初めてERP導入をする場合、経験豊富な専属ERPエンジニアを雇用しておらず、困ってしまうかもしれません。そのため、ERP導入プロジェクトの発足にあたり、ERPコンサルタントを利用するのも一般的です。
コンサルタントを探す場合は、自社の業種や運用体系にあった提案ができるか、コミュニケーション能力やサポート範囲、そして料金設定の明朗さに注意して選ぶとよいでしょう。

ERPコンサルタントを利用した場合でも、自社業務を熟知しているわけではなく、丸投げして失敗したというケースも多くあります。業務部門からプロジェクトメンバーを集い全員で共通の認識の基に推進していくことが重要です。
社内でプロジェクトマネージャーを選定して導入する場合、あまり複雑なERPパッケージでは少々敷居が高いかもしれません。その点で、サポートに定評のあるOracle社提供のクラウド型ERP「Oracle NetSuite」をおすすめできます。コンサルタントやエンジニアと相談しながら、中小企業でも比較的簡単に短期間で導入することが可能ですので、ぜひ検討してみてください。

まとめ

今回は、企業経営者がERP導入に求める目的と、実現するための人材やスキルについて解説しました。ERP導入は、企業経営の可視化と業務効率化に大きく役立ち、コーポレートガバナンスにも貢献します。
人材不足や知識不足により足踏みしている場合は、Oracle NetSuiteをご検討ください。初期費用を含んで月額20万円からという低コストプランも利用でき、目的により短期間での導入も可能です。クラウド型ERPを利用すると、サーバーやOS、データベースなどインフラの調達やセキュリティについて頭を悩ませることも必要ありません。

特に、中小企業への導入を考慮して、使いやすさ・サポートに力を入れて製作されている点は大きな魅力と言えるでしょう。いくつもあるERP製品の選定には時間がかかるものではありますが、中小企業向けERPを明確に掲げているシステムはまだ多くはありません。ぜひ、NetSuiteを、導入候補の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。


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