コンプライアンス違反事例から学ぶ企業が取るべき対策とは?

 2019.05.24  クラウドERP編集部

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コンプライアンス(Compliance)とは「法令遵守」の意であり、企業として守るべき法令や社会的ルールを事業戦略に取り入れて、粉飾決算などの不正発生を防止したり企業の信頼を維持したりするためにあります。

注目されるようになった背景には、2001年に巨額の粉飾決算が表面化したことで破綻した米エンロン社の事件があります。総合エネルギー事業とITビジネスで全米有数の企業だったエンロンが巨額の損失を隠蔽していたことが表面化し、エンロンは同年12月に破綻し、多くの国・人に多大な影響を与えました。

この事件をきかっけに、米国でコーポレート・ガバナンス(企業統治)やインターナル・コントロール(内部統制)に関する法令が強化され、後に日本でも同じような法令体制が構築されます。それ以降、多くの企業が粉飾決済などの不正発生に敏感になり、コンプライアンス強化が企業の命題となりました。

本稿でご紹介するのは、コンプライアンスを維持するために企業に何ができるか?というポイントです。これまでのコンプライアンス違反事例から学べる対策について確認していきましょう。

コンプライアンス違反事例

1.ライブドア

インターネット関連のベンチャー企業として有名だったライブドアにて粉飾決算が起きた事件は、まだ記憶に新しい方も多いでしょう。同社は2004年9月連結決算にて、実際は3億円の経常赤字があったにもかかわらず、売上高経常が認められない自社株売却益などを売上高に含め、53億円の経常黒字としたことで2006年1月に社長のほか役員3名が逮捕されたという事件です。

粉飾決算としての総額で考えれば大企業のものと比べるとかなり少額ではあります。しかし、損失額を隠蔽する事例とは異なり、飛躍的に収益を増大させて投資家を欺いたことが問題視されていました。この事件を受けて、2007年9月に金融商取引法が施行され、有価証券報告書の虚偽報告やインサイダー取引などの罰則が強化されています。

2.藤崎金属

1950年に創業し65年以上の歴史があった金属専門商社の藤崎金属では、リーマン・ショック以後、経済環境の変化に対応しきれず経営状況が低迷し、かろうじて黒字を維持している状態でした。

そして2015年、二代目社長が急死したことで三代目社長が就任するとそれまで不正に行われていた会計処理が発覚しました。仕入れ決済を翌期にまわしたり、在庫の商品価値を過大評価するなどして、虚偽の黒字を維持していました。

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新社長の体制下にて、不正をただし赤字を計上し、金融機関及び取引先に事実を説明して支援を求めましたが、理解を得ることはできず破産申立に至りました。

3.てるみくらぶ

格安ツアーを販売する旅行会社のてるみくらぶは、2016年9月時点で約75億円もの債務超過に陥っていたにもかかわらず、これを隠蔽した破産申立直前まで営業を続けていました。

その結果、同社サービスを通じて宿泊代などの旅行費用を支払い済みだったにもかからわらず、渡航先の海外ホテルで代金を請求されるなど、数万人の旅行者に被害が生じた模様です。

同社では決算書の数値を操作した赤字実態を隠し、提出先別に複数の決算書を作成していた事実も発覚しています。被害者の総数は約9万人、被害総額は99億円にのぼると言われています。

4.東洋ゴム

自働車タイヤなどを主力とする東洋ゴムが製造・販売する建築用の免震ゴム部品に、性能データなどの偽装があったと、2015年3月に国土交通省から発表されています。同製品は地方自治体の庁舎、各地マンションや病院の建設に用いられており、性能不足の製品約2,900機が全国約150棟に使用されていました。

これを受け、大阪地検特捜部は不正競争防止法違反の罪で同社の製造子会社である東洋ゴム加工品を起訴しています。

製品性能に関する虚偽行為は真実を秘匿するという点で粉飾決算と共通していますが、製品自体の欠損を偽っていたり、性能を誇張したりすることで消費者等の生命にかかわる事件に発展する可能性も高いため、より深刻だとされています。

5.ルキオ

2016年11月、事業用大型プリンター機器の製造・販売を取得とするルキオは、福島県南相馬市に工場を新設するにあたり、社長自ら納入業者に虚偽の書類作成を指示して機械代等の購入費用を水増し請求させ、「ふくしま産業復興企業立地補助金」を不正に受け取った事実が発覚しています。

福島県と南相馬市は同社に補助金6億2,700万円の返還を命令するとともに、詐欺などの容疑で福島県警に告訴・告発する方針を示しました。同社は信用が失墜し、信金繰りに窮したことで2017年3月に約20億円の負債を抱えて事業を停止しています。

6.エヌ・ビー・ラボ

全国114施設を展開し、約800名の社員数を誇っていたサービス月高齢者向け住宅事業を展開していたエヌ・ビー・ラボは、埼玉県で経営していた訪問介護事業所にて介護報酬を水増し請求していたことが発覚し、約700万円の不正受給をしていたとして、2016年8月に介護保険施設の指定の取消を受けています。

これによって信用が悪化した同社は、施設をすべて他社に引継ぎ、約14億円の負債を残して破産申立を行っています。

7.フーズ・フォーラス

富山県を中心に焼肉チェーンレストラン等を20店舗経営していたフーズ・フォーラスの複数店舗において、ユッケなどの生肉を食した客100人以上が食中毒になり、そのうち5人が死亡しました。

これに対して富山県は、県内2店舗に対して無期限の営業禁止処分を下し、これを受けてフーズ・フォーラスは全店舗の営業を停止、その後は営業を再開することなく廃業しています。

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コンプライアンス違反を起こさないためには?

粉飾決算、性能偽装、不正受給など企業は常にコンプライアンス違反のリスクと隣り合わせで生きていると言ってよいでしょう。不正を明るみにすることは難しいですが、外部監査体制を構築することで不正防止効果があります。

コンプライアンス違反を起こさないためにまず大切なことは、経営トップがコーポレート・ガバナンスやインターナル・コントロールに対して強い意思表明をすることです。「我が社はコンプライアンス違反を絶対に許さない」というメッセージを組織の隅々まで行き渡らせ、不正をすれば必ずそれを表面化して、罰を与えることを十分に理解させることが大切です。

しかし、それでもコンプライアンス違反が起きる時は起きます。そうしたリスクを考慮して、システム面から不正防止や不正発覚に働きかけることもできます。

たとえばERP(Enterprise Resource Planning)を構築している企業では、各システムから情報を一ヵ所に集約管理し、システム全体のログ管理も可能です。従って、粉飾決算が起きようとしている状況でも、管理している情報からその事実を突き止めて、もしくは不正が起きないプロセスを構築して不正防止を行うことができます。

コンプライアンス違反が起きると自社にどのような損害が発生するのか?これを十分に整理した上で、最適な対策を取ることが現代社会において必要不可欠です。

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