コンプライアンスとは? 重要性と違反防止に向けた効果的な取り組み

 2018.09.20  クラウドERP編集部

近年、さまざまな場面において頻繁に耳にする「コンプライアンス」という言葉には、どんな意味があるのでしょうか。企業をはじめとした組織・団体は、コンプライアンス精神を重視したうえで、事業活動を進めていく必要があります。

今回は、コンプライアンスの意味や重要性について解説したうえで、コンプライアンス違反に向けた取り組みの具体例を紹介します。

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コンプライアンスとは?意味をわかりやすく解説

企業は事業活動において、「コンプライアンス」の意味やその重要性をしっかりと理解しておく必要があります。しかし、「なんとなく知ってはいるものの、具体的な内容はよく理解できていない」という人も実際には少なくありません。

「コンプライアンス」は、わかりやすく一言でいうと「法令遵守」という意味を持ちます。あらゆる事業者や団体には、社会的な信用を失わないためにも、コンプライアンスを重視した活動が求められます。

では、コンプライアンス違反をしないために、企業などの各組織や団体は法令のみを重視すれば良いのでしょうか。

コンプライアンスとは具体的に、法令や企業倫理、社会倫理などを含む、社会全体で守っていくべきルールを守る考え方を示します。つまり、企業には、「法令や倫理を守った模範的行動を心がけ、その事業活動を通じて社会貢献をしていくこと」が求められているのです。

コンプライアンスの考え方が重要視されている理由

近年、多くの場面で「コンプライアンス」という言葉が使われているのは周知の事実です。社会人であれば、深い意味を知らなくとも、「なんとなく理解している」「言葉は知っている」という人がほとんどでしょう。

では、これだけ世の中的にコンプライアンスの考え方が重視され、頻繁に取り沙汰されるに至ったのはなぜでしょうか。ここからは、その理由や背景について見ていきましょう。

 

規制緩和による企業の責任の増大

日本では、70~80年代に大幅な「規制緩和」が実施されました。規制緩和は、日本政府が実施した経済政策の一つで、民間企業が自由な事業競争をするにあたって、それまで実施されていた規制を緩和する動きになります。

結果として国内には大小さまざまな企業が乱立し、実際に日本の経済成長につながったといえるでしょう。

しかし、自由な競争ができるようになった反面で、企業には自由と引き換えに重大な責任が伴うようになったのは事実です。国のルールに縛られず自由競争ができるようになったからこそ、法令や社会倫理の遵守は企業がそれぞれ責任をもって遵守していく必要性が確立されたのです。

企業の不正行為や法令違反の増加

コンプライアンスという概念が重視されるようになったのは、企業の不正行為や法令違反などの事件が相次いだという背景も関係しています。

わかりやすいケースを挙げると、企業の食品偽装問題があります。2007年には有名メーカーが賞味期限切れの食品を販売していたことが発覚し、産地を偽装したりなど、食品偽装問題は頻繁に取り上げられる不正行為の一つです。

また、個人情報保護の精神が高まる昨今では、企業の個人情報流出の問題も見逃せません。2004年には、通信系の企業で400万件以上の顧客データ流出が明らかになりました。この事件には従業員が関わったとして非常に問題視され、企業が信用を失うきっかけになったのはいうまでもありません。

 

法令やモラルのあり方の変化

社会全体の環境や価値観の変化が、コンプライアンス精神重視の考え方に影響を与えている部分もあります。

例えば、2006年には会社法が改正されたことにより、資本金5億円以上もしくは負債総額200億円以上の企業は、コンプライアンス重視の業務体制を整備することが法律的に義務付けられました。また、同年には公益通報者保護法という新しい法律が施行され、これによって内部告発を行った従業員の権利は強固に守られるようになり、不当な解雇などがあった際には、企業は厳しく罰せられるようになりました。

 

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コンプライアンスとCSRの関係とは

ではここで、似た言葉・混同しやすい言葉との違いについて理解しておきましょう。コンプライアンスとよく似た言葉として、「CSR」があります。両者の違いとその関係は何でしょうか。

CSRとは?

CSR(corporate social responsibility)とは、「企業の社会的責任」の意味を持つ言葉です。

企業は、その規模が大きければ大きいほど、社会的な影響力や発言力も大きいと考えられます。誰もが名前を知っているような企業の動きには、多くの人が注目しています。

そのため、企業にはCSRの一環として、さまざまな取り組みを行う姿勢が求められているのです。

 

コンプライアンスとCSRの違いとその関係とは

CSRは、「企業には社会的責任がある」ことを示す考え方です。CSRの枠組みの一つとして、コンプライアンスがあると考えられます。そのため、社会貢献を実施していくという広義ではCSRもコンプライアンスも同じ意味を持ちますが、狭義では、CSRの取り組みの一つとして具体的なものにコンプライアンス精神があるといえるでしょう。

似た意味を持つコンプライアンスとCSRですが、具体的な違いもあるため、コンプライアンス=CSRと曲解しないように注意しましょう。

 

企業に求められるコンプライアンス遵守に向けた具体的な取り組み

企業は、コンプライアンス遵守のために、以下のような具体的な取り組みを実施していく必要があります。コンプライアンス精神の具体的なケースとして、取り組みを考える際には、以下の内容を参考しておくと良いでしょう。

 

従業員向けの相談窓口を作る

内部告発によって不正行為が発覚するケースは少なくありません。また、近年に社会問題となっている各種ハラスメントについても相談しやすいよう、相談窓口の設置は非常に重要です。不正や不祥事による影響が拡大する前に、事態を収束させられる場合もあります。従業員向けの相談窓口を設ける際には、匿名性を守るなど、相談しやすい環境を整えることが大切です。

 

コンプライアンス研修を定期的に行う

経営陣のみがコンプライアンス遵守の精神を理解していても、社内全体にその考え方はなかなか広まりません。定期的に研修やセミナーを実施し、社員一人一人の意識向上を図るきっかけを作る具体的な取り組みを心がける必要があります。

 

コンプライアンスマニュアルを整備する

コンプライアンスマニュアルをあらかじめ整備しておくことも重要です。マニュアルがあればそれぞれの判断にゆだねることなく、何が不正にあたるのか明確に理解することができます。

 

また、コンプライアンス違反があった場合、どのような罰則があるのかもマニュアルには具体的に示しておきましょう。コンプライアンス違反がどれだけ重いことなのか、罰則とともに示しておくことで、理解するきっかけを作ることができます。

 

まとめ

コンプライアンスとは、一言でいうと法令遵守のことを指します。しかし、企業は法令だけを守って活動すれば良いわけではなく、企業倫理や社会倫理全体を総合的に守ったうえで、社会貢献につなげていくことが重要です。

コンプライアンス違反を防止するためには、マニュアルの整備や相談窓口の設置などさまざまな取り組みが必要となります。また、業務システムとして、セキュリティ性能の高いものを導入しておくことも不可欠になるでしょう。

コンプライアンス関連ワード

まずはコンプライアンスに関連するワードを1つずつ説明します。

CSR(企業の社会的責任)

CSR(Corporate Social Responsibility)は直訳すると“企業の社会的責任”という言葉です。一般的には法令の遵守だけでなく、社会の一員として環境へ配慮する取り組みや、株主、顧客、取引先、従業員、地域などのステークホルダー(利害関係者)に対して説明責任を果たすことで、企業としての価値を向上することです。

このCSRの基礎になるのがコンプライアンスであり、最近では同義に近いものと考えられてきています。

コーポレートガバナンス

“企業統治”という意味があるコーポレートガバナンスは、企業のステークホルダーが経営者の利己的な判断を監視、牽制しながら経営をコントロールしていくという考え方です。コンプライアンスと並び、近年では多くの企業がコーポレートガバナンスへ意識を向けています。

内部統制

金融庁の定義(財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準のあり方について)によると内部統制とは「業務の有効性及び効率性」、「財務報告の信頼性」、「事業活動に関わる法令等の遵守」、「資産の保全」という4つの目的がすべて達成されていると合理的な保証を得るために、業務に組み込まれかつ組織内のすべての者によって遂行されるべきプロセスを指します。

リスクマネジメント

リスクマネジメントとは企業の経営活動や社会的活動における様々なリスクを想定して、そのリスクを回避または最小限にするための管理を指します。法令違反のリスクも管理対象ですので、この点においてはコンプライアンスと類似しています。


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