貿易コンプライアンスとは?

 2020.05.27  クラウドERP編集部

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昨今、「コンプライアンス(法令遵守)」が一般的に浸透しており、多くの企業がコンプライアンス違反に抵触するような行為や行動、思想などを排除する取り組みを積極的に行っています。「コンプライアンスを意識するあまりビジネスがつまらなくなっている」という見解は一部の人員から出ることもあるかと思いますが、やはり事業継続を脅かすようなリスクを回避することは、企業の生存において欠かせないものです。

ところで、皆さんの会社では製品やサービス、技術の輸出入を行っていますか?

その際にとても重要になるのが、貿易コンプライアンス(安全保障貿易管理コンプライアンス)に関する十分な理解をして、コンプライアンス違反に抵触しないようにすることです。

そこで本記事では、海外ビジネスを展開している事業者やビジネスパーソンが最低限知っておくべき、貿易コンプライアンスについてご紹介します。

貿易コンプライアンスとは?

貿易コンプライアンスとは?

コンプライアンスという言葉の語源は、「Comply with another’s wish(人々の願いに応える)」だと言われています。ビジネスにおける人々とは、当然ながら消費者や顧客企業を指し、さらには仕入れ先や自社企業の社員などあらゆる人々を含みます。「法律に触れていないのだから良いだろう」というのは最低限のことで、人々の願いに応えることを通じて健全な経営活動を維持し、尚且つ人々や市場のニーズを満たすことでより良し社会を築いていこうという想いも込められているのでしょう。

では、貿易コンプラアンスとは何か?それは、日本企業として日本の規制、各国の規制を守り、それぞれの文化を尊重した上で消費者の信頼と期待を裏切らず、社会に貢献することだと言えます。しかしながら、ここ数年では貿易コンプライアンス違反に抵触するような事例が相次いで発生していることも事実です。特に中国産食品に対する信頼性が世界的に低下しており、それを輸出する中国企業だけでなく輸入した企業においても貿易コンプライアンスに抵触した責任があると言えます。

貿易コンプライアンスを遵守することを具体的に説明しますと経済産業省が規定した一部の貨物や技術の輸出に関し、事前に許可・認可を得た上で適切な輸出手続きを行うことにあたります。

この重要性を正しく認識せず、輸出許可・認可が必要なものにかかわらず無許可で輸出した場合には、法律に基づき刑事罰や輸出禁止などの行政処分をくだされた事例が多くあります。

これらの貿易コンプライアンス違反は社会的信用を低下させるだけでなく、ブランドの崩壊により事業継続困難な状況を生み出すことにもなりかねません。また、日本国に閉じられることはないため問題が発生した時の対処は非常に複雑になることに加えて、国際的な問題にも発展しかねません。もちろん、大企業でも中小企業でも、コンプライアンスやリスクマネジメントの専門部署があろうとなかろうと、遵守すべき貿易コンプライアンスはかわりません。

コンプライアンスと内部統制システム
ガバナンス強化は企業成長の礎

外為法(がいためほう)による輸出管理規制

日本において貿易コンプライアンスを統制する輸出管理規制を取りまとめた法律を「外国為替および外国貿易法(外為法)」と呼びます。下図は外為法による輸出管理規制の規制項目を簡単に表したものです。

 

リスト規制とは、「兵器そのものや兵器開発に利用される可能性の高い汎用品」などを15品項目にリストアップしたものを指します。コオでは、輸出を予定している製品のスペックが貨物等省令の仕様に該当するか否かで判定します。

リスト規制15品項目

武器

銃砲・銃砲弾等

爆発物・発射装置等

火薬類・軍用燃料 他

原子力

核燃料物質・核原料物質

原子炉・原子炉用発電装置等

重水素・重水素化合物 他

化学兵器

軍用化学製剤の原料、軍用化学製剤と同等の毒性の物質・原料

化学製剤用製造機械装置等

反応器又は貯蔵容器の修理用の組立品等 他

ミサイル

ロケット・製造装置等

無人航空機(UAV)・製造装置等

ロケット誘導装置・試験装置等 他

先端材料

ふっ素化合物製品

芳香族ポリイミド製品

チタン・アルミニウム合金成形工具 他

材料加工

軸受等

数値制御工作機械

アイソスタチックプレス等 他

エレクトロニクス

集積回路

マイクロ波用機器・ミリ波用機器等

信号処理装置等 他

電子計算機

電子計算機等

通信

伝送通信装置等

電子交換装置

通信用光ファイバー 他

センサー等

水中探知装置等

光検出器・冷却器等

センサー用の光ファイバー 他

航法装置

加速度計等

ジャイロスコープ等

慣性航行装置 他

海洋関連

潜水艇

船舶の部分品・附属装置

水中回収装置 他

推進装置

ガスタービンエンジン等

人工衛星・宇宙開発用飛しょう体等

人工衛星等の制御装置等 他

その他

粉末状の金属燃料

火薬・爆薬成分、添加剤・前駆物質

ディーゼルエンジン等 他

機微品目

無機繊維他を用いた成型品

波の吸収材・導電性高分子

核熱源物質 他

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キャッチオール規制(補完的輸出規制)

上記に羅列したリスト既製品以外であっても、大量破壊兵器などの開発等に用いられる危険性が高い場合には、経済産業大臣の許可が必要になります。それがキャッチオール規制です。対象となるのはリスト規制に該当しない品目のうち、食料品と木材等を除いた全品目となります。下記に、大量破壊兵器等の開発等に用いられる危険性が高い貨物例をご紹介します。

https://www.meti.go.jp/policy/anpo/anpo03.html

品目

懸念されるよ用途

品目

懸念されるよ用途

1. リン酸トリブチル(TBP)

核兵器

21. TIG溶接機、電子ビーム溶接機

核兵器、ミサイル

2. 炭素繊維・ガラス繊維・アラミド繊維

核兵器、ミサイル

22. 放射線測定器

核兵器

3. チタン合金

23. 微粉末を製造できる粉砕器

ミサイル

4. マルエージング鋼

24. カールフィッシャー方式の水分測定装置

5. 口径75ミリメートル以上のアルミニウム管

核兵器

25. プリプレグ製造装置

6. しごきスピニング加工機

核兵器、ミサイル

26. 人造黒鉛

核兵器、ミサイル

7. 数値制御工作機械

27. ジャイロスコープ

ミサイル

8. アイソスタチックプレス

28. ロータリーエンコーダ

9. フィラメントワインディング装置

29. 大型トラック(トラクタ、トレーラー、ダンプを 含む)

10. 周波数変換器

核兵器

30. クレーン車

11. 質量分析計又はイオン源

核兵器、ミサイル

31. 密閉式の発酵槽

生物兵器

12. 振動試験装置

32. 遠心分離機

13. 遠心力釣り合い試験器

33. 凍結乾燥機

14. 耐食性の圧力計・圧力センサー

34. 耐食性の反応器

ミサイル、化学兵器

15. 大型の非破壊検査装置

核兵器

35. 耐食性のかくはん機

16. 高周波用のオシロスコープ及び波形記憶 装置

36. 耐食性の熱交換器又は凝縮器

17. 電圧又は電流の変動が少ない直流の電源 装置

37. 耐食性の蒸留塔又は吸収塔

18. 大型発電機

38. 耐食性の充てん用の機械

19. 大型の真空ポンプ

39. 噴霧器を搭載するよう設計された無人航空 機(UAV)(娯楽若しくはスポーツの用に供する 模型航空機を除く)

ミサイル、生物兵器、化学兵器

20. 耐放射線ロボット

40. UAVに搭載するよう設計された噴霧器

以上のように、輸出物は外為法によって厳しく規制されており、知らずのうちに貿易コンプライアンス違反を犯している可能性があります。この機会に、外為法を含むコンプライアンス違反について熟知し、違反リスクを限りなく低減しましょう。

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