経営分析の手法を知って強い会社を作るポイント

 2019.01.08 

  クラウドで予算業務・管理会計改革!

経営方針を決定するにあたって、経験や勘をもとに戦略を立案するような時代はすでに終了しています。昔に比べてビジネスの変化スピードは高速化しているので、確証のない判断で舵を切るのは危険なことです。つまり、データドリブンな行動が求められており現代ビジネスに求められているのは「データを基準にした経営判断」です。

しかしながら、すべての企業がデータサイエンティストを抱えているわけではないので、一般的な経営分析は自分たちで対応していかなければなりません。ここでは、今までデータ分析を行ったことが無い方でもできる、経営分析の手法と、強い会社を作るためのポイントをご紹介します。

経営分析の基本!「SWOT分析」と「3C分析」

「SWOT分析」と「3C分析」は経営分析において最も基本的な手法ですが、大手経営コンサルティング会社でも使用しているようなものです。なので、2つの経営分析をもってすればデータにもとづいた経営判断を下すことができます。それではそれぞれの分析方法をご紹介します。

SWOT分析

「SWOT」とは4つの言葉の頭文字を取ったものです。その言葉とは「Strength(強み」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」それと「Threat(脅威)」です。分析項目を具体的に説明しましょう。

Strength(強み)とは、会社の主力商品や優秀な人材、あるいは優れたサービスなど会社が持つ長所(コアコンピタンス)を指します

Weakness(弱み)とは、会社が抱えている問題点や同業他社と比べて劣っているサービスなど、会社が持つ短所を指します

Opportunity(機会)とは会社が属する業界のポジティブな市場動向や、業界に対する顧客の好印象など、会社に周囲をとりまくポジティブな機会を指します

Threat(脅威)とは、会社が属する業界のネガティブな市場動向や業界に対する良くない風評など、会社のビジネスを脅かすような外的要因を指します

これら4つの分析項目を整理することで、新しい経営上の知見を発見していくことにあります。たとえば会社の強みを生かして機会を勝ち取るためにはどういった経営戦略が必要なのか、あるいはどういった弱みを補強して脅威から会社を守るのかといったように分析を進めていきます。

SWOT分析の例

Strength(強み)

会社独自の技術によって他社には真似できないコアコンピタンスを持っており、それによって一定のシェアを獲得している

Weakness(弱み)

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マーケティング施策が弱く、適切なターゲットに製品情報を届けられていない可能性が高い

Opportunity(機会)

AIやIoTとの連携によって革新的なサービスを提供できる機会が多く、ユーザーもそれに注目している

Threat(脅威)

上記の技術によって破壊的な市場に生まれる可能性が高く、自社のコアコンピタンスが崩れる恐れがある。

これはあくまで一例なので、こうして会社の「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」それと「Threat(脅威)」を改めて整理すれば、どこを伸ばしてどこを補強するのか、何に備えればよいのかなどの情報を整理して、経営方針に取り入れることができます。

3C分析

次に3C分析について説明します。3C分析は「Customer(顧客」「Competitor(競合)」それと「Company(自社)」という、「C」からはじまる3つの言葉を分析項目として経営状況を整理するための手法です。各項目の分析内容は次の通りです。

Customer(顧客)では、会社が属する市場における顧客の動向を分析します

Competitor(競合)では、競合他社が生み出す製品そのものや実績、さらにその達成手段や過程を分析します

Company(自社)では、顧客動向と競合他社の分析結果をふまえて、市場における自社のポジションを明らかにしていきます

3C分析はSWOT分析と合わせることで会社が置かれている経営状況をより詳細に知ることができ、「自社は今後何を目指せばよいのか?」という疑問への判断材料になります。

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経営分析に必要な定性データと定量データ

経営分析には2種類のデータが必要です。1つは「定性データ」といって、数値では表すことが難しいデータを指し、先ほど提示した「SWOT分析の例」に記載している情報が定性データということになります。具体的な数値で何かを表すといよりも、経営者やデータ分析者の主観によって整理した情報のことです。

それに対して「定量データ」とは具体的な数値で表されたデータのことであり、たとえば自社や競合他社の売上データや、販売量、客単価、顧客数、LTV(顧客生涯価値)数値などが定量データとして該当します。経営分析にとってどちらのデータの方が重要かというと、どちらも決して欠かせません。

定性データはあくまで主観的な意見になり、経営分析において仮説のような役割を持っています。なので定性データだけで経営判断を下していくことは難しいでしょう。大切なのは定性データに定量データを加えて、仮説を証明し、さらには定量データからしか得られない情報を読み取ることです。

たとえばですが、とあるコンビニエンスストアでは商品ランキングが圏外の商品をロングセラーとして扱っています。その理由は、そのコンビニエンスストアに高いロイヤリティを持つ一部の消費者から根強い人気があり、その商品を無くしてしまうことは、一部の熱狂的な消費者のロイヤリティを下げることになるからです。こうした情報は定性データだけでは見出せなかったでしょうし、定量データだけでも難しかったでしょう。定性データと定量データは常にセットで考え、経営分析を実行していくことが大切です。

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その他の経営分析手法

SWOT分析と3C分析以外にも経営分析手法はありますので、その一部を簡単にご紹介します。

4P分析

「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(広告)」という4つの分析項目から、製品やサービスをお客様に届けるにあたって、正しいマーケティング戦略を立てるための基本的な分析手法です。

RFM分析

「Recency(リーセンシー)」「Frequency(フリクエンシー)」「Monetary(マネタリー)」という3つの分析項目で顧客をスコアリングし、各顧客が自社とどういった関係にあるかを理解するための分析手法です。

行動トレンド分析

行動トレンド分析は主にアパレルなどシーズン性の強い製品を展開している場合に活用する顧客分析手法です。たとえば顧客を年齢別にグルーピングして、年齢とシーズンごとに購入しやすい商品を明確にします。

定量データの収集にERPが必要になる!

定性データは経営会議を通じて情報を整理していくことで収集できますが、定量データばかりは各業務システムから抽出する必要があるため非常に手間がかかります。もちろん必要なデータは1種類ではないので、各業務システムから必要なデータを抽出するとなると、かなりの手間と時間がかかることでしょう。従って経営分析を行う頃には数週間前のデータを参照していることになり、リアルタイムな経営分析が難しくなります。

そこでERP(Enterprise Resource Planning)がおすすめです。ERPは組織全体に分散されている業務システムが統合され、1つのデータベースで管理されているため、定量データの抽出が非常に楽になります。データフォーマットは統一されているので加工の必要はありませんし、ERPにBI(Business Intelligence)やAIが統合されていれば、ERP上で経営分析を実行することも可能です。

正しい経営分析によって会社の経営方針を正しく設定し、継続的に成長するビジネスのためにもぜひERPをご検討ください。

経験や勘からの脱却、データ主導の意思決定が企業成長には不可欠

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