今ビジネスインテリジェンスに求められるもの

 2022.03.11  クラウドERP編集部

新入社員、新規配属の方必見!ERP入門特集

デジタル技術の進歩とともに企業が取り扱うデータ量は指数関数的に増大しており、蓄積された情報をいかにしてマネージメント領域に活用するかが重要な経営課題となっています。そこで重要な役割を担うのが「ビジネスインテリジェンス」です。本記事では、ビジネスインテリジェンスの概要や主な機能、必要とされる理由などを解説します。データドリブンな経営体制の構築を目指す企業は、ぜひ参考にしてください。

ビジネスインテリジェンス(BI)とは

ビジネスインテリジェンスとは、基幹系システムや情報系システムなどに蓄積されているデータを分析し、経営判断や意思決定を支援する仕組みや技術を指す用語です。「Business Intelligence」の頭文字をとって「BI」とも呼ばれます。事業活動によって蓄積されたデータを分析し、マーケティング戦略の立案やプロモーション展開の策定といった領域に活用することがビジネスインテリジェンスの主要な役割です。

現代は情報通信技術やクラウドコンピューティングなどの発展に伴ってデータの重要性が高まっており、「BI・コンピテンシー・センター」を設置する企業も少なくありません。BI・コンピテンシー・センターとは、ビジネスインテリジェンスの推進を目的とする部門横断型の専門組織です。データドリブンな経営体制を構築すべく、このような組織を設置してビジネスインテリジェンスの推進に取り組む企業が増加する傾向にあります。

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ビジネスインテリジェンス(BI)ツールとは

ビジネスインテリジェンスツールとは、組織に収集・蓄積されている膨大なデータの可視化に特化したソリューションです。例えば、「キューブ(cube)」と呼ばれるデータベースを用いた多次元分析を実行し、データをグラフやフローチャートにビジュアライズするといった機能を備えています。Excelでは実現できない高度な経営管理や売上分析のシミュレーションを可能にするソリューションであり、データ分析基盤を構築する上で欠かせない要素の1つです。

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ビジネスインテリジェンスツールの主な機能

従来、データの可視化や分析には、情報科学や統計解析に精通したプロフェッショナルの存在が不可欠でした。ビジネスインテリジェンスツールは、データアナリストやデータサイエンティストなどの専門家だけでなく、一般ユーザーでもデータをレポートやグラフなどに落とし込み、可視化する機能を備えています。具体的には、以下のような機能によって経営層やマネージャーなどの意思決定を支援します。

分析レポート

ビジネスインテリジェンスツールが持つ代表的な機能と言えるのが、可視化したデータのレポーティング機能です。多次元分析やOLAP分析、プランニング、データマイニングやテキストマイニングといった機能によってデータをグラフやフローチャートに落とし込み、分析結果をレポートとして出力します。

ダッシュボード

ダッシュボードはビジュアライズされたデータや分析レポートなどを一画面にまとめて表示する機能です。目的に応じてダッシュボードに必要な情報を表示・追加することで、客観的な視点から多角的にデータを分析できます。

KPI表示

KPIの管理機能を搭載しているビジネスインテリジェンスツールも少なくありません。KPIは最終目標に到達するために必要な中間目標の達成度合いを評価する指標です。KPIをダッシュボードに表示して各種データと比較することで、目標達成に至る道筋をより詳細かつ具体的に把握できます

業務アラート

業務アラートはダッシュボードに表示される各種データに基づいて境界線となる値を設定し、その条件に応じて通知を送る機能です。例えば、何らかの異常値が検出された場合も、一目で確認するべき項目を把握できるため、的確かつ迅速な対処が実行可能となります。

アウトプット

ここまで見てきたように、ビジネスインテリジェンスは分析レポートの出力やKPI表示といった機能によってデータをアウトプットし、俯瞰的な視点に基づくデータ分析を可能にします。CSVやExcelへのエクスポートも可能なので、データ分析だけでなく、管理会計や財務会計といった領域でも活用できます。

ビジネスインテリジェンスツールはデータドリブン経営に最適

データを起点とした経営判断や意思決定を行うデータドリブンな組織体制を構築するためには、データ分析を実行するシステム環境を整備しなくてはなりません。データ分析は基本的に「収集」→「蓄積」→「加工」→「可視化」→「分析」というプロセスをたどります。一般的に収集されたデータはデータレイクに蓄積され、ETLツールがそこから情報を抽出・加工し、構造化されたデータをデータウェアハウスへ送出します。

その後、データウェアハウスに保管されているデータをビジネスインテリジェンスツールと連携することで可視化します。そして分析によって得られた知見を、戦略の立案・策定に活用していく、という流れが基本的な分析プロセスです。
勘や経験といった直感的要素に頼る経営体制を脱却し、上記のようなデータドリブンな組織体制を構築するためには、やはりビジネスインテリジェンスツールの導入が不可欠と言えます。

ビジネスインテリジェンスを搭載する統合型ERPとは

経済産業省が警鐘を鳴らす「2025年問題」やSAPの「2027年問題」が差し迫っており、ERPシステムの刷新やクラウドマイグレーションを検討している企業も多いかもしれません。そうした企業にとって、ERPシステムの選定は頭を悩ませる大きな課題の1つと言えるでしょう。

そこでおすすめしたいのが、データベース管理システムの分野で世界トップシェアを誇るOracleの統合型ERP「NetSuite」です。

NetSuiteは「NetSuite Business Intelligence」と呼ばれる機能を搭載しており、ビジネスインテリジェンスが一体となったクラウド型のERPシステムです。財務会計・人事管理・購買管理・生産管理・販売管理といった基幹業務を統合的に管理するだけでなく、データの傾向や規則性などを視覚的に表現するデータビジュアライゼーションを実行可能なシステムとなっています。

データドリブン経営に統合型ERPを利用するメリット

NetSuiteのようにERPシステムとビジネスインテリジェンスが一体となったソリューションを活用することで、以下のようなメリットを組織にもたらします。

情報の一元管理

従来、基幹系システムは各部門で個別に管理されているのが一般的でした。この状態では各部門の業務形式に最適化されてはいるものの、部門を横断した情報共有や業務連携の遅れを招きます。統合型ERPの導入によって基幹業務を一元的に管理できれば、全社横断的な情報共有と業務連携が可能になり、組織全体の業務効率化と生産性向上へ大きな期待を持てるでしょう。

リアルタイム経営の実現

変化の加速する市場に対応していくためには、迅速な意思決定が欠かせません。統合型ERPによって財務会計・人事管理・購買管理・生産管理・販売管理といった基幹部門の業務データを一元管理することで、企業の経営状況をリアルタイムに把握できます。こうした環境でなら、不確実な市場に対しても迅速かつ的確な意思決定を柔軟に下せるようになり、より盤石な経営基盤構築につながるでしょう。

簡単なレポーティング機能

従来、OLAP分析やデータマイニングといった分析手法を実行するためには、データアナリストやデータサイエンティストといったスペシャリストの知見が不可欠でした。NetSuiteのようにERPシステムとビジネスインテリジェンスが一体となったソリューションであれば、専門的な技術を用いることなく簡易的なデータ分析や分析結果のレポーティングが可能です。

時間と場所を選ばないアクセス

クラウド型ERPのNetSuiteは、時間や場所、利用デバイスに縛られないシステム環境を構築できます。例えば、テレワークでは従業員の自宅からVPNを用いて社内ネットワークにアクセスする体制を構築している企業も少なくないはずです。しかしこうした環境では、外部からのアクセスが増加するほどVPN機器に負荷がかかり、レスポンス低下を招きます。一方SaaS型のNetSuiteであれば、リモート型の労働環境でも柔軟に対応できるERPシステムを構築可能です。

まとめ

ビジネスインテリジェンスツールは、基幹系システムや情報系システムなどに蓄積されているデータを分析し、経営判断や意思決定を支援するソリューションです。データの傾向や規則性などをグラフやフローチャートにビジュアライズし、客観的かつ俯瞰的な視点に基づくデータ分析を可能にします。データドリブンな経営体制の構築を目指す企業は、ビジネスインテリジェンスツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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