支出分析とは?企業経営に必要不可欠な要素とその進め方を解説

 2020.06.11  クラウドERP実践ポータル

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企業経営では「何を」「誰から」「どうやって」「いくらで」「どれくらい」購入しているか、いわゆる「コスト」を正確に把握しながら、最適化を図ることが重要になります。そこで欠かせないのが「支出分析」です。購買におけるコストの構造を理解し、費用を削減できる部分と増加すべき部分を明確に分けることで、単なるコスト削減ではなく購買・調達における付加価値創出も期待できます。今回は企業の支出分析に関してご紹介します。皆さんもぜひ、この機会に支出分析へ取り組んでみましょう。

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3つのステップで実施する支出分析

支出分析ではモノやサービス、サプライヤーといった情報を整理して支出の全体像を明らかにし、その後の分析作業の重複や無駄をなくすことが主な目的になります。ここでは、基本的な支出分析を実施するための3つのステップをご紹介します。

ステップ1. 現状仕様分析

一般的に購買には間接材の購買と直接材の購買の大きく2つのパターンが存在します。直接材の購買は、自社製品を製造する際に構成する部品や材料など製品に紐づくもの購買です。一方で間接材は工場や店舗などにおける副資材や什器備品、設備・装置、研究開発用材料、試作部品、一般購買品などのものです。例えば消しゴムや鉛筆といったわかりやすい項目であれば分析しやすいのですが、発注書ベースでは分析しづらいケースが多々あります。その場合に必要になるのが仕様分析です。

現状の仕様分析ではまず、取引先から提供される仕様書の中からコストに大きな影響を与える要素(コストドライバー)を明らかにした上で、コストの構造と仕様分析を通じて支出に関する情報を収集します。特に重要なのが技術仕様を個別要素に分解し、各品目に適した粒度に分類して整理することです。

技術仕様とは、製品が持つ構造やサイズ、デザインや材質などを指します。取引先ごとに保有している技術や設備は異なるので、技術仕様ごとに要素分解していくと同等仕様の品目が分類・集約されていき品目カテゴリが完成します。品目カテゴリごとに対応する取引先群も決まるため、技術仕様が整理されているとそれぞれの品目ごとに分析するといった非効率的な作業をしないで済みます。さらに、品目カテゴリごとにその後の検討も行いやすくなるでしょう。

品目カテゴリを作成するにあたり「取引先業界が特定できること」「原価構造が同等であること」を基準とします。厳密なカテゴリ分類は難しく、初期段階では原価構造が分かりにくいため取引先の業界ごとに判断します。

 

ステップ2. 現状取引先分析

現状取引先分析ではサプライチェーン(供給連鎖)を可視化し、社内のどの部署の誰が、何をどの取引先から購入しているのかを把握しながら、取引先を適切なカテゴリに分けていきます。カテゴリに分けることで無駄な発注、同じ商材でも高価な取引先への発注などが頻発していることを防ぐことが可能になります。また、この取引先カテゴリがない場合、委託範囲を決定する際にリストアップする取引先候補が際限なく出現することになりますので非効率的と言えるでしょう。一方、取引先カテゴリがあればリストアップする取引先候補の数が絞られ、委託方針を効率的に決定できます。

また、この現状取引先分析は、現状仕様分析と並行して実施するのが基本であり、コスト削減戦略を効率的に決定するための基礎情報となります。

ステップ3. 現状取引条件分析

発注書や契約書など明文化された取引条件をもとに発注業務分析を行い、発注から納品までの実務を明瞭にすることで「誰が」「いつ」「どんな方法で」発注したものが、「誰によって」「いつ」「どんな方法で」納入されているのかを明らかにできます。さらに、取引条件分析では買い手軸と時間軸の両視点から発注から納入までの現場実務を可視化していきます。

買い手軸

社内のどの部署かだけでなく、誰が発注しているかを明確にした上で発注者が購入品目の決裁者ではない場合、誰が決裁権を持っているかも明らかにします。発注者を明確にすることで社内の複数部署をまたがって同じ品目を購入している場合、発注元を統合することでコスト削減のための交渉材料が用意できることがあります。

例えば、同一品目の生産ロット単位で購入できれば段替えの工数や原材料の無駄を省くことになり、尚且つ取引先工場が閑散期に一括生産してもらうことで製造原価を下げて納入単価を下げてもらうことなども可能となります。

時間軸

次に、発注者がいつ発注しているのかを明確にします。発注のタイミングを最適化することにより、納入時期が分散していたがためにかかっていた物流コストが削減され、納入単価が下がりリードタイムが伸びることで取引先での残業稼働時間が少なくなり、加工費が下がって単価を下げることが期待できます。

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支出分析のメリット

上記のステップにより、支出分析は行われます。では、支出分析によってどのようなメリットが享受できるのでしょうか?

メリット1. 支出構造が明らかになることでコスト削減へ効率的に取り組める

購買活動におけるコスト削減を目指すためにはまず、「何を」「誰から」「どうやって」「いくらで」「どれくらい」、購入しているのか。加えて「「誰が」「いつ」「どんな方法で」発注しているのかを明らかにすることがとても重要です。支出分析を通じてこうした支出構造を視覚的に理解することになり、コスト削減にためにどの取引先を選び、何を削るべきなのかが明確になります。

メリット2. 購買業務の可視化にもなり購買プロセスの簡素化が図れる

支出分析を通じて複雑な購買業務を可視化することにつながります。購買活動におけるコスト削減では単価削減や取引先との交渉だけでなく、社内の購買業務に携わる社員の人件費削減も取り組みとして含まれます。そのために購買業務を可視化し、購買プロセスを組み換えたり、統合することで、プロセスを簡素化して人件費削減が期待できます。

メリット3.発注者を特定した同一品目の発注を統一することで単価削減が狙える

社内で複数の社員が同一品目を個別に発注している場合、大口発注による単価削減が期待できません。また、同一品目を発注してるにもかかわらず物流コストが余計にかかってしまうため、支出分析を通じて発注者を特定し、同一品目の発注を統一することで単価削減が狙えます。

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