DtoCとは?注目を集める理由や成功事例を紹介!

 2020.12.16  クラウドERP実践ポータル

近年、商品の販売戦略として「DtoC(ディートゥーシー)」が注目を集めています。従来の販売方法とはどこが違うのか、取り組むことで自社にどんなメリットがあるのか、気になる方も多いことでしょう。そこで当記事では、DtoCとは何かを基礎からわかりやすく解説するとともに、DtoCをより深く理解できるよう、国内外のさまざまな成功事例を紹介します。

DtoCとは?注目を集める理由や成功事例を紹介!

DtoCとは

「DtoC」とは、「Direct to Consumer」の頭文字をとったものです。メーカーが自社で開発・製造した商品を、問屋や小売店などの中間業者を介さず、直接消費者と取引して販売するビジネスモデルを指します。例えば、PCメーカーがインターネットを通じて直接消費者に商品を販売するのも、DtoCに該当します。

DtoCとBtoCの違い

DtoCと似た言葉に「BtoC」があります。これは「Business to Consumer」の頭文字をとったもので、企業(主にスーパーやコンビニなどの小売店)が、商品やサービスを一般消費者に提供するビジネスモデルを指します。

これらの企業は、自社で商品を製造しているわけではなく、メーカーから仕入れた商品を販売する立場にあります。この点が、DtoCとは大きく異なります。

なぜ今DtoCが注目されているのか

では、なぜ今DtoCが注目されているのでしょうか。その背景には、SNSの普及に伴う消費者ニーズの変化があります。

SNSの普及によって、消費者の多くはGoogleなどの検索エンジンでなく、SNSを情報収集の主な手段として活用するようになりました。それに付随して、消費者間でのコト消費傾向が増し、従来のような機能性を前面に押し出したプロモーションでは、なかなか商品が売れなくなっていたのです。

DtoCでは、SNSをブランディング手段として活用し、商品の特徴やメーカー・ブランドの世界観をSNSで発信します。それに共感したユーザーが商品を購入し、さらにそれを周りにシェアすることで、サイクルが回っています。

商品コンセプトやストーリーを直接消費者に紹介できるSNSは、コト消費傾向が強まる近年において、企業の認知度を高めるのに好都合と言えます。この点から、消費者とのマッチングを図るべく各企業が続々とSNSに参入し、DtoCが注目されるに至りました。

また、ECサイト構築のハードルが下がったことも理由のひとつです。オンラインでの商品販売においては、「楽天」「Yahoo!Japan」「Amazon」といった大手ECサイトの影響力が強い現状にあります。

集客という観点からすれば、これら大手ECサイトに頼ったほうがよいものの、「手数料が高い」「価格のコントールがしにくい」といったデメリットがあります。例えば2020年、楽天がモール出店者に対して送料無料化制度への参加を強制した件は、今も記憶に新しいでしょう。このように、ECサイト側の意向に従う必要がある点は、企業側にとって大きなマイナスと言えます。そのためDtoCに転換し、独自の販路を獲得する動きが強まっているのです。

DtoCのメリット

メーカーがDtoCに取り組むメリットとして、以下の3点が挙げられます。

顧客との関係強化

直接消費者が商品を購入する形態のため、顧客との関係強化がしやすくなります。商品に対する要望や不満などの声も拾いやすく、商品を購入し利用した声をダイレクトに受け止められる点がメリットです。

さらに、顧客データを蓄積できる点も大きいです。データを分析することで、さらなる商品開発に活かしたり、販売戦略を立てたりすることに役立てられます。

利益率の向上

実店舗を持たずオンライン専業で販売を行うため、店舗運営費が不要になります。またDtoCでは、問屋や小売店などの中間業者を介さないため中間マージンが抑えられ、利益率も高くなります。その分、リーズナブルな価格で商品を販売できます。

商品ブランドの向上

メーカーから直接情報発信ができるため、自社で開発したブランドイメージをそのまま伝えられる点がメリットです。他社商品と一堂に商品を並べられるECモールとは違い、自社独自のECサイトを構築することで差別化が可能です。

DtoCのデメリット

多くのメリットがある一方で、いくつかデメリットもあります。自社でDtoCを検討する際は、以下の点に注意しましょう。

システム開発のコスト

ECサイト開発のコストはかなり下がったものの、自社で満足する機能を導入しようとすると、相応のコストがかかります。もちろんランニングコストや、運営担当者の手配作業も考慮しましょう。

今まで自社サイトでの販売がなく不安な場合は、自社で開発する前に「STORES.jp」や「BASE」のようなクラウドサービスでテスト販売して、様子を見るという選択肢もあるでしょう。

コンテンツ発信の手間

メーカーから直接情報を発信し、自社で販売戦略や情報発信をコントロールできるということは、裏を返すとすべて自社で行わなくてはいけないということです。大手ECサイトの集客力を利用しない分、自社で情報発信を行う手間がかかる点には注意が必要です。もちろん、プロモーション施策なども自社で企画・実施することになります。

DtoCでは、SNSを使った情報発信が効果的です。InstagramやFacebookなどを有効活用し、顧客と直接コミュニケーションを取ることが成功につながります。

実際に商品を手に取ることが難しい

DtoCはオンライン販売が主であるため、実際の商品を手に取ることができない点もデメリットです。SNSなどで商品情報をきめ細やかに発信する、ポップアップショップを利用するなどでフォローしましょう。

海外でのDtoC成功事例

国内ではまだそれほど広がりを見せていないDtoCですが、先行するアメリカでは、多くの成功事例があります。

Glossier(グロッシアー)

アメリカのコスメブランド「Glossier(グロッシアー)」は、人気ブロガーがオリジナルブランドを販売して成功した、DtoCブランドの代表例です。

Glossierを創業したエミリー・ワイズ氏は、ファッション雑誌「VOGUE」での勤務経験を活かして、2010年から「INTO THE GLOSS」というブログを運営し、月間140万アクセスを獲得していました。同氏は「ユーザーの意見を取り入れたコスメを作りたい」という想いから、2014年にブランドを立ち上げ、自社サイトで販売。結果、爆発的なヒットを生みました。

販売サイトにブログから流入したユーザーのほうが、それ以外のユーザーよりも購入率が高い、という傾向があります。Instagramでの情報発信も積極的に行い、商品に同梱したステッカーを投稿してもらう施策などで、大きな効果を上げています。

ROCKETS OF AWESOME(ロケッツ・オブ・オーサム)

アメリカの子ども服メーカー「ROCKETS OF AWESOME(ロケッツ・オブ・オーサム)」は、サブスクリプション型を取り入れた販売モデルで成功したDtoCブランドです。

自分の子どもの好みやサイズ、一度に配送してほしいアイテム数をユーザーが回答し、ROCKETS OF AWESOMEが1年に4回商品を定期配送します。商品配送前にアイテムをプレビュー可能で、発想を承認・拒否できるようになっているのが特徴です。しかもユーザーは、到着した商品を試着し、気に入った商品だけを購入して、残りは返送します。

送料も返送も無料で、試着後に支払いをするシステムのため、安心して商品を購入できる点が好評を博しました。子ども服を選ぶ手間を削減可能なサービスとして話題となり、創業からわずか半年で23億円を調達します。

国内でも「エアクローゼット」など類似のファッションサブスクサービスもありますが、ROCKETS OF AWESOMEはその先駆けと言えるでしょう。

Casper(キャスパー)

DtoCの成功事例として有名なのが、アメリカのマットレスブランド「Casper(キャスパー)」です。

もともとアメリカでは、街中に数多くのマットレス店があるなど、大きな市場を持っていました。商品購入の決め手は寝心地のため、実際にマットレスを確認してから購入したい人が多かったことも影響しています。また、商品のバリエーションも多彩で、自分に合ったマットレスを選ぶのに苦労する、という課題もありました。

こうしたニーズを受けてCasperでは、寝心地にこだわった1つのモデルに絞って、自社サイトで販売を行いました。高品質の製品をリーズナブルに購入でき、しかも1種類ゆえ迷う必要もないという点がアメリカの消費者から支持され、大きく販売数を伸ばしました。加えて、マットレスを圧縮した独自のパッケージを開発し、物流コストのカットにも成功しています。

国内でのDtoC成功事例

続いて、国内におけるDtoCの成功事例について紹介します。

バルクオム(BULKHOMME)

「バルクオム(BULKHOMME)」は、男性向けのスキンケアという新たな市場で、従来とは異なるマーケティングで成功したメンズコスメブランドです。

同社では、あえて流行に乗らないベーシックさを売りにし、SNSを中心にシンプルなパッケージを積極的にアピールして、大手メーカーとは異なる独自のブランドを確立しました。木村拓哉氏など有名人を起用したブランディング型のPRも得意としており、順調に売上を伸ばしています。

ミニマル(Minimal)

クラフトチョコレートメーカー「ミニマル(Minimal)」では、カカオ豆の品質にこだわり、仕入れ・製造・販売・管理までを一貫して行う「Bean to Bar Chocolate」という独自のスタイルで商品を販売しています。

DtoCでありながら実店舗を持っていることが特徴で、商品の世界観やこだわりを伝える場として機能しています。SNSでの情報発信でも力を入れているほか、毎月旬の商品が3枚届く「カカオツアー」と呼ばれる定期便を展開するなど、ユーザーが新たな商品と出会う場も用意しています。ほかにはない独自のブランドスタイルを、SNSと実店舗で情報発信して成功に導いた好例と言えるでしょう。

ボタニスト(BOTANIST)

株式会社I-neが展開するライフスタイルブランド「ボタニスト(BOTANIST)」では、価格よりも品質を重視し、高品質かつシンプルなパッケージを売りにしています。

同社は、もともとモバイル通販事業とインターネット広告代理事業を行っていたため、まずデジタルマーケティングに注力してECサイトで販売実績を積みました。その後、ドラッグストアなど実店舗でも商品を販売して、売り上げを伸ばしています。

Instagramに注力したユーザーコミュニケーションを行っていることが特徴で、広告費をかけずにSNS活用で認知拡大に成功した例です。

[SMART_CONTENT]

まとめ

「DtoC」は、メーカーが直接消費者に販売するビジネスモデルとして、近年注目を集めています。DtoCは、メーカー側にとって多くのメリットをもたらすだけでなく、SNSが普及した現代にも適しているため、今後さらに広がっていくことも予想されます。

世の中全体でリアル店舗での販売からオンライン販売へとシフトし始めている今日。企業にとっては、DtoCに取り組み始める絶好のタイミングと言えるでしょう。今回紹介した事例なども参考に、ぜひ検討してみてください。


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