日々の経理業務に追われ、「このままでいいのか」と将来のキャリアプランに不安を感じていませんか?AIやDX化が進む現代において、5年後、10年後も市場価値の高い人材であり続けるためには、戦略的なキャリア設計が不可欠です。結論として、これからの経理にはデータを活用して経営に貢献する「攻めの経理」への変革が求められます。本記事では、経理の経験を活かして財務、経営企画、CFOといった専門職へステップアップするための具体的なロードマップを徹底解説します。
この記事でわかること
- 経理経験を活かせる具体的なキャリアパスの種類
- 財務・経営企画・CFOなど各職種で求められるスキルと経験年数
- 5年後、10年後も市場価値の高い経理人材であり続けるためのヒント
- 理想のキャリア実現を妨げる企業の課題とその解決策
- これからの時代に求められる「攻めの経理」への変革の重要性
その経理キャリアプランで大丈夫?5年後10年後も活躍できる人材とは
経理としてのキャリアを歩む中で、「このままで良いのだろうか」「5年後、10年後も自分は第一線で活躍できているだろうか」といった漠然とした不安を感じていませんか?テクノロジーの進化、特にAI(人工知能)の台頭により、経理業務は今、大きな変革期を迎えています。これまで当たり前だった業務が自動化され、経理担当者に求められる役割も急速に変化しているのです。変化の波を乗りこなし、市場価値の高い人材として生き残るためには、未来を見据えた戦略的なキャリアプランの再設計が不可欠です。
AI時代に淘汰される経理と市場価値が高まる経理
「AIに仕事が奪われる」という言葉を耳にすることが増えましたが、経理の仕事がすべてなくなるわけではありません。正確に言えば、仕事の内容が「変容」するのです。AIやRPA(Robotic Process Automation)が得意とするのは、ルールに基づいた反復的な定型業務です。一方で、複雑な状況判断や戦略的な思考、他部署との連携といった非定型業務は、依然として人間の専門性が求められます。これからのキャリアを考える上で、自身の業務がどちらに分類されるのかを冷静に分析し、より付加価値の高い領域へシフトしていく意識が重要になります。
業務領域 | AIやRPAに代替されやすい業務(オペレーター) | 今後さらに価値が高まる業務(ビジネスパートナー) |
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データ入力・処理 | 仕訳伝票の入力、請求書の発行・封入、経費精算のチェック | 会計システムやERPの導入・運用設計、業務プロセスの改善提案 |
債権・債務管理 | 売掛金の消込作業、買掛金の支払処理 | 与信管理の高度化、キャッシュフローの最適化提案 |
決算業務 | 単純な勘定科目の集計、定型的なレポート作成 | イレギュラーな会計処理の判断、M&Aにおける財務デューデリジェンス |
情報提供 | 過去の数値データをまとめた資料作成 | 財務データに基づく経営分析、予算実績差異の原因分析と改善策の提言 |
5年後、10年後を見据えたキャリアプランの重要性
ビジネス環境が目まぐるしく変化する現代において、キャリアプランの重要性はかつてないほど高まっています。終身雇用が当たり前ではなくなり、個人の専門性が問われる「ジョブ型雇用」への移行が進む中、企業に依存するのではなく、自らの市場価値を主体的に高めていく必要があります。特に経理職は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進やインボイス制度、電子帳簿保存法への対応など、外部環境の変化に直接的な影響を受けやすい職種です。5年後、10年後になりたい姿を具体的に描き、そこから逆算して「今何をすべきか」を明確にすることが、変化の時代を生き抜くための羅針盤となります。
活躍できる経理人材に共通する3つの視点
今後、経理としてキャリアを飛躍させ、企業にとって不可欠な存在となる人材には、共通する3つの視点があります。これらは従来の経理業務の枠を超え、より経営に近い立場で価値を発揮するための土台となるものです。
1. 経営視点:数字からビジネスを語れるか
これからの経理には、作成した財務諸表の数字が「何を示しているのか」「ビジネスのどの部分に課題があるのか」を読み解き、経営層や事業部門に分かりやすく伝え、具体的なアクションを提言する能力が求められます。単なる「記録係」ではなく、数字を武器に経営の意思決定を支える「ビジネスパートナー」としての役割が期待されているのです。自社のビジネスモデルや業界動向への深い理解が、この経営視点を養う上で不可欠です。
2. ITリテラシー:テクノロジーを使いこなせるか
Excelのスキルはもちろん重要ですが、それに加えて会計システムやERP(統合基幹業務システム)、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールなどを効果的に活用し、業務の自動化・効率化を推進するITリテラシーが必須となります。テクノロジーを「脅威」と捉えるのではなく、「強力な武器」として使いこなし、自らを単純作業から解放して、より創造的な業務に時間を投下するという発想の転換が求められます。
3. コミュニケーション能力:専門知識をわかりやすく伝えられるか
どれだけ高度な分析を行っても、その結果が関係者に伝わらなければ価値を生みません。会計や税務の専門用語を並べるのではなく、他部署のメンバーや経営陣が理解できる言葉に翻訳し、対話を通じて課題解決をリードしていくコミュニケーション能力が極めて重要です。経理部門に閉じこもるのではなく、社内のハブとして機能し、円滑な連携を生み出す力が、あなたの市場価値を大きく高めるでしょう。
経理経験を活かせる魅力的なキャリアパス一覧
日々の伝票処理や月次・年次決算業務で培った経験とスキルは、単なる経理業務に留まらず、より戦略的で経営に近いポジションへの扉を開く鍵となります。ここでは、経理の専門性を武器に目指せる、魅力的な4つのキャリアパスを具体的にご紹介します。
財務部門 企業の血液である資金を管理するプロ
経理が過去から現在までの企業の経済活動を正確に記録・報告する「守りの要」であるのに対し、財務は未来の企業価値を最大化するために資金を調達・運用する「攻めの要」と言えます。経理で培った財務諸表の読解力やコスト感覚は、財務部門で活躍するための強固な土台となります。
財務部門の主な業務は、企業の成長戦略に不可欠な資金計画の策定、金融機関との融資交渉や株式発行による資金調達、M&Aや設備投資の計画立案、為替リスクの管理、そして投資家向けの広報活動(IR)など多岐にわたります。経理で培った数値への強さを活かし、企業の未来を直接的に創り出すダイナミックな仕事に挑戦できるのが、財務部門へのキャリアチェンジの大きな魅力です。
項目 | 経理 | 財務 |
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主な役割 | 過去の取引の記録・管理・報告 | 未来に向けた資金調達・投資判断 |
時間軸 | 過去〜現在 | 未来 |
主な業務 | 仕訳、決算、税務申告、経費精算 | 資金繰り管理、資金調達、予算管理、M&A、IR |
経営への関わり | 経営判断の基となる財務情報を作成・報告 | 財務戦略を立案し、経営判断に直接参画 |
経営企画部門 会社の羅針盤となる戦略を策定する
経営企画は、社長や経営陣の直下で、企業全体の進むべき方向性を定める羅針盤の役割を担う部門です。市場や競合の動向を分析し、中長期的な経営戦略や事業計画を策定、M&Aや新規事業の立案などを担当します。
経理、特に管理会計の経験を通じて培った予算策定、予実管理、原価計算、事業部ごとの採算性分析といったスキルは、経営企画の業務に直結します。財務諸表の裏側にある事業の実態を深く理解し、数字に基づいた客観的かつ説得力のある戦略を立案できる点が、経理経験者の最大の強みです。経営の意思決定に最も近い場所で、会社の未来をデザインするやりがいのあるキャリアパスです。
CFO・経理部長 経営の意思決定を担うリーダー
経理としてのキャリアを社内で極めていく道の先には、経理部長、そしてCFO(最高財務責任者)という経営の中核を担うポジションがあります。経理部長は経理部門のトップとして、決算業務の統括、業務プロセスの改善、メンバーのマネジメント、内部統制の強化など、部門全体のパフォーマンスに責任を持ちます。
CFOは、経理・財務部門全体を統括するだけでなく、CEO(最高経営責任者)のパートナーとして経営戦略の策定と実行に深く関与します。財務戦略の立案、資金調達、M&Aの意思決定、投資家への説明責任(IR)など、その職務は企業の財務に関する全責任を負う重要なものです。経理のプロフェッショナルとしての深い知見と経験を活かし、企業価値の向上に直接的に貢献する、まさに経理キャリアの頂点と言えるでしょう。
会計コンサルタント 専門知識で企業課題を解決する
事業会社で培った経理の実務経験を活かし、外部の専門家として企業の課題解決を支援するキャリアパスが会計コンサルタントです。会計コンサルタントは、クライアント企業の会計業務プロセスの改善、会計システムの導入支援、IPO(新規株式公開)支援、M&Aにおける財務デューデリジェンス、内部統制の構築支援など、会計に関する高度な専門知識を駆使してコンサルティングサービスを提供します。
事業会社での経理経験は、クライアントが抱える課題の背景や現場の実態を深く理解する上で大きなアドバンテージとなります。多様な業界の企業に関わりながら、自身の専門性をさらに高め、企業の成長を外部からダイナミックに支援できる点が、このキャリアの大きな魅力です。年収水準も比較的高く、実力次第で大きく飛躍できる可能性を秘めています。
キャリアプラン別 求められるスキルと経験年数の目安
経理としての経験を土台に、理想のキャリアを築くためには、目標とするポジションでどのようなスキルや経験が求められるのかを具体的に把握し、そこから逆算して計画的にステップアップしていくことが不可欠です。ここでは、主要なキャリアパスごとに求められるスキルセットと経験年数の目安を詳しく解説します。
財務職に求められるスキルと経験
財務職は、経理が作成した過去の財務諸表を基に、未来の企業活動に必要な資金の調達や管理、運用を行う役割を担います。企業の血液ともいえる資金を扱うため、経理で培った計数管理能力に加え、より戦略的な視点が求められます。
スキル・経験の種類 | 具体的な内容 |
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必須スキル・経験 |
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歓迎されるスキル・経験 |
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経験年数の目安
財務職へのキャリアチェンジは、経理としての基礎が固まった実務経験3年〜5年程度がひとつの目安となります。 マネージャー候補としては、財務経験を含めて5年以上の経験に加え、部下の育成などのマネジメント経験も評価されます。
経営企画職に求められるスキルと経験
経営企画職は、経営陣のパートナーとして、企業の中長期的な経営戦略の策定や新規事業の立案、予算管理などを担う、まさに「会社の羅針盤」となるポジションです。経理で培った数値分析能力や財務知識を活かし、会社全体の意思決定に深く関与することができます。
スキル・経験の種類 | 具体的な内容 |
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必須スキル・経験 |
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歓迎されるスキル・経験 |
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経験年数の目安
経理から経営企画へのキャリアチェンジは、決算業務を一人で完結できる5年以上の実務経験が求められることが一般的です。特に、管理会計や予算策定に深く関わった経験は、強力なアピールポイントになります。マネージャークラスでは、経営企画としての実務経験が5年以上求められることもあります。
CFO候補に求められるスキルと経験
CFO(最高財務責任者)は、経理・財務のトップであると同時に、CEOの右腕として経営全体に責任を負うポジションです。財務戦略の策定・実行を通じて企業価値の最大化を目指すため、非常に高度で広範なスキルと経験が要求されます。
スキル・経験の種類 | 具体的な内容 |
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必須スキル・経験 |
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歓迎されるスキル・経験 |
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経験年数の目安
CFO候補となるには、最低でも10年以上の経理・財務関連の経験が必要とされます。多くの場合、経理部長や財務部長、経営企画部長といった管理職を複数経験し、経営陣としての視座を養った上で就任するキャリアパスが一般的です。企業のステージ(スタートアップ、IPO準備中、上場企業など)によって求められる経験は大きく異なりますが、いずれにせよ財務の専門性に加え、事業を成長させた実績が不可欠です。
理想のキャリアプランの実現を妨げる企業の課題
経理としての専門性を高め、財務や経営企画、さらにはCFOといったキャリアを目指す上で、個人のスキルアップや意欲だけでは乗り越えられない壁が存在します。それが、企業側が抱える構造的な課題です。ここでは、多くの企業で見られる2つの大きな課題と、それらがどのようにキャリアプランの実現を妨げるのかを具体的に解説します。
Excelと個別システムによる属人化と非効率
多くの企業で、経理業務の基盤となっているのがExcelと、部署ごとに導入された個別の業務システムです。これらは一見便利なツールですが、キャリアアップを目指す上では大きな足かせとなる場合があります。
特定の担当者しかメンテナンスできない複雑なExcelマクロや、システム間のデータ連携が分断され手作業での転記が常態化している状況は、業務の属人化を深刻化させます。担当者が不在になると業務が滞るリスクがあるだけでなく、日々の業務が非効率なデータ入力やチェック作業に追われ、より付加価値の高い分析業務に着手する時間を奪ってしまうのです。専門知識を要する経理業務は属人化しやすい傾向にあり、ベテラン社員に業務が集中しがちです。このような環境では、定型的なオペレーションスキルは身についても、キャリアアップに必要な戦略的思考や課題解決能力を養う機会は得られません。担当業務がブラックボックス化し、改善提案も行いにくい状況は、成長の機会を大きく損ないます。
経営状況の見える化が遅れ戦略的な業務ができない
経理部門が作成する財務データは、経営判断の根幹をなす重要な情報です。しかし、そのデータ提供が遅れたり、分析が不十分であったりすると、経理の役割は「過去の数字をまとめる部署」に留まってしまいます。
月次決算の締めが遅く、経営陣が最新の業績を把握できるのが翌月の中旬以降になるケースは少なくありません。これでは、変化の速い市場環境に対応した迅速な意思決定は困難です。原因としては、前述のExcelや個別システムによる非効率な業務プロセスに加え、紙ベースでの請求書や領収書の処理などが挙げられます。
このような状況では、経理担当者は日々の数字の処理に追われ、予算実績差異の深掘り分析や、事業別の収益性分析といった、より戦略的な業務に踏み込むことができません。経営企画やCFOといったポジションでは、過去のデータ(財務会計)を基に未来の戦略(管理会計)を立案する能力が不可欠ですが、そのための経験を積む機会が企業側の体制によって奪われてしまうのです。
理想のキャリアプランを実現するためには、こうした企業の課題を正しく認識し、自身がどのように貢献できるかを考え、時には環境を変える決断も必要になります。以下の表は、旧来の経理業務と、キャリアアップにつながる戦略的な経理業務の違いをまとめたものです。
項目 | 旧来の経理業務(キャリアの停滞) | 戦略的な経理業務(キャリアアップ) |
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主な役割 | 過去の取引記録の正確な記帳・集計 | 財務データに基づく未来予測と経営課題の提言 |
業務の中心 | 伝票処理、入出金管理、月次決算の締め作業 | 予算実績分析、収益性分析、資金繰り予測、KPIモニタリング |
使用ツール | Excel、スタンドアロンの会計ソフト、個別システム | ERP、BIツール、ワークフローシステム、クラウド会計ソフト |
経営への貢献 | 正確な財務諸表の作成(過去の報告) | データに基づいた迅速な意思決定の支援(未来への貢献) |
これからの経理に求められる役割と経営プラットフォーム
テクノロジーの進化とビジネス環境の目まぐるしい変化に伴い、経理部門に求められる役割は、もはや過去の帳簿作成や決算業務だけにとどまりません。これからの経理担当者は、企業の未来を形作る戦略的なパートナーとしての役割を担うことが期待されています。本章では、未来の経理像と、その変革を支える経営プラットフォームについて詳しく解説します。
守りの経理から攻めの経理への変革
キャリアプランを考える上で、経理の役割がどのように変化していくのかを理解することは極めて重要です。これまでの「守りの経理」から、付加価値を生み出す「攻めの経理」へのシフトが求められています。
従来の「守りの経理」の役割
「守りの経理」とは、日々の取引の正確な記帳、月次・年次決算の実施、税務申告、支払いや入金管理といった、企業の経済活動を正確に記録・報告する重要な役割を指します。これらの業務は、企業のコンプライアンスを遵守し、財務の健全性を担保する上で不可欠な土台です。しかし、これらの定型業務に終始しているだけでは、将来的なキャリアの広がりは限定的になってしまう可能性があります。
未来を創る「攻めの経理」へのシフト
一方、「攻めの経理」とは、蓄積された財務データを分析・活用し、経営判断に資する情報を提供することで、企業の成長に直接的に貢献する役割を指します。具体的には、予算実績管理の高度化、事業別の採算性分析、将来のキャッシュフロー予測、M&Aの際の財務デューデリジェンス支援などが挙げられます。このように、過去の数値をまとめるだけでなく、未来の予測や戦略立案に関与していくことが、「攻めの経理」の真価であり、これからの経理担当者に強く求められる姿です。
経営トランスフォーメーションを支えるERPの重要性
「攻めの経理」への変革を実現するためには、旧来の業務プロセスやシステムから脱却し、経営データを一元的に管理・活用できるプラットフォームが不可欠です。その中核を担うのがERP(Enterprise Resource Planning:統合基幹業務システム)です。
ERPが解決する経理部門の課題
多くの企業では、Excelや部署ごとに最適化された個別システムが乱立し、データの分断や属人化といった課題を抱えています。ERPは、これらの課題を解決し、経理業務の高度化を実現します。
企業の経理部門が抱える主な課題 | ERP導入による解決策 |
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Excelや個別システムによるデータの分断と属人化 | 販売・購買・在庫・人事など各部門のデータを一元管理し、全社横断でのリアルタイムな情報共有を実現する。 |
手作業による入力・集計が多く、非効率でミスが発生しやすい | 定型業務を自動化し、ヒューマンエラーを削減。業務効率を大幅に向上させる。 |
経営状況の見える化が遅れ、迅速な意思決定ができない | BIツールとの連携などにより、多角的なデータ分析や経営状況の可視化を瞬時に行えるようになり、経営陣の迅速な意思決定を支援する。 |
法改正や新しい会計基準への対応に手間がかかる | ベンダーが提供する更新プログラムにより、最新の法制度や会計基準に迅速かつ正確に対応できる。 |
代表的なERPシステムと選定のポイント
日本国内の市場では、企業の規模や業種に応じて様々なERPシステムが提供されています。自社の課題や将来の事業展開を見据えて、最適なシステムを選定することが重要です。
ERPの選定にあたっては、単なる機能比較だけでなく、自社の業務プロセスへの適合度、サポート体制の充実度、そして将来的な拡張性などを総合的に評価することが成功の鍵となります。ERPに関する知識や導入経験は、今後の経理キャリアにおいて非常に強力な武器となるでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 経理から未経験で経営企画に転職できますか?
A. 可能です。経理で培った計数管理能力や分析力は経営企画で高く評価されます。まずは社内異動を目指したり、予算策定や事業計画のサポート業務から関わったりすることで、経験を積むのが近道です。
Q. 経理のキャリアアップに役立つ資格は何ですか?
A. 日商簿記1級やFASS検定は基礎力として有効です。さらに財務を目指すなら証券アナリスト、経営企画やCFOを目指すなら中小企業診断士やMBA、会計コンサルタントなら公認会計士や税理士などがキャリアの幅を広げます。
Q. CFOになるにはどのような経験が必要ですか?
A. 経理・財務の実務経験はもちろん、予算管理、資金調達、M&A、IR(投資家向け広報)など、幅広い財務戦略の経験が求められます。また、経営陣と対等に議論できるコミュニケーション能力やリーダーシップも不可欠です。
Q. 「攻めの経理」と「守りの経理」の違いは何ですか?
A. 「守りの経理」が正確な記帳や決算といった過去の数値を扱う業務を指すのに対し、「攻めの経理」はそれらのデータを分析し、未来の経営戦略や意思決定に貢献する業務を指します。経営陣のパートナーとしての役割が期待されます。
Q. 経理の仕事は将来AIに奪われますか?
A. 定型的なデータ入力や仕訳作業はAIに代替される可能性が高いです。しかし、データの分析、経営への提言、イレギュラー対応など、高度な判断を伴う業務の重要性は増します。AIを使いこなすスキルを身につけることが重要です。
まとめ
経理のキャリアは、財務や経営企画、CFOへと多様に広がっています。5年後、10年後も活躍するためには、日々の業務に加え、戦略的な視点を持つことが不可欠です。属人化した業務から脱却し、「攻めの経理」へと変革することが、理想のキャリアプラン実現の鍵となります。そのためには、経営状況をリアルタイムに可視化できるERPのような経営プラットフォームの活用が有効です。自身の市場価値を高め、希望のキャリアを歩みましょう。
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- 経営/業績管理