日本企業がグローバル経営で抱える課題と本社が果たすべき役割

 2021.02.24  クラウドERP実践ポータル

インターネットの普及や国内での労働力不足などを背景に、グローバル経営の重要性が高まっています。しかし、実際にグローバル経営に取り組むとなると、データ管理や情報共有などの面で多くの課題に直面してしまうでしょう。そこで本記事では、日本企業がグローバル経済で抱える課題と、本社が果たすべき役割について解説します。

日本企業がグローバル経営で抱える課題と本社が果たすべき役割

グローバル経営とは?

「グローバル経営」とは、世界中の国および地域の文化、商習慣、市場特性、法律などを考慮し、多様性に対応した経営判断を行うことを意味します。

IT技術が発展した今日ではインターネットを通じ、スマホの画面上から世界中の情報にアクセスできるほか、さまざまな国の人やモノ・コトと繋がれるようになっています。

インターネットは、ビジネスの在り方にも大きな変革をもたらしました。インターネットがあれば地理的な距離にとらわれることなく、遠い国の相手とも取引できるため、ビジネスを世界規模で展開できるのです。

また、インターネットの普及により、世界各国との情報共有やコミュニケーションが容易になったことで、企業の海外進出のハードルが下がりました。実際に多くの日本企業が海外進出を果たしており、海外から日本に上陸してくる企業も増えています。

しかしながら、進出した先にはそれぞれ独自の文化や商習慣があり、市場の特性もさまざまです。グローバルにビジネスを展開する企業には、そうした違いに対して柔軟に対応できる経営が求められています。

グローバル経営が必要とされる背景

グローバル経営の必要性が高まっている背景には、いくつか理由があります。

まず、日本企業の海外進出の加速化が挙げられます。日本企業が海外に拠点を置いてビジネス展開する際は、情報共有が障壁となります。しかし本社としては、グループ全体の情報を可視化して、意思決定を下さなければなりません。本国と海外の間で情報共有の基盤を整備するとなれば、グローバル経営の視点は不可欠です。

また、日本の市場成熟も国内企業の海外進出を後押ししています。日本市場は少子高齢化のために大きな成長が見込めず、このまま手をこまねいていれば経営の先細りが予測されます。そこで、多くの国内企業は将来的な競争力を維持するため、伸び代の大きい新興国の市場開拓を目指して、海外進出を強化しているのです。

日本企業がグローバル経営で抱える課題

とはいえ、グローバル経営を実現するには課題が多いのも実情です。

例えば、会計管理の仕組みの問題が挙げられます。経営上の意思決定を下すためには、世界中の拠点から会計データを集めて一元管理しなければなりません。しかし、国が違えば採用している管理会計制度や会計システムも違います。連結決算が地域別にしか集計されておらず、損益を事業別・製品別などの戦略単位で分析できないとなれば、適切な経営判断もままならないでしょう。

また、会計データを迅速に収集するための仕組みやプロセスが確立されていない点も問題です。本社側では、経営に必要な会計データの抽出作業に多くの工数を費やしており、異常値や差異があるたびに海外の拠点に確認しなければなりません。このように現状、データの取り扱いに多くの手間と時間がかかっているのです。

そのほか、世界規模での経営理念の浸透や、外国ともリアルタイムで情報共有できる基盤の整備、バックグラウンドの異なるメンバーが納得して働ける公平な人事制度策定、グローバル経営を牽引できる人材の育成など、取り組むべき課題は山積みです。

グローバル経営において本社が果たすべきこと

こうした課題が障壁となって、日本企業のグローバル経営は難航しているわけですが、その裏には本社の果たすべき役割が明確になっていない現状があります。グローバル経営を成功させるうえで、本社が果たすべきこととは何なのでしょうか。

1.戦略単位で組織・統制を設計する

適切な資源配分によって企業価値を最大化していくためにも、本社は戦略単位で組織の構造を設計する必要があります。

組織構造の最上位に位置づけられるのが、海外拠点含め企業全体の本社機能を担うグループ本社です。その下の構造は大きく分けて2パターンあります。

ひとつはSBU(戦略的事業単位)を配置し、それぞれの単位ごとに事業戦略を考えていくやり方です。もうひとつはSBUの上位に、複数のSBUや海外拠点を統括するRHQ(地域本社)を置くやり方です。後者においては、各地域における資源配分のコントロールや、地域によって異なる取引慣行や法制度への対応をRHQが担い、事業の戦略立案はSBUが担います。

事業の実態によってはさらに、その配下にBU(事業の実行単位)や、キャッシュフローを独立して把握できるCGU(資金生成単位)を配置する場合もあります。

2.グループ全体の経営管理構造を決める

グループ全体の経営管理構造も、基本となる部分は本社が設計します。製造業を例に挙げると、資源配分と実行管理の判断基準は以下の3軸とするのが一般的です。

「市場/顧客軸」×「製品/商品軸」×「会社/部門/機能軸」

経営管理構造をこの3軸とすることで、企業の戦略性や効率性を単なる地域別ではなく、市場・顧客軸や製品・商品軸といった戦略単位ごとに捉えられるようになります。

また、事業の実行単位である会社や部門、機能ごとに活動の成果を評価できるため、迅速に改善策を講じられます。3軸を組み合わせて資金配分をシミュレーションすれば、どの製品をどこで生産・調達し、どこに販売すればどれだけの収益が得られるかということもわかるため、サプライチェーンコストの最小化にもつながるでしょう。

なお、グローバル経営においては精度の高いデータが必要です。経営管理にデータをリンクさせるためには、以下の4要素が大きな鍵を握ります。

1.経営管理手法の確立

経営管理の構造に基づき、「販売伝票」「売上伝票」「材料費」といったデータモデルを定義

2.経営判断基準の統一

キャッシュフローや損益のグローバルな算出方法を定義。拠点ごとに内容が異なるトランザクションデータもグローバル基準に組み替える

3.経営判断軸の統一

市場・顧客、製品・商品、会社・部門・機能といった経営判断の軸を統一するため、「品目コード」「事業コード」「得意先コード」「地域コード」などのコードモデルもグローバル基準で再定義。新たに定義したコードと各拠点のシステムコードをマッピング

4.経営品質の向上

データ品質の重要性を経営陣が理解するだけでなく、現場の社員とも共有し、ルールに沿ったデータ入力を徹底

3.経営管理情報の連携の仕組みをつくる

以上のプロセスでデータを定義・収集したら、それらを経営管理に活用するためのシステムも整備する必要があります。すでに多くの海外拠点では個別のERPを導入していることもあり、そうした中で一挙にグローバル基準でのシステムに切り替えていくのは、コストや現場で働く従業員への負担を考えると現実的ではありません。

幸いにも、近年ではクラウド型のERPが登場しており、グローバル基準に合わせたシステムを迅速に導入できる環境が整ってきています。

まずは、老朽化によってシステム刷新が必要な海外拠点や小規模な拠点、RHQなどからクラウド型のERPを導入していきましょう。それから順次、大規模な拠点でも新しいERPに移行していけば、比較的に短期間でのシステム刷新を実現できるはずです。

企業のグローバル経営管理を支援するOracle EPM Cloud(旧PBCS)

「グローバル経営で課題を抱えている」「これからグローバル経営を本格化させていきたい」という企業には、「Oracle EPM Cloud(旧PBCS)」の導入がおすすめです。

Oracle EPM Cloudは、会計管理や予算管理を運用するための基盤となるクラウド型ソリューションサービスです。多次元のデータベースを核に設計されており、各国の基幹システムのデータを自動的に取り込んでいく仕組みを採用しています。

取り込んだデータは顧客別や製品別、部門別などさまざまな管理軸で分類でき、それぞれの売上・予算・実績などを細かく確認することが可能です。Excelによる会計処理では困難だった多元的なデータ分析も、Oracle EPM Cloudを使えば容易に行えるようになります。

[SMART_CONTENT]

Oracle EPM Cloud(旧PBCS)の特徴

Oracle EPM Cloudの強みとしては、「プロセス対応の柔軟性」と「Excelとの親和性の高さ」が挙げられます。

通常のERPは、あらかじめ標準の業務プロセスが設定されており、それが自社に適応するかどうかで採用を判断する必要がありました。それに対し、Oracle EPM Cloudはシステム側で柔軟にプロセスを構築できるため、自社に合わせて運用できます。

また、多くの企業が会計管理にExcelを活用していますが、Oracle EPM CloudならExcelと連携し、Excelの使いやすさを活かしつつクラウド上でのデータ管理が可能です。それにより、現場の従業員は慣れ親しんだやり方を変えることなく、さらに高精度なデータ管理を実現できるのです。

まとめ

グローバル経営に取り組む多くの日本企業が、国によって異なる管理会計の制度や、データ管理の難しさに頭を悩ませています。グローバル経営を成功に導くためには、グローバル基準で経営を管理する仕組みが欠かせません。その解決策として有効なのが、クラウド型ERPの導入です。

オラクル社提供の「Oracle EPM Cloud」なら、各国の基幹システムのデータを自動的に取り込んで集計でき、業務プロセスの構築も柔軟に行えます。グローバル経営を軌道に乗せるための手段として、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。


RECENT POST「グローバル経営」の最新記事


日本企業がグローバル経営で抱える課題と本社が果たすべき役割

RANKING人気資料ランキング

RECENT POST 最新記事

RANKING人気記事ランキング