プロジェクト収支を正確に管理して赤字プロジェクトをなくす方法

 2018.03.22  クラウドERP編集部

企業の中には「赤字プロジェクト(不採算プロジェクト)」を悪と断定しない経営者もいます。2006年当時に富士通株式会社で代表取締役社長を務めた黒川博昭氏は、「赤字補填予算」として年間50億~60億円の予算を設けていました。

引用:日経×TECH(クロステック)「赤字プロジェクトの何が悪い!次なる飛躍に向けて、あえてリスクを取るSI

この予算計画は、「赤字プロジェクトは無くならない。むしろ新しいことにチャレンジしたり将来の大口を獲得するためには、時に赤字もやむを得ない」という思想に基づいています。

しかし、ほとんどのシステムインテグレーターや製造業において、赤字プロジェクトはやはり「悪」かと思います。特に大企業ほど資本力の無い中小企業では、一つ一つの赤字プロジェクトが致命的なダメージです。将来的に案件を深堀したり横展開しようにも、それ以前に経営が圧迫されてしまいます。

そこで推奨する取り組みが「プロジェクト会計」です。プロジェクトごとにかかる原価などをリアルタイムに計算し、予実管理を徹底することで赤字プロジェクトを撲滅するための取り組みになります。

プロジェクト管理で収支を監視すると、どういった効果があるのでしょうか?

プロジェクト会計って何?

一般的に会計とは、会社の収支を管理して経営状況をステークホルダー(投資家や株主、顧客や自治体など)に報告するための業務です。財務諸表等を作成する上で重要な情報を管理します。

それに対してプロジェクト会計とは、プロジェクトの発足から成果物の納品までにかかる原価を管理して、適切な投資を行い、プロジェクトを黒字に持っていくための取り組みです。では、プロジェクトにかかる原価とは何でしょうか?

それは大まかに「直接材料費」「直接労務費」「直接経費」「間接材料費」「間接労務費」「間接経費」に分類されます。

直接材料費

主要材料費(原料費)、購入部品費

直接労務費

直接賃金(必要ある場合には作業種類別に細分する。)

直接経費

外注加工費

間接材料費

補助材料費、工場消耗品費、消耗工具器具備品費

間接労務費

間接作業賃金、間接工賃金、手待賃金、休業賃金、給料、従業員賞与手当、退職給与引当金繰入額、福利費(健康保険料負担金等)

間接経費

福利施設負担額、厚生費、減価償却費、賃借料、保険料、修繕料、電力料、ガス代、水道料、租税公課、旅費交通費、通信費、保管料、たな卸減耗費、雑費

※「原価計算基準」より抜粋

「原価計算基準」はそもそも、財務諸表を作成するにあたって正確な原価情報を管理することが重要であるため設けられた基準です。基準なので、必ずしもこれに準拠する必要はなく、会社によっては独自に原価計算を取り入れているでしょう。

プロジェクト会計へ取り組むためには、この「原価計算基準」が参考になるため、せひご一読ください。

プロジェクト会計に簿記知識を持ったPMやPLは必要か?

プロジェクト原価を管理するのがプロジェクト会計なので、それに取り組む会社の多くがPM(プロジェクトマネージャー)やPL(プロジェクトリーダー)に簿記知識を求めます。しかし果たして、PMやPLには本当に簿記知識が必要なのか?その答えは「状況による」です。

たとえば会社にてプロジェクト会計へ取り組むためのITソリューションを導入していれば、簿記知識を持ったPMやPLは不要でしょう。プロジェクト会計に関する管理項目を経理部門と情報システム担当者で規定し、あとは項目通りに費用を入力してもらうだけで、プロジェクト原価を計算できるからです。

それに対して、ITソリューションが無い環境ではやはり簿記知識が必要になります。PMとPLが経理部門と連携してリアルタイムなプロジェクト原価を管理する、というのは非現実的なので、結果としてPMやPLが現場で直接プロジェクト会計へ取り組むことが大切です。

プロジェクト原価を管理すると良いことって?

赤字プロジェクトを撲滅するためにプロジェクト原価を管理する会社は多いものの、その副次効果に着目する企業は少ないでしょう。会社が経済活動を行う上で欠かせない管理要素の筆頭が「売上」「原価」「利益」です。これらの関係を式で表すと「売上-原価=利益」となります。

この式から言えるのは、利益を上げるためには「売上を上げる」か「原価を下げる」かの

2つに1つでということです。売上はプロジェクトの規模や期間によって大方が決定します。そのため、同程度のプロジェクトでより高い利益を獲得するためには、「原価を下げる」ための取り組みが重要だと言えましょう。

もちろんこれはプロジェクト単体で見た場合の話です。現プロジェクトを起点にして、複数のプロジェクトを獲得していこうとすれば、利益確保のために取り組みは「原価を下げる」だけに限定されません。

しかし、ほとんどの会社が「プロジェクト単体での利益を高めたい」と考えていることでしょう。そこでプロジェクト会計が大いに活躍します。

プロジェクト会計では、プロジェクトにかかる原価を管理します。それはつまり、今まで視覚化されていなかった「原価の無駄」を把握できることでもあります。たとえば人件費の無駄。同じ規模のプロジェクトを進行する場合、人員をより多く投下したからといって短納期や高品質を実現するわけではありません。しかし多くの企業が「プロジェクトごとに投下できる人員は多いほど良い」と考えています。

これは、「人材は質より量が大切」という高度経済成長期からある悪い思想が、いまだに根付いているからかもしれません。

プロジェクト会計に取り組むと、質より量という考え方が如何に間違いだったかに気付くことでしょう。恐らく、同規模のプロジェクトで比較してみても、必ずしも人員をより多く投下したプロジェクトの方が優秀ではないはずです。むしろ、人件費という原価がかかり過ぎて、利益は低下しているかもしれません。

こうした「原価の無駄」は、他にも至るところに潜んでいます。プロジェクト会計に取り組むとその気づきを与えてくれるので、「原価を下げる」ための活動が行え、結果としてプロジェクト単体での利益が高まります。

さらに、PMやPLにプロジェクト原価を管理するための経験が蓄積されていくことで、顧客にはより最適な提案や予算編成が行えるようになります。顧客から信頼を獲得し、適切な予算編成でキャッシュフローを改善する。プロジェクト会計には様々な副次効果があるのです。

プロジェクト会計にITソリューションを

プロジェクト会計に取り組むにあたって、やはりITソリューションは欠かせません。PMやPLに簿記知識を付けるための教育には時間もコストもかかります。従って、ITソリューションを活用すれば、簿記知識が無くともプロジェクト会計に取り組め、さらに取り組みの中で次第に簿記知識は原価管理のスキルを身に着けていくことができます。皆さんも、赤字プロジェクト撲滅のために、プロジェクト会計に取り組んでみてはいかがでしょうか?

その際にはNetSuiteをご検討いただければ幸いです。

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