企業活動におけるCAPEXとOPEXの定義

 2020.02.16  クラウドERP編集部

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昨今、IT業界において「CAPEX(キャペックス)」「OPEX(オペックス)」という言葉をよく耳にします。どちらも財務会計用語の1つですが、それぞれにどういった定義があるのでしょうか?また、クラウドサービスと深いかかわりがあるので、本記事ではそれぞれの定義とクラウドサービスとのかかわりを解説します。

 

企業活動におけるCAPEXとOPEXの定義

CAPEX・OPEXとは?

CAPEXとは「Capital Expenditure」の略称であり、日本語では「資本的支出」といいます。企業において資本とみなされる物品・財に対し、それらの資産価値を維持するため支出の総称のことです。別の言い方で「設備投資」といいます。製造業で考えると非常に分かりやすいかと思います。

たとえば、生産性を高めるために新たに投入した機械設備の購入費や、それらの機械設備を維持するためのメンテナンス費用は、資産価値を維持するのに欠かせない投資です。一方、不動産業においては長期修繕計画にかかる費用などをCAPEXと考えることがあります。これは長期修繕計画が不動産の資産価値を維持するための費用となるからです。

このことから、CAPEXは資本的支出という言葉よりも、設備投資という言葉の方がしっくりとくるかもしれません。

次に、OPEXとは「Operating Expense」の略称であり、業務費や運営費など事業運営をしていくために、継続して必要となる費用を指します。日本語では「事業運営費」と呼ぶことが多いでしょう。製造業における主なOPEXは作業スタッフの人件費や、工場の水道光熱費など事業運営に欠かせない費用です。一方、不動産業では固定資産税、都市計画税、損害保険料、清掃費など不動産を維持するための費用を指すことが多いでしょう。

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CAPEX・OPEXの使いどころ

CAPEXとOPEXは、どちらも企業の経営状態をはかるための財務指標として使われることが多いでしょう。企業の財務諸表を確認した際にCAPEXが増えているということは、積極的な設備投資がなされている事実を意味します。それだけ見えればこれからの事業拡大を予想させますが、CAPEXが増えているのは同時に当該企業の設備が肥大化することを意味し、設備投資が過剰になれば保有している資産の価値は減少します。また、CAPEXはあくまで支出なので必要以上に増えることは好ましくありません。

一方、財務諸表からOPEXが増えていることを示している場合は、事業運営に積極的な投資を行っている可能性が高いでしょう。それは人件費向上だったり、あるいは投資対象をCAPEXからOPEXへ移行するための施策を展開していたりします。ちなみに、事業投資の中心がOPEXである主な産業は通信業におけるMVNO(Mobile Virtual Network Operator)事業者です。MVNO事業者は通信インフラを自社で持たずに、他社(大手通信社)の通信インフラを借りてサービスを提供することから、OPEXモデルの典型的な例です。

そした、IT業界におけるCAPEXとOPEXは、前者は「インフラ投資をして新しいコンピューターシステムを導入する」、後者は「必要に応じ、必要なコンピューターサービスを購入する」という意味合いがあります。

CAPEXからOPEXへの移行が推奨される理由

近年のIT業界において注目されているのが、「CAPEXからOPEXへの移行」です。これまではITシステムを構築するのにあたり、サーバーやソフトウェアライセンス購入、ネットワーク整備、パラメータ設定など投資の大半をCAPEXが占めていました。しかし、CAPEXによって得たITシステムが、長期的に予定通り価値を発揮してくれるとは限りません。

最も大きな問題は「ITシステムの陳腐化」です。IT業界では技術発展が目まぐるしく繰り返されており、技術革新によって今のITシステムが明日には陳腐化するというリスクがあります。しかし、一度CAPEXによって得た資産を簡単に手放すことはできません。かといった陳腐化されたITシステムを使い続けることでビジネス要件を満たせず、競合他社から遅れを取る可能性があります。

そこで注目されるようになったのが「CAPEXからOPEXへの移行」です。OPEXは「必要に応じ、必要なコンピューターサービスを購入する」ことを意味し、要するに既存のITシステム環境をクラウドへシフトすることで、技術革新によるITシステムの陳腐化リスクを回避し、時代に即したITシステムを構築することをいいます。

そしてこの課題は、皆さんが思っている以上に喫緊のものだと言えます。

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企業のITシステムを取り巻く現状

2018年9月に経済産業省が発表した『DX(デジタル トランスフォーメーション)レポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~(本文)』に目を通したことのある方は多いでしょう。同報告書では、日本企業が抱えているITシステム問題を放置することで、2025年には問題の最大化が集中し、日本経済は年間最大12兆円の損失を被ることを発表しています。

実際に、オンプレミスのITシステムを10年以上継続して運用し、かつカスタマイズやアドオン開発が膨れ上がったことでアップデート対応費用が高額化し、ITシステムブラックボックス化によってIT保守運用費用が膨らみ続けている企業は多いです。ちなみに、2018年に全体の2割程度の留まっていた「基幹系システムを21年以上継続して運用している企業」が、2025年には6割に達するといいます。それに伴い、企業がIT戦略にかける費用の9割以上は保守運用費用に消費されてしまうことも指摘しています。

こうした「2025年の崖」を乗り越えるために経済産業省が推奨しているのが「DX推進」ですが、すべての企業はDXへ積極的に取り組めるわけではありません。そこで必要とされるのが「CAPEXかOPEXへの移行」です。

前述したように、ITシステムにかける設備投資をCAPEXからOPEXへとシフトすることで、技術革新による陳腐化を防ぎ、必要に応じて必要な分のコンピューターリソースを確保するといった、非常に柔軟性の高いITシステムを構築できます。また、ITシステムをCAPEXからOPEXへ移行することは、クラウドサービスの普及によって容易化されていることから、「2025年の崖」を飛び越えるための有効な選択肢になることは間違いありません。

CAPEXからOPEXへの移行を検討しよう

現状として古いITシステム(レガシーシステム)を運用している企業の多くは、業務との依存性が高いことからなかなか刷新に踏み出せないケースが多いかと思います。しかし、ビジネス要件が劇的に変化している中、レガシーシステムの抜本的改革に取り組み、新しい業務プロセスとITシステムを構築することが強く求められています。この機会に、CAPEXからOPEXへの移行、つまりはITシステムの改革について検討してみてください。

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