2023年施行のインボイス制度で何をやらなければならないのか?

 2022.03.04  2022.03.10

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2023年に施行される「インボイス制度」をご存知でしょうか。本制度が適用されると、これまで使用していた請求書が使用できなくなるため、どのように対応すべきかあらかじめ検討しておく必要があります。そこで本記事では、インボイス制度の概要や目的、企業・個人事業主への影響などをわかりやすくまとめました。制度の内容や押さえておくべきポイントを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

2023年施行のインボイス制度で何をやらなければならないのか?

インボイス制度とは

「インボイス制度」とは、正式名称を「適格請求書等保存方式」といい、課税売上が1,000万円以上の課税事業者を対象に、2023年10月からスタートする新たな制度です。
現在、仕入れにかかった消費税を控除する「仕入税額控除」を受けるには、取引先が発行した請求書を使って申請します。しかし本制度が施行されると、従来型の請求書が廃止され、代わりに申請を行った課税事業者のみが発行できる「適格請求書」が必要になります。

そのため、これまでと同じように仕入税額控除を受けるためには、課税事業者はインボイス制度のスタートまでに申請を済ませ、適格請求書を発行できる「適格請求書発行事業者」に登録しておかなくてはなりません。登録申請は2021年10月から開始しているので、該当する事業者の方は国税庁が提示する方法にしたがって、速やかに申請を行いましょう。

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インボイス制度の目的

インボイス制度が導入される背景には、2019年に施行された消費税の引き上げが関係しています。現在、多くの商品では10%の標準税率が適用されていますが、食品や新聞などには8%の軽減税率が適用されています。それゆえ企業が仕入れを行い、請求書を発行してもらうとき、現在の内容では「どの商品にどれくらいの税率が適用されているか」「税額の合計はいくらなのか」といったことを正確に把握できません。

インボイス制度によってスタートする適格請求書は、消費税にまつわる詳細な内容が追加されるため、取引の正確な消費税額や税率などを把握しやすくなるのです。また、消費税を徴収する側にとっても、本制度の導入によって課税事業者の増加が見込めたり、適正な課税を確保したりできるメリットがあります。

インボイス制度における適格請求書とは

適格請求書とは、現在使用されている「区分記載請求書」の内容に、さらにいくつかの項目が追加された書類のことです。区分記載請求書は以下の1〜6までを、適格請求書はすべての内容を記載する必要があります。

  1. 発行者の氏名または名称
  2. 取引年月日
  3. 取引内容
  4. 受領者の氏名または名称
  5. 軽減税率の対象である旨の表記
  6. 適用税率ごとに区分した合計額
  7. インボイス制度の登録番号
  8. 適用税率
  9. 適用税率ごとの消費税額の合計
     

2023年からのインボイス制度による影響

ここからは、インボイス制度の導入によって企業や個人事業主、一人親方などにどんな影響があるのかを見ていきましょう。課税事業者か免税事業者によって、もたらされる影響は異なるので、その点にも注意しながら今後の戦略を決める参考にしてください。

取引先が免税事業者の場合、納税額が増加する

制度が適用されるのは基本的に、「課税売上が1,000万円以上の課税事業者」です。課税売上が1,000万円に満たない免税事業者は適格請求書の発行ができず、これまでと同じ請求書を発行することになります。

ここでポイントとなるのが、取引相手が適格請求書を発行できない免税事業者の場合、課税事業者は仕入税額控除が行えないことです。取引相手によって消費税の納税額が変化するため、税負担を減らしたい場合は取引先を見直す必要があるかもしれません。

免税事業者との取引が減少する

適格請求書が発行できない免税事業者にとっては、インボイス制度の導入によって仕事の数が減ったり、大企業との取引がしづらくなったりする可能性も考えられます。消費税の納税額をなるべく減らしたい企業なら、「仕入税額控除ができる課税事業者と取引したほうがお得だ」と考えるからです。

免税事業者がこれまでと同じように課税事業者と取引をするためには、あえて申請を行い、自ら課税事業者になるという方法もあります。無論、仕事を受けやすくなる代わりに消費税を支払わなければならず、メリットがあるかどうかは状況によって異なるため、財務面などをよく考慮したうえで検討することが大切です。

税額計算方法の一部が変わる

インボイス制度では、10%の標準税率と8%の軽減税率を区別し、売上税額・仕入税額をそれぞれ計算します。現在、売上税額で使用している割戻し計算や、仕入税額で使用している積上げ方式は制度導入後も継続しますが、積上げ計算・割戻し計算の特例がそれぞれ認められるなど、一部の計算方法に変更が加わる点には注意しましょう。

経理事務が煩雑化する

インボイス制度では、税率ごとに帳簿を分けて付ける必要があったり、課税事業者と免税事業者で異なる経理処理を行ったりと、経理事務にかかる負担が大きくなりやすいと言われています。人材不足や残業時間の増加などが発生する可能性も考えられるため、状況によっては新たな会計ソフトや、業務効率をアップするクラウドツールなどの導入も検討するとよいでしょう。

2023年からのインボイス制度へ向けた準備を

ここでは、今からできるインボイス制度への対応策を解説します。「制度の導入に向けてどのような準備をすればよいか」「いつから備えるべきか」などで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

登録申請書を提出

インボイス制度がスタートする2023年10月からすぐに適格請求書を発行するためには、2023年3月31日までに登録申請書を税務署に提出しておく必要があります。課税事業者の方が自動的に適用されるわけではなく、あらかじめ適格請求書発行事業者になるための申請が必要なので注意しましょう。登録を済ませると登録番号が付与されるので、このナンバーを必ず適格請求書に記載しなければなりません。

インボイスに対応したシステムの導入

現在使用している経理システムが適格請求書に対応していない場合は、新たなシステムの導入を検討する必要があります。特に、独自で開発された会計ソフトやパッケージ型の会計ソフト、Excelなどを使っている場合は、インボイス制度に対応していないケースが多いので、システムを見直す必要があるかもしれません。

インボイス制度への対応ならクラウドERP

インボイス制度対応のツールを新たに導入する場合は、クラウド型の会計ソフトがおすすめです。特に「クラウドERP」は、基幹業務プロセスの合理化を実現するために開発されたクラウドサービスです。企業の情報を一元的に管理できるため、システム同士をスムーズに連携し、業務効率の向上やコスト削減といった効果まで期待されます。新制度のスタートに備え、新たなシステムの導入を検討している方は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

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まとめ

インボイス制度とは、2023年10月からスタートする新たな制度のことです。現在、仕入税額控除の申請には、取引先から発行された請求書を使用しています。しかし本制度では、消費税についての項目が加えられた適格請求書を用いて控除申請を行います。この適格請求書は、すべての事業者が発行できるわけではなく、あらかじめ登録申請を行い、適格請求書発行事業者に認定される必要があるので注意しましょう。

また、適格請求書は消費税率や税額など、従来よりも詳細な内容を記載するため、経理事務にかかる負担が増える可能性も懸念されます。現在使用している会計ソフトやツールなどがインボイス制度に対応していない場合は、クラウドERPなどの新たなシステムを導入するとよいでしょう。

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