会計監査って何?具体的にいつ何をするの?にお答えします。

 2019.03.14  クラウドERP編集部

会社法では、会社の規模等に応じて柔軟な機関設計が可能になっています。株式会社では株主総会と取締役は必ず設置しなければいけませんが、それ以外の機関については会社法上の要件に沿って設置することができます。どのような規模の会社であっても会計監査人を機関として定款に記載することで任意設置が行え、会計監査法人監査を受けることができます。

では、会計監査とはそもそも何でしょうか?いつ、何をするのでしょうか?今回は会計監査に関する素朴な疑問にお答えします。

下記3項に該当する組織は、会社法によって会計監査法人による監査が義務付けられています。

1.大会社(会計法第三百二十八条1項・2項)

大会社とは最終事業年度にかかわる賃借対照表の資本金が5億円以上、または最終事業年度にかかわる賃借対照表の負債の部の合計額が200億円以上である株式会社を指します。

2.監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社(会社法第三百二十七条5項)

監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、会計監査人による監査が義務付けられており、会計監査人による監査の取り扱いは大会社の取り扱いと同じになります。

3.会計監査法人の任意設置を行った会社(会社法第三百二十六条2項)

 

会計監査とは?

会計監査について、次のように説明しています。

企業、公益団体および行政機関等の会計(決算)に関して、一定の独立性を有する組織が監査と最終的な承認を行うことである。(会計監査 – Wikipediaより抜粋)

簡単に説明すると、企業や行政政府の計算書類および財務処方などの記載内容が適正かどうかを、独立した第三者機関(監査法人)が監査し、その結果を監査意見として表明することを会計監査といいます。ちなみに監査とはさまざまな意味で使用され、監査対象(主に企業)が法令や規則と照らし合わせて、監査対象が健全な活動をしているかどうかの正当性を確認し、それを株主などの利害関係者に保証することを意味します。

つまり会計監査とは、企業や行政組織などの会計報告に対する監査を行うことです。

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会計監査は公認会計士、または監査法人によって行われる外部監査と、組織の内部の監査人によって行わる内部監査の2種類があります。本稿では外部監査に関する解説を行うとして、話を進めていきます。

企業監査と行政機関監査の違い

企業で実施される会計監査には、次の3者それぞれによる監査が実施されます。

  • 公認会計士および監査法人
  • 監査役員あるいは監査委員会
  • 内部監査人

株式市場に上場している企業ではこれら3者すべてによる監査が行われ、中でも重要なのが公認会計士および監査法人による財務諸表監査です。この監査は金融商品取引法と会社法において、上場企業や一定の規模以上の大会社に対して実施義務が課せられている会計監査となります。

金融商取引法にもとづく財務諸表監査では、経営者の内部統制報告書に対し外部監査人(公認会計士や監査法人)が意見を表明する内部統制監査が同時実施されます。この監査による結果は株主や取引先、投資家などの利害関係者(ステークホルダー)に公表されるため、外部監査人による意見表明は企業にとって経営を左右するものにもなります。

行政機関で実施される会計監査は「公監査」とも呼ばれ、企業で実施される監査とはその性格が異なります。ちなみに国や国が出資する行政機関や独立行政法人、国が補助金などの援助を与えている行政機関が対象の場合は「会計検査」と呼びます。

会計検査では、収入および支出の決算について会計検査院という国家機関が検査を行い、会計検査院は会計検査から決算検査の報告まで実施します。会計検査院によって提出された決算検査報告書は内閣に送付され、決算とともに国会へ提出され承認手続きが実施されます。

会計監査で具体的に行うこと

では、会計監査では具体的にどういった調査が実施されるのでしょうか?企業の会計監査における、具体的な内容を解説していきます。

1.賃借対照表/損益計算書の内容確認

賃借対照表/損益計算書に計上されている金額と総勘定元帳残高が一致しているかどうかや、形式や科目配列が適切かなどを調査します。

2.売掛金/買掛金の残高確認

売掛金/買掛金について取引先から入手する残高証明書と照合し、その残高が正確であるかどうか、回収が滞っている売掛金はないか、滞留している売掛金に対して適切な処置を実施しているかなどを調査します。

3.現金/預金/借入金残高の確認

現金の実査や、預金/借入金について金融機関から入手する残高証明書と照合し、その残高が正確であるかどうかを調査します。

4.経理処理状態と帳簿組織およびシステムの確認

経理担当者の経理に関する知識度合いを調べたり、各帳簿組織、システム間での連携が正確に実施されたり、かつ取引が正確に帳簿へ記録されているかどうかを調査します。

5.伝票確認

取引記録にもとづいて正確に伝票が発行されているかどか、上長など責任者が伝票を確認/承認しているかどうかを調査します。

6.勘定科目の確認

勘定科目の内容に不明なものはないか、正確な残高が計上されているかどうかを調査します。

7.引当金等の確認

貸倒引当金、賞与引当金、退職給付引当金などが正確に計上されているかどうかを確認します。

8.固定資産計上や除却処理の確認

取得した固定資産は正確に計上され、減価償却が行われているかどうかや、売却および除却した際の会計処理が正確に実施されているかどうかを調査します。

9.実地棚卸しの確認

企業が実施する実地棚卸しに監査人が立会い、実地棚卸しが正確に行われているかどうかを確認します。

他にもたくさんの監査業務がありますが、主要な内容は以上になります。これらの会計監査を受けない場合は、または適当な対応をしてしまうと企業にはどういった影響が生じるのでしょうか?

それは、決算書の内容が正しくないという意見表明である「不適正意見」や、意見自体を述べないという「意見不表明」と言う結果になります。

会計監査の目的は会計報告における重大な虚偽を排除することです。それと同時に、自社の会計状況に間違いがないことを外部に向けて証明してもらうための機会にもなります。会計監査人によって「正当性の高い会計報告を行っている」という意見表明がされれば、企業の評価を向上したり、維持するための大きな武器になります。上場会社ならば不適正意見や意見不表明の監査方向書が出てしまうと、それだけで上場廃止になります。たとえそうでなかったとしても、財務報告書の内容が怪しい企業として社会的信用が大きく低下するため、株価暴落や取引先との信頼関係失墜はまぬがれないでしょう。

この機会に、会計監査についてより深く理解し、社会的信用を向上するための活動を目指しましょう。

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