会計ソフトとは? 種類や機能、メリット・デメリットについて

 2018.06.19  クラウドERP編集部

[E-Book]データ主導の意思決定に勇気を持ち続ける

会計業務は複雑かつ作業量が多いため、その効率化をしたいと考えている企業は多いでしょう。ある調査レポート(経理担当者500名に大調査!経理のやりがい、大変さ…本音レポートを公開!)では経理担当者へのアンケートにて「一番大変なことは?」という設問に対して3分の1以上の人が「ミスが許されないこと」と回答しています。

複雑で、作業量が多くて、ミスが許されない…。組織の中で数ある部門のなかでも経理は最も効率化すべき部門だと言えるのではないでしょうか?

しかし会計業務を効率化するのはそう難しいことではありません。会計ソフトを導入すれば解決できる部分は多いでしょう。今は中小企業でも個人事業主でも会計ソフトを使用し「自計化」を図る時代です。もしも皆さんの会社の会計業務がいまだExcelを使ったものなら、この機会に会計ソフトを検討してみてください。

まずはここで、会計ソフトとは何か?その役割や使い方などを知っていきましょう。

managerial accounting

会計ソフトとは?

会計ソフトが登場したのは1980年代後半です。低価格なパソコンの普及がはじまり、それまで大企業のものだったコンピューターは中小企業でも手が届く価格になり、それに応じて様々なソフトウェアが発売されるようになりました。会計ソフトもその一つであり、紙の台帳に会計情報を記入する時代からコンピューターを使用して会計業務を行う時代へと徐々にシフトしていきます。

国内会計ソフトの老舗といえば弥生シリーズでしょう。1987年にリリースされて以降20年以上にわたって多くの企業に活用されています。さらに多くのベンダーから会計ソフトが提供され、時代と共に色々な機能が備わったり、法改正に対応したりと進化を続けてきました。

その後会計ソフト市場が大きく変わるターニングポイントになったのがクラウド会計ソフトの登場です。これは従来の会計ソフトのようにパソコンやサーバーにインストールするタイプではなく、インターネット経由で会計ソフトを利用するというサービスです。

インターネット接続環境と要件を満たしたパソコン、それとサービスに支払う月額料金さえあれば手軽に使えるというのがポイントです。日本最初のクラウド会計ソフトとされているのがfreeeです。

複式簿記の知識が無くても会計業務を行えるというのがコンセプトで、会計ソフトによる自動仕分けで会計業務を効率化できます。もちろんまったくの知識ゼロで使えるわけではないですが、最低限の知識とスキルがあれば活用できるでしょう。 

現在ではクラウド会計ソフトが徐々に市場を拡大し、インストール型の会計ソフトを利用する企業が減少傾向にあります。常に最新バージョンが使えるため法改正に自動で対応できたり、社外にいても会社の経理状況を確認できるなどのメリットが時代のニーズに合致したのでしょう。

「会計ソフト」について詳しくは、こちらの「会計ソフトの種類とそれぞれの特徴とは」記事で是非ご覧ください。

会計ソフトの提供形態

会計業務の効率化に欠かせないシステムである、会計ソフト。複雑な業務が多い経理部の業務効率化や会計ソフトの導入を検討している企業は非常に多いでしょう。実際に多くの企業が、会計ソフトで会計業務の多くをシステム化しています。

会計ソフトとは、企業をはじめとした事業者の金銭の動きを管理するシステムのことをいいます。集計や決算書作りまで行うことができ、会計業務におけるさまざまな便利機能を備えているため、IT技術が進んだ現代において、会計のスムーズな業務には欠かせないツールといえるでしょう。

会計ソフトにはクラウド型とインストール型の2種類がある

会計ソフトは、大まかに2つの種類に分類することができます。会計ソフトの導入を検討するなら、「クラウド型」と「インストール型」の違いはしっかりと理解しておきましょう。

クラウド型

さまざまな業務のクラウド化が進む近年、クラウド型の会計ソフトを利用する人が増えています。ネットワークを通じて会計ソフトを利用できる仕組みになっており、会計ソフトを提供する事業者がアップデートやメンテナンスを行ってくれるため、アップデート作業や何かあったときのメンテナンス対応に不安があるときは、クラウド型を導入すると安心です。

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インストール型

インストール型は、自社のコンピューター内に会計ソフトをインストールすることで機能を利用できる仕組みになります。クラウド型と違って、アップデートなどは自社で行う必要がありますが、外部ネットワークへの接続を必要としないため、セキュリティ性能は高いことで知られます。社外で仕事をする機会がない場合は、インストール型の方が向いている可能性があります。

会計ソフトの役割とは

会計ソフトの役割はもちろん会計業務を効率化することですが、ここでは管理会計と財務会計に分けてその役割について説明します。

管理会計における会計ソフト

管理会計とは会社の経理状況をレポートとしてまとめて、事業計画や経営計画を立てるための判断材料に使います。そのため管理会計はその会社独自の会計帳票を作成している場合が多く、一定ではありません。この管理会計において会計ソフトはカスタマイズ可能な会計帳票作成という機能を提供するのが一般的です。会社の管理ルールに従って会計情報を収集し、会計帳票としてまとめます。手作業での会計帳票作成ではレポートをまとめるまでにかなりの時間を費やしていましたが、会計ソフトを使えば1時間以内で作成できてしまうため事業計画や経営計画への意思決定が迅速化するという効果があります。

財務会計における会計ソフト

一方財務会計とは、あらゆる会計情報を最終的に決算報告書としてまとめてステークホルダー(投資家や株主など)に情報を開示するための会計業務です。公正公平な取引を実現するために企業は自社の経営状況を外部に伝える義務があり、最終的には貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)を中心とした財務諸表にまとめます。そのため財務会計には一定のルールがあります。会計ソフトは財務会計にて正確な会計情報の提供と迅速な決算報告書作成を提供するという役割があります。さらに、ほぼ毎年施行される法改正に都度対応し、財務会計を正しく効率化するというのも重要な役割です。

以上のように管理会計か財務会計かによって会計ソフトの役割が違います。製品によって管理会計に強いか財務会計に強いかは分かれるため、会計業務の現状課題を整理した上で適切な会計ソフトを選ぶことが大切です。

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会計ソフトを使うためには?

会計ソフトは導入したい、でも何から始めればいいかわからない、という場合はまず「自社がなぜ会計ソフトが必要なのか?」を改めて整理しましょう。会計ソフト導入にあたってこうした目的の明確化ができていない会社は意外と多く、なんとなく必要だと思って導入してしまい、会計ソフトの効果を最大限に引き出せていないことも多いのです。単に「会計業務を効率化したい」という目的では漠然過ぎて、自社にとって何が最適なのかはわからないでしょう。

そこで「なぜ会計業務が非効率なままなのか?」というところまで掘り下げて考えてみてください。たとえば「会計業務自体はExcelで十分行えているが、レポートとしてまとめるのに時間がかかるため役員会議で使用する情報がいつも微妙に古い」といった明確な課題が見えてくるかと思います。

課題がはっきりすれば目的もはっきりします。この場合「会計業務のスピードは維持しつつ会計情報のレポート出力を早めてリアルタイムな会計情報を提供する」というのが会計ソフト導入の目的になります。ここまで目的を明確にすればあとはそれにマッチした会計ソフトを選ぶだけです。たとえばクラウド会計ソフトならレポート出力機能があってリアルタイムな会計情報を提供できますし、役員会議でシステムにアクセスしてその場で会計状況を把握することも可能です。

このように「会計業務を効率化したい」だけでなく、まずは課題をドリルダウンして考えてから目的を明確にしましょう。

おすすめの会計ソフト17選」について調べてみよう!

会計ソフトを導入すれば何ができる?主な機能とは

会計ソフトにはさまざまな便利な機能があります。自社業務との相性もありますが、会計ソフトによくある機能として、以下の機能の特徴やメリットはぜひ押さえておきましょう。

経営活動に関わるあらゆるお金の計算

会計ソフトを使用すれば、経営活動で必要となるお金の計算は基本的に会計ソフトで簡単に行うことができます。

  • 予算管理
  • 資金繰り
  • 原価計算

これらの基本的な計算も、会計ソフトではシステム上でスムーズに行うことができます。そのため、電卓やエクセルなどを使って時間をかけて行っていた業務も、大幅に効率化できます。

帳簿への自動入力機能

帳簿への記帳は自動化されれば業務効率化につながります。会計ソフトを導入すれば、領収書やクレジットカード明細を取り込むことで、自動的に帳簿に記帳することが可能となります。数字をそのまま自動的に入力してくれるため、ヒューマンエラーによる入力の間違いを防止することにもつながります。

各種支払いのスケジュール管理

会計ソフトでは支払いのスケジュール管理を行うことも可能です。スケジュール管理をシステム化して、決済につなげることができるため、アナログな管理による支払い忘れを防ぐことができます。

データ分析

会計ソフトのポイントは、会計業務のみをマニュアル通りに行うだけにはとどまらない点です。分析ツールが搭載されているソフトが多いため、会計ソフトを導入しておけば、帳簿からのデータ分析を行うことが可能となります。

昨今、企業のデータ活用は有利な事業活動において欠かせないことです。会計ソフトの分析ツールを利用すれば、予算や資金繰りに課題がある場合、その課題を客観的に指摘したうえで対策を示してくれます。これは迅速な意思決定に役立つ重要な機能の一つといえるでしょう。

決算書作成

会計ソフトでは決算書作成もスムーズに行うことができ、複雑な業務ばかりで時間のかかりやすい決算時期の業務効率化につながります。会計ソフトを使用すれば、ワークフロー次第では、多忙な決算時期でも経理・会計部門のテレワーク化が実現できるでしょう。

会計ソフトを導入するメリット・デメリットは何がある?

会計ソフト導入のメリット・デメリットには以下のようなポイントがあります。

会計ソフトを使うメリット

重視しておきたいメリットは以下の5つです。

  • 会計業務の時短、効率化が図れる
  • リモートでも会計業務を行える
  • 担当者の会計知識が少なくてもソフトで補える
  • 不正防止につながる
  • システム連携が楽になる

近年のテレワーク推進の流れの中では、会計ソフトの導入は大きな役割を果たします。スピーディーに会計業務を行うことが可能になるため、会計部門の働き方改革につながるシステムの一つといえるでしょう。また、各種システムとの連携に対応している会計ソフトも多く、会計のみならずさまざまな業務を効率化できる点もメリットになります。

会計ソフトを使うデメリットや注意点

懸念されるデメリットや注意点としては、以下の2つに注目しておく必要があります。

  • 慣れないうちは入力ミスなどのトラブルが起こる
  • ソフトによっては既存のシステムと連携できないこともある

会計ソフトも万能ではありません。設定などの操作を行う際にミスがあれば、結果として業務を遅延させる結果につながる場合もあります。慣れるまでには、ある程度の時間を要することになるでしょう。また、既存のシステムとは連携できないこともあるため、特にオンプレミスの独自システムを使用している場合は、連携の可否を導入前にしっかり確認しておく必要があります。

会計ソフトを検討するならERPも選択肢の一つに

ERPとは、会計業務のみならず事業における複数業務を一元管理できるシステムのことです。会計ソフトで効率化できるのは基本的に会計業務のみですが、ERPパッケージは複数業務、つまり企業全体の業務を時短・効率化することができます。

OracleのNetSuiteはクラウドERPとして世界的に幅広いシェアを誇り、その導入実績は20,000社以上に及びます。グローバルなクラウド型ERPとして利用でき、19種類の言語・190種類以上の通貨・各国会計基準に対応しているなどのメリットがあります。さまざまな業務と連携し一元管理できるため、会計ソフトの導入を考えるなら、ERPも選択肢の一つに入れておくと良いでしょう。

すべての業務が一つに繋がる会計ソフト「NetSuite」

会計ソフトの中にもいくつかのカテゴリがあり、インストールしたパソコンでしか使用できないもの、サーバー上に大規模システムとして構築するもの、インターネット経由で利用するクラウド会計ソフトなどがあります。中でも近年導入が進んでいるのがクラウドで提供されるERP型の会計ソフトです。

ERPとは「Enterprise ResourcePlanning(エンタープライズ・リソース・プランニング)」を略したもので、直訳すると「企業資源計画」です。これは1980年代に製造業にて流行したMRP(資材所要量計画)の概念を企業が持つ資源全体に拡張したもので、人・もの・金・情報といった経営資源を可視化し、一元的に管理するための手法およびシステムです。一般的には「統合基幹業務システム」と呼ばれています。

NetSuite(ネットスイート)」というERPは管理会計および財務会計を中心としたERPで、会計ソフト以外にも顧客管理や営業支援、人事管理や製造管理など経営に不可欠な業務システムをすべて一つに統合したクラウド製品です。

クラウドなので大規模なインフラは不要であり、インターネット接続環境とパソコンさえあれば大規模な統合システム環境を素早く構築できます。

会計業務だけでなく、会社全体の業務効率化を目指したいという方はぜひ「NetSuite」をご検討ください。

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