経営分析の方法と代表的な指標を紹介、成長企業が確認している経営指標とは

 2019.02.05 

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人間は定期的に健康診断を受けないと、今現在自分の体の中がどうなっているかを把握することはできません。それと同じように、企業もまた経営や組織のことを把握するための健康診断が必要です。これを“経営分析”といいます。

そして健康診断に血液検査や人間ドッグといった検査項目が色々とあるように、経営分析も色々な指標から総合的に企業の現状を把握します。

本稿ではこの経営分析の方法と、その代表的な指標についてご紹介します。成長企業の経営者は自社の何を見ているのかをご確認ください。

経営分析を行う方法

経営分析を行うにあたってまず大切なのがデータです。データを分析すること自体はそう難しくなく、ポイントは如何にして効率良くデータを収集するかでしょう。その方法としては次のようなものが考えられます。

必要なデータを必要な時に収集する

経営分析を行うために必要なデータの種類は1つではありませんし、各データは組織のあちらこちらに分散しています。そこで必要な時にデータを収集することで経営分析ができるでしょう。ただし、データ収集は想像以上に重労働です。まず各部門から送信されるデータを1つのExcelドキュメントに集計して、そこから分析可能な状態にデータフォーマットを統一しないといけません。

これではデータを分析するまでにかなりの時間がかかってしまい、リアルタイムなデータを参照しつつ経営分析を行うことはできません。それは例えると1週間も前の天気予報を見ながら航海を続けるようなものであり、適切な舵切りが難しいことは言うまでもないでしょう。

必要なデータを特定の場所で管理する

データ収集を効率良く行うために考えられることは必要なデータを特定の場所にて管理することです。各部門から定期的にデータが特定の場所に管理されるよう社内ルールを作れば、データ収集にかかる時間を大幅に短縮できます。データフォーマットを統一するような社内ルールも作れば、データの加工にかかる時間も短縮できます。

ただし問題もあります。それがExcelドキュメントのバージョン管理です。いくら社内ルールを作ってもそれが100%守られることはほぼあり得ないので、一体どのExcelファイルが最新版なのか分からなくなり、結果として間違ったデータを参考に経営分析をしてしまう可能性があります。

さらに、定期的にデータが特定の場所に管理されるように社内ルールを作っても、それが守られなければ最新版のデータを使うことすらできません。

リアルタイムなデータ収集が可能な環境を整える

もう1つの方法は個々人からデータを収集したり特定の場所に管理させるのではなく、そうした作業なくリアルタイムなデータが収集可能な環境を整えることです。具体的にはERP(Enterprise Resource Planning)というITシステムがそれを可能にします。

ERPは財務会計システム生産管理システムなど経営に欠かせない業務アプリケーションを統合し、かつそれらの業務アプリケーションは100%の親和性で連携が取れています。各業務アプリケーションから生成されるデータは1つのデータベースで管理されるので、必要なデータを必要な時に、その場で取得することができるのです。

さらにERP自体に分析ツールが備わっていたり、分析ツールを連携していれば経営分析を自動化して、常に最新のデータに基づいて経営判断を下していけます。

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経営分析の指標一覧

では、肝心の経営分析はどういった指標から行われるのでしょうか?ここでは一般的な指標となる収益性、効率性、安全性、成長性、損益分岐点、生産性について説明します。

収益性

企業にとって収益を上げていくことは経営の本質です。収益性では自社がどれくらいの収益を上げているのかを客観的に判断します。主に使われる指標が総資経常利益率(ROA)と自己資本当期純利益率(ROE)です。

総資本経常利益率(%)=経常利益÷総資本×100

自己資本当期純利益率(%)=当期純利益÷自己資本×100

効率性

企業は売り上げを立てることで経営を維持していきますが、如何に効率良く利益を得ているかということも大切です。単に売り上げを立てていても効率性が下がっていれば、それに伴って利益は下がります。効率性で主に使われる指標は売上高総利益率と売上高営業利益率です。

売上高総利益率(%) =売上総利益÷ 売上高×100

売上高営業利益率(%) = 営業利益÷ 売上高×100

安全性

企業の支払い能力を把握することは倒産のリスクを判断したり、ビジネス拡大のための資源を理解することにおいて欠かせない指標です。企業は売り上げを立てながら倒産してしまうケース(黒字倒産)も多いので、現状の売り上げにまどわされずに安全性を判断していきます。よく使われる指標は自己資本比率と固定比率、それと流動比率です。

自己資本比率(%)= 自己資本÷ 総資本×100

固定比率(%)= 固定資産 ÷ 自己資本 × 100

流動比率(%)= 流動資産÷流動負債×100

成長性

自社が今どれくらい成長しているのか、将来的な成長の見込はあるのか等を把握することで今後の事業展開について深く考えることが可能です。そうすることで効率良く事業に投資したり、必要に応じて撤退等の判断を素早く下すことができます。よく使われる指標は売上高増加率、利益増加率です。

売上高増加率(%)=(当期売上高-前期売上高)÷前期売上高×100

利益増加率(%)=(当期経常利益-前期経常利益)÷前期経常利益×100

損益分岐点

損益分岐点とはある事業において損失と利益の分岐点となるボーダーラインのことです。損益分岐点を超えると収支がゼロになり、採算が取れるようになります。これを把握するためにはまず変動費と固定費、それと変動費率を把握することが大切です。変動費とは売上高に伴って変動する費用、固定は売上高に関係なく発生する費用です。損益分岐点は次のように計算します。

損益分岐点 = 固定費 ÷ 限界利益率

限界利益率(%)= 限界利益 ÷ 売上高 ×100

限界利益 = 売上高 - 変動費

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生産性

生産性とは事業に投入したリソースに対して、どれくらいの産出量を得られたかという指標です。リソースとは主に労働力、資本、土地、原材料、機械設備などが挙げられます。産出量とは生産した製品、売上高、付加価値、GDPなどが挙げられます。生産性が高いことは企業にとってとても良い状態であり、これをコントロールすることで高い利益率を生み出します。よく使われる指標は労働生産性と資本生産性です。

労働生産性(円)= 付加価値額 ÷ 従業員数(2期平均) × 100

資本生産性(円)= 付加価値額 ÷ 総資本 × 100

以上が経営分析に用いる一般的な指標です。1つの指標を見ただけでは企業全体の状態を見渡すことができません。なので複数の指標をもって経営状況を総合的に判断し、それに応じて適切な意思決定をすることがとても大切です。

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経営分析にNetSuiteを

NetSuite(ネットスイート)はインターネットを通じて提供されるクラウドERPであり、企業は特別なインフラを整備せずとも大規模なシステム環境を導入することができます。NetSuiteはクラウドERPでありながら柔軟なカスタマイズ性を持ち、かつすべての業務アプリケーションが連携することで情報活用が大幅に促進します。

また、分析を効率よく可視化するためのダッシュボードやレポーティングツールなども標準で内包されているだけでなく、基本的な指標に関してはすでにプリセットされています。

もちろん、経営分析のためにデータを複数部門から収集することもリアルタイムに行えるので、生きた情報をもとに判断を下していけます。経営分析を強化したい、そう考えるならばぜひNetSuiteをご検討ください。

経験や勘からの脱却、データ主導の意思決定が企業成長には不可欠

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