事例から見る!OMO戦略の成功ポイントを解説

 2021.01.14  クラウドERP実践ポータル

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時代の変化とともに、従来のマーケティング手法による集客が困難になりつつあります。それは、オンラインをオフラインへとつなげる「O2O」や、オムニチャネルといった戦略も例外ではありません。そこで近年注目を浴びているのが、オフラインとオンラインを融合させる「OMO」戦略です。当記事では、OMO戦略を取り入れている企業の事例や、成功のポイントについて解説します。

事例から見る!OMO戦略の成功ポイントを解説

OMOとは?

「OMO」とは「Online Merges with Offline」の頭文字をとった略称です。「Merges」は「統合」や「融合」を指す言葉であり、オフラインとオンラインの融合を意味します。もう少し具体的にいえば、オフラインとオンラインの境界線をなくし、一貫性の高い顧客体験を提供することを目的としたマーケティング手法のことです。

OMOというマーケティング用語の生みの親は、Google中国法人の元CEOである李開復(リ・カイフ)氏です。同氏が2017年にその概念を提唱し、その後『ザ・エコノミスト誌』にて発表されたことを機に、注目を集めるようになりました。

中国はOMOがもっとも浸透している国です。例えば、都市部ではあらゆる決済がモバイルデバイス1つで完結するなど、オンラインとオフラインの連携が日本以上に進んでいます。

OMOとO2O・オムニチャネルとの違い

「O2O」とは「Online to Offline」の略称で、オンラインを使ってオフラインへ集客するマーケティング戦略をいいます。例えば、SNSでお得なクーポンやイベント情報を配信して購買意欲を掻き立て、店舗への集客を促すといった手法を指します。一方「オムニチャネル」は、企業とユーザーをつなぐチャネルの情報管理システムを統一し、シームレスな購買体験の提供を目的としたマーケティング戦略です。

それに対してOMOでは、オンラインとオフラインの融合を図ります。OMOの基本的概念は、オンラインとオフラインの垣根を超えたUX(ユーザー体験)の提供です。オンラインとオフラインの顧客データを融合してビジネスを構築し、より優れたユーザー体験を提供することがOMOの目指すところです。

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海外でのOMO成功事例

時代の変化に伴い、O2Oやオムニチャネルといった従来のマーケティング戦略では、顧客満足度を高めることが困難になりつつあります。そんな中、注目を集めているのがOMOです。しかし、オンラインとオフラインを融合させるとは、具体的にどのようなビジネスモデルを指すのでしょうか。それを確認するためにも、OMO戦略を実際に導入した企業の成功事例を見ていきましょう。

中国:Alibaba

まずは、中国最大のスーパーマーケット「盒馬鮮生(フーマー・フレッシュ)」を運営する企業「Alibaba」の事例から見てみましょう。

盒馬鮮生では無人レジを導入しており、スマートフォン1台であらゆる買い物が完結します。また、店舗から3km以内の距離なら、30分以内に無料配送してくれるサービスもあります。さらに、鮮魚を販売する生簀を設置したり、生鮮食品を豊富に取りそろえたりと、ユーザーを楽しませる工夫が随所に盛り込まれているのも、盒馬鮮生の特徴です。盒馬鮮生の成功は、利便性の高さだけでなく、優れたUXの提供によるものと言えるでしょう。

アメリカ:Amazon Go

世界最大のEC企業「Amazon」が、OMO戦略を取り入れて展開しているのが「Amazon Go(アマゾン・ゴー)」です。2016年にアメリカで導入され、日本でも「レジに人がいない無人コンビニ」として話題になりました。スマートフォンをかざして入店し、購入したい商品をセレクトして店を出ると、自動的に決済が終わっているという、まったく新しい店舗の在り方とUXを実現しました。

アメリカ:ウォルマート(Walmart

世界最大のスーパーマーケットチェーン「ウォルマート」では、Amazonに対抗するべくOMO戦略にリソースを注いできました。そして「ピックアップタワー」と呼ばれる、Webサイトで購入した商品を店舗で受け取れる機械の開発に成功します。これにより、注文時に発行されるバーコードをピックアップタワーに読み込ませることで、わずか数秒で商品を受け取ることが可能となりました。

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日本でのOMO成功事例

OMO戦略によって高い成果を出している企業は、海外だけではなく国内にも存在します。例えば清涼飲料水の企業グループや、国内で屈指の人気を誇るアパレルブランドなどが該当します。ここからは、日本企業におけるOMOの成功事例を紹介しましょう。

ビームス(BEAMS

国内外におよそ160店舗を展開するアパレルブランド「ビームス(BEAMS)」の事例を見てみましょう。

以前のビームスは、店舗とECサイトの顧客データを個別管理していました。しかし、2016年に顧客データの統一に成功。これにより、購入チャネルに囚われることなく、ユーザー情報を管理できるようになりました。そして、広告やメルマガ配信において個別のコミュニケーションを実現します。これまでのアパレル業界にはなかった、顧客一人ひとりに対する最適なユーザー体験の提供に成功しました。

サントリー

「サントリー」は2019年、日本初のモバイルオーダー専門コーヒースタンド「TOUCH・AND・GO COFFEE」をオープンします。スマートフォンアプリ「LINE」のトーク機能を使って、コーヒーを自分好みにカスタマイズして注文・決済できるシステムを実現しました。

LINEであらかじめ注文と決済を完了させるので、従来のように注文してから商品を受け取るまでのタイムラグがありません。LINEで自分の好きなようにカスタマイズしたオリジナルコーヒーを、待ち時間なく受け取れるという、これまでにないUXを提供しています。

ユーザー体験がOMO成功へのカギ

これまでのマーケティング手法は、オンライン集客によって収益性を高めることばかりが重視されていました。しかしIT技術の進歩に伴い、時代は大きく変わろうとしています。よい商品やサービスを提供するだけで選ばれる時代は終わりを迎えました。

これからの時代に求められるのは、UXをベースとした価値を提供することです。オンラインとオフラインという2つの世界を融合させ、蓄積されるデータをもとにして優れた顧客体験を創出していくことが、成功のカギとなるでしょう。

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まとめ

従来ではO2Oやオムニチャネルといった、オフラインとオンラインをつなげる戦略が主流でした。しかし、ビジネスを取り巻く環境は凄まじい速さで進化・発展しており、近年ではこれらのマーケティング戦略が機能しなくなりつつあります。OMOは、オフラインやオンラインといった概念を超え、両者の融合を目的としており、O2Oやオムニチャネルよりも一歩進んだ戦略と言われています。今回紹介した事例なども参考に、ぜひOMOを自社の企業戦略に取り入れてください。

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